直近4試合で2勝2分と負けなしのサンフレッチェ広島。

第27節では、今季3度目の対戦となる横浜FCをホームに迎えました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

中2日の広島は前線の3人を全員入れ替えるなど、直前の試合からスタメンを5人変更しました。一方、中5日での試合となった横浜FCは3人を変更。キーパーの南雄太は第16節以来の出場となりました。


セットプレー

両チームは今季開幕戦となったルヴァンカップ第1節、そして8月に行われたJ1第8節で対戦。2試合とも2-0のスコアで広島が勝利を収めていました。同一シーズンでの3戦3勝をかけて今節に挑んだ広島でしたが、10分にコーナーキックから先制点を決められてしまいました。

横浜FCはショートコーナーからパスを繋ぎ、右サイドから手塚康平がクロスを供給します。ゴールへ向かっていくボールに対し、小林友希が走り込んでヘディングシュート。ボールはキーパーの股を抜け、ゴールネットを揺らしました。

攻撃スタッツ - 小林 友希

広島の失点パターンを確認すると、「セットプレーから」の失点は全体の1割。前節までの総失点が30なので、「セットプレーから」は3失点しかしていないことになります。セットプレーから失点する回数が少ない広島ですが、今節の失点シーンでは相手のショートコーナーに対応できませんでした。クロスを上げた手塚に対する寄せは甘く、小林をマークしていた荒木隼人は駆け引きに揺さぶられてマークを外してしまいました。その結果、質の高いクロスと強く叩きつけたヘディングを許し、先制点を決められてしまいました。

失点パターン


正確な胸コントロール

リードを許した広島は12分、コーナーキックから佐々木翔がヘディングシュートを放ちゴールネットを揺らしました。ただ、競り合いの場面で広島のファウルを取られノーゴール。同点弾とはなりませんでした。

それでも、28分にエゼキエウがゴールを決め、広島は前半の内に同点に追いつきました。

自陣中央で土肥航大がこぼれ球を回収すると、近くにいたドウグラスヴィエイラがワンタッチで最終ラインの背後へパスを送ります。抜け出したエゼキエウは胸でコントロールすると、ペナルティエリア内から左足でシュート。ボールはキーパーの横を抜け、ゴールに吸い込まれていきました。

    攻撃スタッツ - エゼキエウ ヒートマップ - エゼキエウ

この場面、エゼキエウがボールに触れた回数はトラップとシュートの2回のみ。浮き球のパスを胸でトラップしてからシュートを放つまでの約2秒間、一度もボールに触れていませんでした。それだけ胸でのコントロールが上手くいったということであり、目線を下げる必要がなくなった分、キーパーの位置や動きを確認する余裕が生まれたと思います。

正確な胸コントロールからエゼキエウは今シーズン2ゴール目を記録。この得点で広島が同点に追いつき、1-1で前半を終えました。


両チーム決めきれず

後半は一進一退の攻防となりました。

広島は54分、55分と立て続けに中央攻撃からチャンスを演出。エゼキエウのラストパスから茶島雄介とヴィエイラがそれぞれシュートを放ちました。しかし、どちらも枠を捉えることはできず、勝ち越しゴールとはなりませんでした。

一方の横浜FCは60分過ぎからペースを掴み、広島ゴールに迫っていきました。69分には途中出場の中山克広が右サイドで仕掛け、低く速いクロスを供給。このボールに一美和成が合わせましたが、シュートはポストを直撃しゴールとはなりませんでした。

攻撃スタッツ - 一美 和成 ヒートマップ - 一美 和成

46分から60分までの15分間は広島がシュート3本を記録したのに対し、横浜FCは0本。一方、60分から75分までの15分間は広島が0本で横浜FCは2本のシュートを放ちました(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=11&date=14)。両チームに良い流れの時間帯があり、お互いにチャンスを作りました。ただ、どちらも枠内にシュートを飛ばすことができず、2点目を決めることはできませんでした。


連続得点記録 vs 不勝記録

終盤はホームの広島が猛攻を仕掛けました。

85分、94分にはセットプレーから東俊希(途中出場)、野上結貴がヘディングシュート。89分、92分にはともに途中出場のレアンドロペレイラと青山敏弘がペナルティエリア手前からシュートを放ちました。しかし、いずれも得点には至りませんでした。広島は最後まで横浜FCゴールに迫りましたが、2点目を決めることはできず。1-1の引き分けに終わりました。

攻撃スタッツ - レアンドロ ペレイラ

ペレイラは出場した4試合連続でゴールを決めていましたが、今節は無得点。自身の連続得点記録を伸ばすことはできませんでした。

チームとしては1得点に終わったことで、今シーズン初の逆転勝ちはまたもお預けとなってしまいました。これで先制された試合は2分8敗。「先制されると勝てない」という不勝記録は続くことになってしまいました。


総括

基本スタッツ

広島は早い時間に先制されたものの、前半の内に同点に追いつきました。後半は何度もチャンスを作りましたが、勝ち越しゴールを決めることはできず。今季初の逆転勝ちとはなりませんでした。


次戦、広島はアウェーでセレッソ大阪と対戦します。

前回対戦ではホームで敗れているので、そのリベンジを果たしてもらいたいです。