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【データに基づいての浦和のゲームレビュー】

2022 J1第11節 浦和 3-3 横浜FM



浦和の意地を見た。




0-3。


前半が終わった時点でのスコアだ。

浦和の出来が悪いわけでは決してない。

それでも、全く歯が立たない。

それだけ、この日の横浜のクオリティは高かった。


基本的に前半が終わって3-0であればほぼ決着はついている。

それどころか、この日の横浜の出来からしたら、一体90分で何点差がつくのか。


前半終わった時点で誰もがこのあと45分後に起こるであろう惨劇を覚悟していた。


しかし、ロッカールームにて15分を過ごした後にピッチに戻ってきた浦和イレブンの目つきは違った。


ここから奇跡の45分間の幕が開けた。



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【試合前プレビュー】


現在5試合連続引き分けで16位に低迷する浦和レッズ。


今節は3位の横浜、次節は首位の鹿島と、上位チームとの連戦が始まる。


決して試合の内容は悪くないだけに、この上位との連戦で良い結果を出せれば一気に軌道に乗れるであろう。

今節は今シーズンの結果をうらなう重要な試合になる。


【前節(12節)終了時順位表】

画像


【直近5試合の成績】

前節までの対戦成績

↑横浜は直近3試合で9得点と攻撃陣が大爆発。一方の浦和は3試合連続で無失点。

横浜の爆発的な攻撃力か、浦和の安定した守備か、一体どちらに優位性があるのか見ものである。


【システム】

フォーメーション図

フォーメーション図

机上のシステム論の噛み合わせとしては、お互いに最終ラインvs前線が4-3の形で中盤が3枚同士なため、

基本的には噛みあうのでプレスがかかりやすくビルドアップははまりやすい形が予想される。



【試合展開】

平日開催にも関わらず約2万人の観客が詰めかけた試合。


観客の熱気に後押しされるように、キックオフと同時にお互いにハイプレスをかけあうインテンシティの高いハイテンションな立ち上がり。


浦和はこの日スタメンに復帰したユンカーが立ち上がりから躍動。


シュートまでは行けなかったが、横浜の高いDFラインの隙をつき、3分にうまく裏に抜け出す。

8分には明本がロングシュートを放つなど、4試合ぶりの得点を目指して立ち上がりから浦和は意欲的に攻撃を仕掛ける。


しかし、横浜の高い技術とモビリティを活かしたクオリティの高い攻撃を前に徐々にペースを握られていく。


そして前半11分に左SBの小池が素晴らしいランニングで左サイドを抜け出しクロス。

ファーサイドに詰めていた水沼が無人のゴール突き刺して横浜が先制点をあげる。



それ以降も横浜のクオリティの高い攻撃を前にボールが奪えない浦和。


18分には宮市のカットインクロスからアンデルソン・ロペスがヘディングでゴールし、2点差に。


浦和も決してプレスをがぬるいわけではないが、それを上回るマリノスのポゼッションを前になすすべなく、29分には横浜が高い位置でボールを奪ってから素早く仕掛けて宮市がゴール。


