【データに基づいての浦和のゲームレビュー】

2022 J1第14節 浦和 1-1 鹿島


【試合前プレビュー】

前節、横浜相手に前半終了時点で0-3の状況から、ユンカーのハットトリックで劇的に同点に持ち込んだ浦和。

今節の相手は現在2位につける鹿島。

前節後半の勢いをそのままに、ホームで上位鹿島を叩くことができるのか!?


【前節(第13節)終了時順位表】

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【直近5試合成績】

前節までの対戦成績



【スタメン】

フォーメーション図

↑江坂が少し下りてきて3-1-4-1-1気味の布陣


フォーメーション図

↑中盤は攻撃時はピトゥカが前に出て樋口が下りるダイヤモンド気味の布陣


システムは浦和が大きく変更。

これまでの4-2-3-1から3-1-4-1-1へ。

前節の後半の勢いをそのままにくると思っていたので、このタイミングでのシステム変更は意外だった。

鹿島対策で、噛み合わせ(鹿島中盤がダイヤモンド時)を重視してきたのかもしれない。


【試合展開】

小雨にも関わらず3万7千人が埼スタにつめかけた。

さすが日本を代表するクラブ同士の対戦である。


試合開始と同時にアウェイの鹿島が浦和ゴールへ襲い掛かる。


2分に明本から和泉が高い位置でボールを奪って、先日日本代表への選出が発表された上田が挨拶代わりのミドルシュートを放つ。 


そして開始5分で早くもスコアが動く。

左サイドに流れた鈴木が和泉へサイドチェンジ。和泉からボールを受けた上田がシュートを放つ。


そのシュートは西川がセーブするが、こぼれ球がカイキの前に転がり、カイキが豪快にゴールへ突き刺してアウェイの鹿島が先制。


開始15分時点でシュート数は鹿島が4本、浦和が0本と浦和の前節後半の勢いは鹿島の前に完全に消されてしまう。


鹿島は、横浜のようにポジショナルプレーが洗練されているわけではないが、とにかく個が強い。


ボールを失えばすぐにインテンシティ高く奪い返し、強力2トップを活かしたシンプルな攻撃でチャンスを作る。

ボール自体は浦和が支配しているが、鹿島がカウンターで仕掛けるという構図。


30分にはFKからピドゥカ、32分には鈴木の振り向きざまクロスに上田がシュートを放ち、浦和ゴールを脅かす。



なかなかチャンスが作れない浦和だが、そんな中一瞬の隙をつく。

前半38分柴戸のスルーパスに明本が抜け出してクロス。これが関根の腕に当たりVARの結果PKの判定。


44分にそのPKをショルツがPKを決めて同点に追いつき前半を終える。



後半に入り、浦和はシステム変更。

慣れ親しんだ4-2-3-1のシステムへ。


後半も開始と同時にまたもや鹿島が攻める。

48分にカイキのサイドチェンジに和泉がダイレクトで折り返すがわずかに上田に届かず。

一方の浦和も素早いパス回しから良い状態でユンカーへボールが入る。ユンカーのクロス気味のスルーパスはわずかに関根にあわず。


後半は浦和が支配し、鹿島がシンプルに2トップにボールを入れてチャンスを作るという展開に。


65分に宮本のパスにユンカーが上手く抜け出してシュートも上に外れる。

その直後、常本のクロスに上田がヘディングで合わせるが惜しくもGK正面。

69分にFKから明本がニアで合わせてゴールネットを揺らすがファールの判定でノーゴール。


一進一退の攻防が続く。


74分に上田が落としてカイキが決定的なシュートを放つも西川がファインセーブ。前節に引き続きチームを救う。


ホームの浦和は試合終了間際まで勝利をどん欲に目指しにいく。

終了間際に怒涛の攻撃。

91分に松尾が抜け出して角度のないところでGKと1対1になるがクォンスンテが体でブロック。


さらに94分に岩尾がミドルシュートを放つもクロスバー直撃。

その後、崩しからユンカーがペナルティエリア内でシュートを放つもDF必死のブロックでゴールならず。


1-1の同点でお互いに勝ち点1を分けあう形となった。



【基本スタッツ】

基本スタッツ

↑ボール支配率とパス本数では浦和が圧倒しながら、シュート数やCKの数は鹿島が上回っていることから本日の試合の両チームの戦い方がみてとれる。



【浦和守備分析】

この日の守備は、前節のように組織で崩されたというよりは、シンプルに個の優位性で負けた印象。


鹿島の早い段階で強力2トップにシンプルにアバウトなボールを放り込み、2トップが抑えたあとで、カイキ、ピドゥカ、和泉が関わってくる攻撃に手を焼いた。


最初のアバウトなボールに対して、DF陣が相手2トップを抑えてしまえばなんてことはなかったのだろうが、この2トップを抑えられるDFは今のJリーグにはなかなかいないだろう。


それであれば、2トップに対してボールを蹴らせないように、もう少し前線からのプレスを強くするなどの対策も必要だったかもしれない。


パスソナー・パスネットワーク

パスソナー・パスネットワーク

↑両チームのDFのパス成功数に圧倒的な差があるように、浦和はしっかりとボールを動かして崩す、鹿島はあまりボールは動かさずにシンプルに前線に配給するというお互いの戦術がみてとれる



もう一点は、特に前半、左サイドのファジーなポジションをとる鈴木に対して、DF陣が捕まえきれなかったことも鹿島にチャンスを与えてしまった原因ではある。

ヒートマップ - 鈴木 優磨

失点も左サイドで良い状態でボールを受けた鈴木のサイドチェンジが起点になり、

それ以外にも左サイドの鈴木起点でのピンチが何回かあった。



【浦和攻撃分析】

前半は噛み合わせがあってしまったことから、基本的に1人1人しっかりと見られてしまい、江坂などの中盤の選手がライン間やゲートでうまくボールを引き出すことができずになかなか良い形で攻撃を仕掛けられなかった。


こういうときは3-2で相手の1列目に対して数的優位であるDFラインの選手がボールを運び出して相手の中盤を引き出してズレをつくることがセオリー。


そういった意味で前半はショルツが上手くボールを前に運び相手のズレを引き出していた。


攻撃スタッツ - アレクサンダー ショルツ

ヒートマップ - アレクサンダー ショルツ

↑ショルツのパス数は岩尾に次いで両チーム2位の62回。ヒートマップを見ても、ただ後ろで受けるだけではなく、積極的に前に出ていっており、攻撃の起点になっていたことが分かる。



【今後の展望】

上位2連戦で共に先制をされるも、しっかりと追いつき負けることがなかった浦和。


何よりも大きいのはユンカーの復帰だろう。

この試合はかなり鹿島のDF陣からケアされていたが、それでも背後にボールを何度か引き出しチャンスを創出していた。


次節以降中位のチームとの試合が続くので、ここから一気に連勝といきたいし、その強さは浦和にはある。


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