理不尽・・・とは?


久々のJがここまで熱い試合になるとは誰が予想しただろうか?

そして川崎にとって、理不尽な試合であったと思う。

ハイライト https://www.youtube.com/watch?v=QghRR3sspds

まずはスタメンから

フォーメーション図

累積の黒川のかわりに今シーズンリーグ戦初先発の藤春。

そして左WGの先発に石毛。

石毛を頭から使っているあたりある程度川崎にボールを握られるのは覚悟していた様子。

フォーメーション図

川崎はレアンドロ・ダミアンが復帰。

マルシーニョが先発と前回対戦時よりある程度選手が戻って来ている感じ。

今まで何度も書いているがガンバの狙い所はネタラヴィの両脇。

彼はボールを持っている選手との一対一にめっぽう強いが

ボールを持っていない選手をけっこう見逃す事があり

最終ラインの前のスペースを好きに使われると厄介。

そしてこの心配は(今度こそ)的中した。

序盤は川崎ペース。

左SBの登里がボールを保持しつつ高い位置を取りネタラヴィの脇に度々出没する。

この位置を取られると登里のショートパスの選択肢はマルシーニョ、橘田。

に対し位置的にこれを高尾一人で何とかしなくてはいけない状態になる。

更に序盤には逆サイドの家長まで顔を出しており、

一人で3人を抑えるのは無理。

これはヨーロッパでよく観られる4バック崩しの手法であり

ワールドカップの森保JAPAN。ドイツの先制点もこの形。

これに加えマルシーニョ個人による突破もあり、と厳しい序盤でしたが

先制はガンバ。

右からのグラウンダークロスをジェバリがスルー(?)からの石毛が先制。

攻撃スタッツ - 石毛 秀樹

シュートがポストに当たっており、ブラインドもありいわゆる止められないシュート。

これはガンバサポの私からしても

チョンソンリョンに同情をを禁じ得ないシュートでした。

しかし川崎は27分。橘田と登里のパス交換。

この時マルシーニョはサイドで幅を取っている。

皆がガンバの右サイドに目を奪われている隙に、脇坂が斜めに走り左サイドへ。

ネタラヴィがコースを消しつつ指示を送るも誰も居らず失点。

でも30分にPKでジェバリが再度ゴール。

更に41分、バックパスをアラーノにかっ攫われて3-1。

ちなみにGKを右足アウトで躱し、更にループという

凄い難しい事を何気にやっている。

攻撃スタッツ - ファン アラーノ

神か?


別に完全に崩されたわけでもないし、攻めているのは川崎。

更に組織立った動きでガンバの右サイドを攻略しているのに

3失点。しかもホームなのに。

川崎からすると理不尽な前半が終わり3-1。

鬼木が動く。

瀬古、佐々木、瀬川の3枚を投入。

マルシーニョの一人カウンターが効いてたのに・・・と思わなくもないが

結果、この交代は間違ってはいなかった。

マルシーニョより組織的に内、外のスペースを使える瀬川。

その瀬川の大外を上がりフリーでクロスを入れる佐々木。

この二人が入った事でよりガンバの右サイドは攻略されていく。

エリア間パス図

この試合、最もパスを通されていた事からガンバの右サイドは散々狙われていた事がわかる。

まあ、実は両サイド攻略されていたんだけどね!


で、肝心の左サイドだが、ある程度、仕方がなかった、と考えるべきか。

攻撃スタッツ - 藤春 廣輝

レフティファイター。

監督からの指示もあったそうだが、ポジション取りがやたらと前なのだ。

家長へのコースはカットしつつ、家長が幅を取った時、山根が中から上がってくる。

(カンセロみたいな)

両者へのパスコースは切っているが基本サイドハーフの様な位置取り。

ヒートマップ - 藤春 廣輝

ある程度家長を放置している時間もあり、正直観ていてヒヤヒヤした。

監督からの指示をこなしつつ、守りつつ攻撃にも絡むにはどうすれば良いか?

走行距離・スプリント回数

答え.めっちゃ走る。

その走りは報われた。


後半、71、75分。

ガンバは立て続けに失点する。

両サイドをある程度攻略されており

ゴール期待値

川崎のゴール期待値がこの時間を境に跳ね上がっている。

つまり、過去のデータからすると試合終了までの15分間。

ゴールの可能性が高いのは川崎。ガンバは引き分けでも上々の結果であった。

しかしゴール期待値1.2の段階で3得点。

ガンバのゴールが如何に理不尽なものであったかが窺い知れる。

で、試合終了直前。

当然の様にWGの位置にいた藤春が川崎のCBへプレスをかける。

34歳、初のリーグ戦出場、足をつる選手が続出する猛暑。

そんな状況で敵陣最奥の選手へプレスに行くのだ。

スタミナ等を考えると本当にやっている事が

どうかしている。(誉め言葉)

そのボールは食野に繋がり、そしてコーナーキックに繋がる。


・・・最早語るまい。

この試合、最後の理不尽。

190㎝を越える高い高井を相手にして180㎝にも満たないダワンが試合を締めくくる。

攻撃スタッツ - ダワン

神、こっちだったわ。