【データに基づいての浦和のゲームレビュー】

2022 J1第13節 浦和 0-0 広島


【試合前プレビュー】

今節の浦和の相手は現在7位につける広島。

前節では首位鹿島に3-0で快勝するなど調子は上向き。


一方の浦和はACLを挟んでここまで4試合連続ドローと勝ち切れない試合が続いている。

特に得点がここ4試合でわずかに2点、ここ2試合連続で無得点が続いており、今節はホーム埼スタでなんとしても得点をあげて勝ち点3を得たい試合。


【前節(第13節)終了時順位表】

画像


【直近5試合の成績】

前節までの対戦成績




【システム】

フォーメーション図

フォーメーション図


浦和の方は前節のスタメンから、柴戸と江坂を外して伊藤と小泉を選出。

配置などの変更はなく、慣れ親しんだシステムでの戦い。

一方の広島は前節で対戦した柏同様5-3-2(3-5-2)の基本システムであり、噛み合わせが合わない同士のシステムでの試合となった。



【試合展開】

●キックオフ~15分

・立ち上がりからお互いハイプレスをかけるテンションの高い試合展開に

・浦和はショルツ、広島は満田がミドルシュートを放つが両チームともに崩し切った攻撃はできず

・13分に馬渡のクロス気味のFKが直接ゴールに吸い込まれるが、オフサイドの判定でノーゴール


●16分~30分

・相変わらずテンションの高い試合内容が続く

・試合のペースもお互いが握り合う一進一退の攻防

・広島は野津田のミドルやショートカウンターから満田がチャンスを作るが得点には至らず


●31分~45分

・広島のペースが若干落ち、ゲームは徐々に浦和ペースに。浦和がボールを握り、広島がブロックを作る時間が増える

・浦和は左サイドを中心にチャンスを作るが決定的なチャンスまでは至らず

・広島は2トップの個の能力の高さを活かしてチャンスを作る


●46分~60分

・HTで広島が選手交代をし、システムを3-4-2-1に変更

・広島がハイプレスを仕掛け、浦和がうまくボールを握れずにペースは広島へ

・カウンターからモーベルグが決定機を作るが大迫ファインセーブ


●61分~75分

・引き続き広島のハイプレスが続き、広島がチャンスを多く作るが西川が好セーブを連発

・途中投入されたユンカーと江坂を中心にカウンターでチャンスを作るが決め切れず


●76分~90分

・広島のハイプレスのペースが落ちて徐々に浦和ペースへ

・松尾や江坂のミドルシュートでゴールを脅かすが、大迫が安定したセーブで立ちふさがる


●90分トータル

・両チームとも早いプレッシングの中でもしっかりとボールを保持して攻撃を仕掛ける非常に質の高い試合であった

・両チームともチャンスを数多く作るが、両GKのファインセーブもありスコアレスドローに終わる


【ゲームスタッツ】

基本スタッツ



【浦和攻撃分析】


【ビルドアップ】

・相手が2トップでプレスをかけてくるということもあり、平野がアンカー気味にはいり、伊藤が前にでて、4-1-2-3のような形でビルドアップを行う

・広島が前線からかなり強度高くプレッシングをかけてきたが、平野がアンカー気味に入り、両CBと平野の3人で相手2トップに対して数的優位を作りボールをしっかりと動かせていた

・相手が前線からかけてきた中で、小泉が上手く顔を出してDFラインからのパスを引き出しチャンスメイクをしていた

パスソナー・パスネットワーク

↑パス本数を見ても、岩波、ショルツ、平野の3枚中心でゲームを作っていたのがわかる

↑↓小泉のパス成功本数の多さからも、小泉が良いタイミングでボールを受けに来ていてビルドアップを助けていたことが分かる


ヒートマップ - 小泉 佳穂

↑ヒートマップからも小泉が縦横無尽に動いていたことが分かる


エリア間パス図


【ボールロスト位置】

ボールロスト位置

広島がかなり高い位置からかけてきたが、自陣での危険なロストは少なく、ポゼッションの質の高さが伺える



【チャンスクリエイト】

・ボール支配率は4位だが、得点数は下から6番目と、ボール支配が得点になかなかつながらない

・一般的な仮説では、ボールを支配するがチャンスを作れない為得点に繋がらないというところになる。ただ、浦和はデータを見るとシュート数やチャンス構築率も高い為に、ボールを保持しながらもしっかりとフィニッシュまで持って行けているということが考えられる


↑攻撃回数が少ないのは、一度ボールを保持したらなかなか失わない為に、相対的に攻撃の数自体は減るものと考えられる


【ゴール期待値】

ゴール期待値


↑ただ、この試合に限ってはゴール期待値はあまり高くない。

シュート数は多かったが、基本的にはペナルティエリア外からのミドルシュートが多く、

崩し切れていないことが分かる。

モーベルクとユンカーの決定機もカウンターからであり、この試合はポゼッションから崩し切ったシーンは見られなかった。


「改善点」

・1トップのシャルクになかなか良い形でボールが入らないことは大きな課題である

・1度中にボールが入らないとどうしても外回しの攻撃になり相手としては守りやすい

ヒートマップ - アレックス シャルク

ヒートマップ - ジュニオール サントス

↑システムや出場時間の差はあるとはいえ、広島FWのジュニオールサントスと比較すると、バイタルやペナルティエリア内でシャルクがボールを触れるシーンが明らかに少ないことが分かる



【今後の展望】

現在下位に低迷する浦和だが、ボール支配率はリーグ4位、1試合平均失点は0.8でリーグ2位と、スタッツ上は決して悪くない。

ここまで5試合連続ドロー、3試合連続無得点と厳しい状況が続いているが、点をとって快勝する試合があれば一気に流れは変わるものと考えられる。

この後、横浜、鹿島と上位チームとの試合が続くが、この2連戦が今シーズンの行方を左右する重要な試合になるのは間違いない。