研ぎ澄ました勝利への『トランジション』


柏レイソルはホームで今季最多の5得点を記録し連勝を3に伸ばした。

「スコア逆じゃない?」と疑われる程にパス成功数とボール支配率は徳島が圧倒しているが、柏は試合における攻守の局面が変わる瞬間『トランジション』を制し徳島からゴールを奪っていった。

<基本スタッツ>

基本スタッツ

柏はスタートから徳島DFにプレッシャーを掛け、9分に江坂が深い位置から相手パスをカットし呉屋のゴールで先制点を奪う。48分にはスローインを中盤でカットした仲間がそのままDFの裏へ走り江坂の鋭いクロスから得点(4得点目)した。64分の得点は自陣の守備から江坂がつなぎ相手を振り切ながら猛然と駆け上がった北爪がラストパスを呉屋へ送り決めたもの(5得点目)であり、前線・中盤・自陣どの位置からも攻守が変わる瞬間を逃さずゴールを決めている。

この試合に前傾姿勢で臨んだことは、平均ポジション(試合前半)における江坂と両サイドの位置が大分戦より高くなりプレスのラインが前線に引かれていることからもわかる。

<今節と前節の平均ポジション(試合前半)>

守備スタッツも比較するとタックル数は同数だがタックル成功数、特に前線・中盤の選手のタックル成功数は大分戦よりも倍となり、切り替えの感覚を前線から研ぎ澄ませボールを奪う姿勢を見せていたのが数字にもあらわれている

■タックル数  (中盤・前線の選手) 大分戦:16(8) → 徳島戦:16(13) 

■タックル成功数(中盤・前線の選手) 大分戦:11(6) → 徳島戦:15(13)


パスソナーやエリア間パス図からは両チームの意識の『方向』も見えてくる。柏のパスソナーは前面に広がりパス図からは江坂と北爪を中心に右サイドから『前』にボールを運んでいたことを示している。一方で徳島のソナーは柏のプレスを回避し後方でパスをつなぐため『横』に向いていることが強くわかる。パス数やポゼッションは徳島が大きく上回った中で5-1の得点差になったのはこの『方向』の違いと言えるだろう。

<パスソナー・パスネットワーク>

パスソナー・パスネットワークパスソナー・パスネットワーク

<エリア間パス図>

エリア間パス図エリア間パス図

連勝を継続するためには、今節ベンチ入りし途中出場したペドロ ハウルとアンジェロッティ、更にドッジとエメルソンサントスといった新たな選手のパワーとそれにより生まれるチーム内競争が必要不可欠だろう。柏レイソルを取り巻くコロナ禍の困難な状況にしっかりと全員で向き合い危機感を持ち続け、勝利へのトランジションと勝利への感覚『Vitoria』を更に研ぎ澄ませてほしい。