獲得した1か取りこぼしての1か



柏はリーグ3連敗で負けられない中、8節以来システムを4バックに変更、トップに細谷を置き2列目には神谷、最終ラインには上島と川口が入った。

フォーメーション図

フォーメーション図

横浜FMの前線3人に対して4人で最終ラインを揃え、守備時にはDFとMFをコンパクトな2ラインにして江坂と細谷の2トップの形で相手DFを見る構えを取り中盤の密度をあげた上で守備から攻撃への切り替えに備えた。

<基本スタッツ>

基本スタッツ

スタッツを連敗中の試合と比較すると 仙台戦(409)→福岡戦(310)→FC東京戦(330)→横浜FM戦(237)とパス成功数は最も少ない数字となり、ボール支配率も仙台戦(59%)→福岡戦(52%)→FC東京戦(56%)→横浜FM戦(37%)と、ここ3試合を下回る数字となった。しかし、シュート数(枠内)は、柏14(8)に対して横浜FM11(5)、更に前半のシュート数(枠内)は柏7(5)に対して横浜2(0)と圧倒、ボール保持率は低くともシュートシーンまで持ち込む戦いを見せた。

<横浜FM戦と仙台戦の平均ポジション(試合前半)>

平均ポジション(試合前半)を振り返ると、ここ3試合でポゼッション率が高い仙台戦(●0-1)と比べ、最終ラインを深く構え中央部分の密度を上げ守備から攻撃を狙ったことがわかる。それは19分のキーパからのボールのこぼれ球を江坂、細谷とつなぎ神谷がDFラインの裏へ抜けるシーン、23分にはDFラインからのボールを右サイドで受けた江坂が柔らかなパスを細谷に送り、細谷がチアゴマルチンスにファウルで止められたシーンからも見れた。更に36分には上島のフィードから細谷が抜け出し神谷、仲間とつなぎミドルシュートを放つなど自陣から横浜FMの裏へボールを送り、チャンスを狙い続けた。

後半も柏は70分中盤のこぼれ球を椎橋が前に送り、左サイドを抜け出した仲間から中央でフリーの神谷へ送るも決められず。この攻勢の展開から柏は77分アンジェロッティとイッペイシノヅカを投入する。80分江坂が相手パスをカットしアンジェロッティから左サイドの仲間へパスが渡る。エリアへ切り込んだ仲間のクロスはチアゴマルチンスにカットされるが、このスローインから再び左サイドでボールを受けた仲間が大きく逆サイドへクロスを送る。アンジェロッティの裏側に走り込んだイッペイシノヅカがクロスをゴールへ押し込み先制した。

この試合の個人スタッツで特筆すべきは仲間だ。シュート数(枠内)は3(2)本、ラストパス5本、クロス4本、タックル数8、こぼれ球奪取5と、好守ともにスタッツを残しアシスト1を記録した。

攻撃スタッツ - 仲間 隼斗守備スタッツ - 仲間 隼斗

細谷や仲間、守備陣の奮闘から何としても勝利したかった柏だが、86分横浜FM松原のファインゴールで試合は振り出しに戻り1-1で終了した。

システムや選手の変更はあるが「逆サイドにボールを大きく動かす」「ボランチからの縦パスを受ける動き」「ハーフスペースの活用」「こぼれ球を拾う」「1対1で負けない」この試合で仲間が見せた動きが好守に重要なのは変わらない。

3連敗中には挙げられなかった1得点と勝ち点1を、リーグ戦での”重要な1の獲得”としてミッドウィークすぐに開催されるリーグ戦の勝利につなげていきたい。