【データに基づいての大宮のゲームレビュー】
2022 J2第18節 大宮 1-0 琉球
【試合前プレビュー】
前節、首位仙台に2-4で粉砕され、現在最下位と同勝ち点の21位に低迷する大宮。
大宮、盛岡、琉球と三つ巴で勝ち点14で降格争いをしているなか、今節の相手は三つ巴のうちの1チームの琉球。
先週、同じく三つ巴のうちの1チームの盛岡には勝ち点3を渡してしまっているので、今節は何がなんでも勝ち点3を奪いたい!
【前節(第17節)終了時順位表】
【直近5試合成績】
↑連敗中の大宮に対して、琉球は2勝2分け1敗と波に乗ってきている。
【システム】
両チームとも、THEオーソドックスな4-4-2。
やはり、下位チームがしっかりと守備を安定させて、確実に勝ち点を拾いにいくうえで、4-4-2というのはある程度計算ができるシステムなんでしょう。
【試合展開】
下位に低迷し、4-4-2でまずはしっかりと守備から入るチーム同士の試合。
膠着する展開が予想されるなか、意外にも開始1分で大宮が仕掛ける。
富山と武田の連携からサイドに展開し、茂木がカットインからピンポイントクロス。
小島がヘディングで合わせるが、わずかにゴール左へ外れる。
得点にはならなかったが、大宮のこの試合に懸ける意気込みが立ち上がりから十分に伝わってくる。
しかし、勢いよくスタートしたのも束の間、やはり大方の予想通り、試合内容は膠着した展開になっていく。
基本的には大宮がブロックを敷いて、琉球がボールを保持する流れ。
ただ、琉球もお世辞にもクオリティの高い攻撃ができているとは言えずに、両チームチャンスをつかめないまま時間だけがどんどんと過ぎていく。
前半は、開始早々の小島のヘディングシュート以外、両チームとも大きな見せ場なく0-0で終える。
前半は防戦一方だった大宮も、後半は徐々にペースを握り始める。
56分に柴山、60分に小島が左サイドを突破しクロスをあげるも、共にわずかに中には合わず。
左サイドを中心とした攻撃で徐々にゴールに近づいていく。
さらに63分に菊池、河田のFW2枚を投入し、さらに勢いに乗る大宮。
70分についに歓喜の瞬間が訪れる。
左サイドのFKから柴山が入れたニアへの早いボールを、この日スタメンに抜擢された田代がダイレクトで合わせ、ついにゴールネットを揺らす。
その後は当たり前だが、大宮が守って琉球が攻め込む展開に。
アディショナルタイム含めて苦しい25分間だったが、しっかりと守り切り1-0で試合終了。
苦しい試合であったが、大宮がホームで意地を見せて、大きな大きな勝ち点3を手にした。
↑スタッツを見ても、かなり苦しい試合だったことが分かるが、しっかりと守った中で少ないチャンスをしっかりとモノにするというゲームプランが見事にはまった。
【大宮攻撃分析】
開始早々の小島のヘディングシュート、河田の角度のないところからの意表をついたロングシュート、得点シーン以外は、ほぼゴールを期待できるようなチャンスはなかった。
ゴール期待値も0.46と非常に低い結果が出ている。
パスネットワークを見ても、基本的にはポゼッションはせず、ポゼッションからの崩しはもう諦めているようにもみてとれる。
ただ、現在は守備を第一優先にしているなかで、自陣のポゼッションからの攻撃を仕掛けるということは、同時にロストからショートカウンターを受けてピンチを迎えるリスクもある訳で、自陣ではできるだけシンプルにプレーしてリスクを避けるという戦い方が明確なのであればそれはそれで理にかなっている戦い方。
【パスネットワーク】
シンプルなロングボールが増えるので、FWがいかにそのボールを収められるかが鍵になってくる。
今節途中出場の河田選手が、かなりボールを収められていたので、これから河田選手の出場時間が伸びてくれば、よりよい形での攻撃は増えてくるだろう。
とはいえ、今後もチャンスは決して多いわけではないと思うので、少ないチャンスをしっかりとモノにことが攻撃陣に求められる絶対条件になってくる。
【大宮守備分析】
相手にゲームを支配された中でも、ブロックを敷いてしっかりと0に抑えるという意味では、狙いが十分にはまったといえる。
ブロックを敷いた際は、基本的に一人一人の位置関係のバランスもよく、計算できる守備ができている。
ブロックの守備での課題をあげるとすれば、ゾーンの意識が強すぎて、ライン間、ゲートに入った選手を自由にさせすぎてしまうシーンも見られた。
前半は特に、FWの位置から自由に下りてくる清武選手を捕まえきれずに、攻撃の起点になられていたシーンも多かった。
ここの対策は必要だろう。
↑神出鬼没な清武選手に手を焼いていた
ただ、基本的にブロックでの守備は計算できるレベル。
となると、あとは不用意なロストからのショートカウンターなどをしっかりと対策をしていけば、そうそう失点はしないのではないだろうか。
↑この日も自陣でのイージーなロストは散見された。ゲーム展開もあるが、琉球に比べても低い位置でのロストが目立つ。
【今後の展望】
大宮の今シーズンのスローガンでもある「ひたむき」。
守って守って、一発のチャンスを仕留めるという、プレーしている選手も、観ている観客も苦しいゲームが続くが、今やれることを「ひたむき」にやっていき、着実に勝ち点を上澄みしていくしかない。
※本ブログ記載後に霜田監督の解任、相馬新監督の就任が発表された。
相馬新監督がどのようにテコ入れをしてくるのか(継続路線なのか、変更してくるのか)楽しみである。
コメント(1)
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SPORTERIAスタッフ
2022/5/26 19:37
この試合の前まで(第17節まで)のデータですが、大宮は
「ペナルティエリア内からのシュートの決定率」
が19.3%で2位(1位は東京Vの21.0%、3位は仙台の18.0%)と決定率が高いので、
>自陣ではできるだけシンプルにプレーしてリスクを避けるという戦い方が明確なのであればそれはそれで理にかなっている戦い方
両チームのチャンスを減らして決定力の差で勝ち切る、というのはリスク&リターン的に理に適っている気がしますね💡
相馬新監督がどんなサッカーを見せてくれるのかにも期待しましょう!📣