今回は10/23に行われたJ1リーグ第25節浦和レッズvs柏レイソル戦をレビューしていきたいと思います。
敬称は省略させていただきます。
対戦前のチーム状況
浦和レッズ
前節はアウェイ味の素スタジアムに乗り込んでの東京ヴェルディ戦。前半27分にトランジションのところから渡邊凌磨の左足ゴラッソで先制するも後半にセットプレー絡みからJ1初ゴールを含めた綱島悠斗の2発に沈む結果となり、リーグ戦4連敗。前々節のセレッソ大阪戦から約2週間の代表ウィークを挟み望んだ一戦ですが、敗戦となりました。
柏レイソル
一方の柏レイソルは、前節ホームに上位FC町田ゼルビアを迎えての一戦。セットプレーから63分に細谷真大のゴールで先制するも、終了間際にPKを与えてしまい惜しくも1-1の引き分けに終わりましたが、前節を含め過去4試合で負けは無く勝ち点を積み上げています。
8月の荒天によって延期されたこの試合ですが、偶然にも両チームとも勝ち点39で迎える6ポイントマッチとなったゲーム。降格圏から回避するために、是が非でも勝利をもぎ取りたい重要な一戦です。
スタメン
浦和は前節から3名の変更。原口元気が先発から外れ、サミュエル・グスタフソンとブライアン・リンセンが復帰し、大久保智明も2試合ぶりに先発となりました。一方の柏は、前節と同様のスタメン。
前半
浦和のビルドアップと意識的な縦パス
前半の10分〜30分は主に浦和がボールを握る時間帯が多かったように思います。ビルドアップのところでは、グスタフソンが両CBの間に落ち柏の2トップのFWに対して数的優位でボールを保持する場面が多々見られました。柏の2トップも浦和のCBに対して積極的にプレスに行くというよりは、構えて守備を行なっていましたが、浦和の安居がグスタフソンが落ちたスペース(柏の2トップとボランチの間)に入ることで柏の一列目を容易に突破できていた印象です。 9分27秒の構図。グスタフソンが落ちることでの数的優位と柏のFWとボランチに捕まえられない位置で安居がポジションを取ることでビルドアップが容易になりました。
実際、11分30秒あたりでのシーンでは、左サイドに流れた安居がグスタフソンが両CBの間に落ちて空けたスペースに入り込みボールを受け2本の縦パスからチャンスを演出しました。
黒線が選手の動き、点線がボールの動き
そして、この試合では浦和は前節に比べ、縦パスの数が圧倒的に多かった印象です。
前節とエリア間のパス図を比較してみると、中央での縦パスの本数が今節の方が増えていることがわかります。これには、東京ヴェルディ戦からボランチの組み合わせを変えたことと浦和の両SBがバランス良く高い立ち位置を取れたことが要因にあるのかもしれません。
浦和の前節と今節の両SBのボールタッチ位置とヒートマップを比較してみても平均して今節の方が高い位置でボールタッチしていることが分かります。特に大畑は今節高い立ち位置が色濃く出たと思います。
柏のビルドアップと浦和の守備
柏のビルドアップに関しては、26分43秒の場面で両サイドバックが高い立ち位置を取り、両CBが出しどころを探っていますが、浦和の渡邊、リンセン、大久保の前線3枚が牽制しておりボールホルダーに対してプレスに来るので中々剥がせないシーンが目立ちました。柏の両ボランチも前線3枚のうちの2枚が背中で捉えているためいい状態では受けさせてもらえなかったという印象です。
仮に浦和の一列目を突破したとしても浦和は、4-4-2のブロックをコンパクトに保つため、柏のビルドアップが詰まってしまう場面が多くみられました。その中でマテウス・サヴィオ個人の打開やロングボールからセカンドボールを拾いシュートチャンスを作っていたと思います。
後半
メンバーチェンジでの変化
ハーフタイムに井原監督は右サイドの小屋松に変えて山田雄士を投入しました。右サイドの構成が変わったことで後半直後から、右SBの関根大輝が高い位置を取る場面が増えたように思います。それがさっそく色濃く現れたのが50分20秒のからのシーン。
浦和がコンパクトな4-4-2のブロックを敷いてくる中で山田が内側のポジションを取ることで大畑は絞らざるを得なくなり、SBの関根大輝がフリーになる場面は後半より増えたと思います。
そして、ヒートマップでも分かるように山田が小屋松よりも内側に位置取っていることが明らかになっています。
柏は、後半からCBの間に落ちたグスタフソンやボールホルダーのCBに対して積極的にプレスに出れるようになったことで前半に比べて浦和のビルドアップの前進を防ぐことができるようになっていったと思います。
80分以降の展開
80分以降のメンバー。浦和は、リンセンに変えてサンタナ、グスタフソンと松尾に変えて中島と原口。(90分以降に大畑と長沼が交代)柏は、前線の木下に変えて高さのあるフロート、手塚に変えて熊坂をピッチへ。
浦和は右サイドに渡邊、トップ下に中島、左サイドに関根貴大が入りました。中島が投入されたことで2列目が活性化したように感じます。柏はフリーロールで動く中島を中々捕まえることができず苦労していた印象です。一方柏は、前線に高さのあるフロートを入れてきました。前線で起点を作ることででき、ファールをもらったりと浦和にとっては嫌な存在になっていたと思います。
得点シーン
試合は、90分に入りラストワンプレーという時間帯で動きました。中央の崩しから安居→原口→関根貴大と繋ぎ上手くハーフスペースを取ることができ、PKを獲得することができました。柏にとっては不運ですが、難しい対応になったと思います。
まとめ
6ポイントマッチとなった浦和レッズvs柏レイソルは終了間際のPKで浦和が勝利しました。
浦和にとっては山場を抜け、大きな勝ち点3獲得になりました。次節は、平日水曜日アウェイの横浜F・マリノス戦。またしても同勝ち点のチーム同士の試合となります。ただ、CBのホイブラーテンが累積で出場停止といった状況で3ポイントを取ることができるのか注目です。
対して、柏はとてもとても痛い敗戦。残り4節、順位の近いアルビレックス新潟戦、コンサドーレ札幌戦の2試合があり、自力で残留を決めることができるでしょうか。
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