試合開始わずか30分で3点差。


浦和はアディショナルタイムショートカウンターでシャルクとユンカーの二人の連携でシュートまでいくが、ほとんど見せ場のないまま前半を終える。



前半を終えて0-3。


決して浦和が悪いわけではない。

ただ、横浜の出来が良すぎた。


高い技術&連動したポゼッションで浦和の守備陣形を崩し、サイドで圧倒的個の優位性を持つ宮市がフリーでボールを預ける。


中をケアすれば俊足を活かして縦突破、縦をケアすればカットインから1得点1アシストと、宮市に対して浦和守備陣は1対1ではどうしようもない状況を作られる。


このまま後半も一方的に押し込まれて、惨劇を目の当たりにしてしまうのではないかと不安に駆られるサポーター達。


ただ、日本を代表する名門クラブの赤のユニフォームを身に纏っている選手達のプライドは伊達ではなかった。



後半始まると同時に、リスクをとって前から重心を前にかけてゴールを奪いにいく。


後半開始早々の46分にユンカーが絶妙な抜け出しでゴールし、早速1点を返す。


その後もハイプレスをかけ続け、徐々にペースを握り始めるが、それでも横浜の高いクオリティの前に何回もピンチを迎える。


50分にはCKから、60分には水沼のクロスが直接ゴールに向かうが共に西川がファインセーブしチームを救う。


その後も一進一退の攻防が続き、浦和はユンカーが積極的に高いマリノスのDFラインの裏を抜け出し、

61分にはペナルティエリア内で倒されるがノーファール、68分にはGKと1対1もオフサイドと、なかなかゴールネットを揺らすことができない。


残り時間が徐々に少なくなってくるが、この日の浦和は本気で勝ちにいく。


68分に松尾と大久保という攻撃的選手2人を投入。

更になんとモーベルグをサイドバックで投入するという超攻撃的布陣を敷く。


リカルドロドリゲス監督の勝負にかける覚悟を感じる選手交代をきっかけに浦和が攻勢に出る。


そんなリカルドロドリゲス監督の思いがついに実を結んだのが80分。


岩波のロングパスを途中出場の松尾がワンタッチで裏に流しみ、走りこんだユンカーがゴール。


そして終了間際の88分、こちらも途中出場の大久保がスローインからドリブルで切り込んでからのシュート気味のクロス。

これをユンカーが触ってついに同点に。


リカルドロドリゲスの采配がずばり当たって3点差を追いつく。


その後、横浜は89分レオセアラが抜け出すが西川がファインセーブ、浦和は94分FKからショルツがヘディングでシュートを打つが右に外れて試合終了。


横浜は90分通して非常にクオリティの高い試合を見せてくれた一方で、浦和は「ホームで絶対に無様な試合はしない」という意地を見せてくれた試合だった。



こうしてハイレベルで壮絶な試合は3-3で両者勝ち点1を分け合う形となった。


【試合スタッツ】

基本スタッツ



【浦和データ分析】

お互いにボールをしっかりと保持したい意図のあるチーム同士の対決であったが、ポゼッションという意味では、数字上もクオリティも横浜が完全に勝っていた。


両チームの差で顕著だったのはモビリティの部分。

横浜はオフザボールの選手が常に動いて関わり続け、3人目4人目の連動性があったのに対して、

浦和は関係性が2人までで終えることが多かった。



↑基本的にはボールの支配率が高い方が走行距離は低く出る傾向にあるが、この日は横浜が支配率で上回りながらも走行距離も上回っていた。

ポゼッション時に、ボールを持っていない選手が積極的に動いていた為と思われる。



ハイプレスをかけられて、最終ラインから1個飛ばしの縦パスが入った際も、横浜は必ずレイオフの為の3人目の選手が近くに顔を出していたのに対して、浦和はレイオフの3人目の選手がいなかったので、受け手が孤立しボールロストすることが多かった。

ボールロスト位置


ボールロスト位置

↑ビルドアップ時のハーフライン付近での浦和のロストが多いのは1個飛ばしの縦パスに対しての3人目のサポートの少なさが原因と考えられる


また、データでは出ていないがダイレクトパスの数などは結構な差が出ていたと思う。(ダイレクトプレーの数はサポートの質を測る一つの指標になる。)



両者のポゼッションの差のもう一つはビルドアップ時のGKの使い方。

ヒートマップ - 西川 周作

ヒートマップ - 高丘 陽平

浦和はビルドアップ時はGKを後ろに配置し基本的にはFPのサポート役、すなわち10+1でポゼッションをしていたが、横浜はGKを11人目のFPと位置付け高い位置をとらせてビルドアップに関わらせて11人でポゼッションをしていた。


ほぼ同じシステムでハイプレスをかけあった中で、プレスをはがせた横浜とプレスにはまった浦和の差はGKの使い方にも要因があった。

(他にはトップ下(ショルツ、西村)のプレスのかけかた、プレス時の最終ラインの人数の構築も影響を与えていた)

パスソナー・パスネットワーク

パスソナー・パスネットワーク

↑浦和はプレス時にユンカー1人が横浜の角田+畠中+高丘の3人にかけていたので制限がかけられずにボールを持たれてしまったが、

横浜はロペス+西村の2枚が岩波、ショルツにプレスをかけにいったので、ボールを自由に持たせなかった。

両チームのCB+GKのパス本数が物語っている。


ただ、一方で横浜のハイポゼッション+ハイプレスを実現させている要因として、高いDFライン及び、数的同数を厭わない最終ラインのオーガナイズというものがある。


浦和もポゼッションでは負けていたが、逆に相手の弱点を上手く活かして、ユンカーが何度も最終ラインの裏を突破して、実際に3得点奪っているという意味では、状況に合わせた戦い方でしっかりと結果を出したということで評価できるのではないだろうか。



【今後の展望】

浦和にとっては6試合連続の引き分けで以前厳しい状況には変わりはないが、この日の引き分けはポジティブにとらえて良いのではないだろうか。


素晴らしい出来の横浜を相手に、後半に3点を追いついたということはチームとしては勢いに乗れるきっかけになるだろう。


チームは生き物であり、こういった何かのきっかけで一気に状況は変わる。

その為にも次節の鹿島戦が非常に重要である。


この日の後半の勢いのままに、鹿島戦に勝利をすることができれば、必ず一気に波に乗ることができるだろう。