【データで考察】浦和レッズは監督を解任するべきか否か


第16節の福岡戦に0-0で引き分け、これで浦和レッズは9戦勝ちなし(8分1敗)のクラブワーストタイ記録に並んでしまった。

ちなみにアウェーでは12戦勝ちなし(6分6敗)で、こちらはクラブワースト記録を更新してしまった。

勿論その流れで順位も、降格圏の17位と僅か勝ち点2差の14位に低迷。

浦和レッズファンからしたら、6月の梅雨入り宣言よりも遥か前の3月から、毎日大雨が降っているような憂鬱な気分の日々が続いている。

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こうなってくると、当然のように話題になってくるのが、チームの結果責任を負う監督の去就問題。

監督の去就に関しては、本当に様々な複合的要因によって判断されるため、確実な正解はなく人の数だけ意見がある。


勿論、外部の人間からはチームの内情は分からない為、監督の去就について最適な意見を出すことはできないが、今回はそれを逆手にとって、感情や感覚値を除外して「データをエビデンスにして」監督の去就の最適解を考察したいと思う。



【現状分析】

まずはじめに現在の浦和レッズの順位に関して項目別にもう少し深く掘り下げてみよう。




【勝敗数分析】

・勝利数:16位タイ(最下位タイ)

・引分数:1位タイ

・敗戦数:8位タイ(少ない方から数えて)


⇒順位が14位ということから考えると、決して負けている数は多くないが、勝ち切れずに引き分けてしまう試合が多いという状況である。

次は、なぜ勝ち切れないかを掘り下げてみよう。




【得失点分析】

・得点数:12位タイ

・失点数:5位タイ(少ない方から数えて)

・得失点差:10位


⇒得点、失点、得失点の各項目の順位を比較すると、守備は安定していて大崩れはしないが、得点数が少なく勝ち切れずに引き分けになってしまうということが読み取れる。

では、次はなぜ得点が少ないのかを掘り下げてみよう。



【得点分析】

得点が少ない要因は大きく分けて2つのパターンがある。

①チャンスは作るが決め切れない(決定力不足)

②そもそものチャンス数が少ない(攻撃力不足)


レッズはどちらのパターンなのだろうか。

その指標として、ゴール期待値というデータを用いてみる。


※「ゴール期待値とは」

ゴール期待値とは、「あるシュートチャンスが得点に結びつく確率」を0~1の範囲で表した指標であり、欧州を中心にサッカー界で活用され始めています。ゴール期待値はシュートの成功確率を表すので、値が高いほど得点が決まる可能性が高いシュートになります。


「1試合平均ゴール期待値順位表」


ゴール期待値の順位表をみると、レッズは全体の2位で、それだけ1試合あたりのゴールの可能性が高いシュートを放っている本数が多いということになる。

すなわち、多くのチャンスは作っているので、レッズの得点力不足は

①チャンスは作るが決められない(決定力不足)

であると考えられる。




更に攻撃データを読み解くと、シュート本数は全体の6位、チャンス構築率は全体の5位(=ボールを持って攻撃を開始したら、ロストせずにチャンスまで繋げられている)であることから、攻撃をしっかりと構築してシュート(チャンス)まで繋げられる力はリーグでも上位にあるといえる。


一方で、シュート成功率が12位、1試合あたりの得点数も11位タイなことから、チャンスは作るが得点に繋がらない=決定力不足であることが証明されている。



【決定力不足分析】


決定力不足に関しては、個人別の決定率(成功率)を見ても、上位の横浜、鹿島と比較して明らかに数字が劣ることが証明されている。


↓浦和個人別決定率

↓横浜個人別決定率

↓鹿島個人別決定率



【チャンス構築分析】

チャンスの構築は数多くできていることがここまでのデータ分析で証明された。

ちなみにチャンス構築は大きく分けて下記2パターンが考えられる。


①ボールを支配した中でチャンスを構築する

②守備に重点を置いた中でカウンターでチャンスを構築する


レッズはどちらに当てはまるのであろうか。


上記ボール支配率の順位を見て頂ければわかる通り、ボール支配率はリーグ4位タイで上位につけている。

すなわち、レッズは守りを固めてからの鋭いカウンターでチャンスを作るのではなく、しっかりとゲームを支配した中でチャンスを数多く構築できていることが分かる。

これは、クラブとリカルドロドリゲス監督が志向しているサッカーができている証明になる。



【チーム状況まとめ】


現在の浦和レッズのゲーム内容の状況としては、

①失点数は少なく、守備は安定している(失点数5位タイ)

②守備の安定も、ただ後ろに人数をかけて守っているからではなく、しっかりとボールを保持してゲームを支配している(ボール支配率4位タイ)

③ゲームを支配している中で、しっかりとチャンスに結び付けることができている(ゴール期待値2位タイ)

④チャンスは作っているが、決定力不足でゴールに結びつけることができていない(シュート成功率12位タイ、ゴール数11タイ)

⑤結果として、失点は少ないが得点も少なく、ゲームを支配しながらも勝ち切れずに引き分けになって勝ち点2を失う試合が多いという状況




【リカルドロドリゲスを解任するか否か:結論】


結論としては、リカルドロドリゲス監督は解任すべきではない。

と考える。


リカルドロドリゲス監督は、

監督がチームに影響を与えることのできる、攻撃の構築や安定した守備の構築は、しっかりとできているのは数字上で明らか。


今レッズが結果を残せていない最大の要因は「決定力不足」であり、ここは選手個々のクオリティの問題で、監督を変えたところで大きく変わるものではない。


だからこそ、現時点でレッズのフロントがやるべきことは、「監督を変えてサッカーの内容を変えること」ではなく、「サッカーの内容はそのままに、決定機でしっかりと点をとれる選手を揃える」ことであるはずだ。



決定力不足に対してのチームとしてのアプローチは、


①今季欠場が多い、決定力偏差値リーグ1位のユンカーの復帰

②噂をされているFWブライアンリンセン(2021-22オランダリーグ13得点)の獲得


上記対応で改善されるはずである。



だからこそ、レッズのフロントがこのままリカルドロドリゲス監督の体制のもと戦い抜けば、必ず後半戦に巻き返してくる。

レッズファンにとってはもどかしい日が続くが、レッズファンにとっての長い長い梅雨はもう間もなくく明けるはずである。