ストライカーは点を取ることだけが仕事じゃない
ここまで6勝1分で首位の川崎フロンターレのホームで行われたJ1リーグ第7節
対するは開幕戦以降、勝ち点3が遠ざかっている大分トリニータ
まずは両者のスタメンを見ていこう
川崎は登里がスタメンに復帰し、旗手がインサイドハーフに入った
大分は公式戦2戦連続ゴール中の長身、長沢をスタメンに入れた
ここで見えてくるのは両チームの最前線の選手のプレースタイルを活かしたvisionだ。
ダミアンも長沢も身長やキープ力を活かしたポストプレーができる選手だ。前線に当て、そこからサイドに散らすというプレーが見えてくる。
川崎フロンターレ ~Visionを目指すための豊富なレパートリー~
川崎のVisionの1つにサイドからクロス/横パスを入れてゴールを目指すというプレーがある。そのためにいかにサイドを攻略できるかがカギになってくる。もちろんウィングの三苫や家長の個人技も魅力的だったが今回はそれとは違った視点で見ていこうと思う。
その1つが今節スタメンに復帰した登里のインナーラップのプレーだ。
(13:05のシーン)
下りてきた旗手にボールが入ると登里はインナーラップの動きを見せることで相手の井上を引き付けることに成功。そこに一気に三苫へのパスコースが空き、最後はオフサイドにはなったもののそのまま裏に抜け出した登里に縦パスが入った。ダミアンが中に入ってきていたためクロスからダミアンが決定機になるシチュエーションが頭に浮かんだ。
登里がインナーラップの動きをしなかった場合、おそらく井上に左サイドに入ったパスをカットされるかプレスをかけられていただろう。
この試合の大分は人に付いていく守備をしていたため振りの動きをされるだけでよくスペースを空けてしまっていた。それを応用したプレーとなった。
以前までSBは90分間上下運動ができるスタミナを主に求められていた。しかしこれからはこのプレーのように時には中央寄りでプレーすることも増えスタミナだけでなくサッカーIQの高さも求められてくると考える。上下運動ができるだけでは生きていけなくなってしまう時代になってくるかもしれない。スタミナに塀せてSBのサッカーIQを共に育むための育成論を考えてみたい。
2つ目がポケットを有効活用してvisionを目指すプレーだ。
それが分かりやすいシーンが後半にいくつかありそのうちの1つを紹介したい
(51:56のシーン)
(参考写真のミス:旗手と三笘が逆。)
まず左のワイドで登里が受けたのだが大分の守備によってパスコースが消されていた。選択肢はファーへのクロスしかないと思っていた。ポケットを狙うという視野を持っていたこととしっかりとそこを狙えるパスの技術があった登里が素晴らしかった。パスを受けた旗手がキープしている際にダミアンがバックステップでフリーになったためパスが出せれば決定機というシーンだった。
大分は後半からシステム含め守備の仕方を変え、後ろの枚数を5枚に増やした。これは前半の⇧登里のインナーラップの動きのようなスペースを使われる攻撃を警戒し、スペースに入られてもカバーに行けるようにするための意図だと考える。しかし後ろを5枚に人を増やして守ることで最終ラインの統率が乱れやすくなりばらついてしまうというリスクもある。そこを逆手に取ったのがこの川崎のポケットを有効活用したシーンだ。いくらカバーにいきやすいといえども誰が行くか迷ってしまえば隙が生まれてしまう。川崎はDFの人と人の間に入りその穴をついた攻撃を繰り出した。このように川崎はvisionを目指すためのそのHow(攻撃のパターン)を多く備えているため相手が守備の仕方を変えてきたとしても崩してしまうことができるのだ。これが近年の川崎の強さの秘訣であるとも思う。
今節の川崎のPickup選手
➀レアンドロ・ダミアン(31歳/FW/188cm)背番号:9
攻撃ではポストプレーの起点となり攻撃の組み立てにも加わった。
今節注目したいのは守備のところだ。守備スタッツだけで見てしまうとボールを奪った回数はわずかに見えるが、プレスをかけたことで相手に適当にクリアさせ味方ボールにするという見事な仕事ぶりが多く見られた。
➁三笘 薫(23歳/MF/178cm)背番号:18
持ち前のドリブルの上手さで左サイドを何度も攻略した。相手の松本や井上も登里を含めた右サイドを守るのは苦戦していたはずだ。得点でも全得点を取り数字でもチームに貢献した。
③登里 享平(30歳/DF/168cm)背番号:2
久々のスタメン復帰となったが、様々な動きを見せ同サイドの三笘と共に左サイド攻略に大きく貢献した。
大分トリニータ~長沢獲得は大きな成果か~
今季ベガルタ仙台より完全移籍で加入した長沢だが早くも大分の新たなvisionの一角を担っているようだ。今節の大分のVisionはまず長沢に当てそのポストプレーからサイドに散らしサイドを攻略するというのが1つにあったと思う。この1度長沢に当てるというのがサイド攻撃においては大きなカギとなっている。この試合のDAZN解説をしていた元日本代表・岩政大樹さんも解説中にお話していたが中央に預けることで相手の的をそこに絞ることができる。そのため相手の守備陣が若干長沢のいるAreaに寄って来るためサイドが手薄になりやすくなるというのが狙いだ。その言葉通りのプレーでチャンスを幾つか演出してきた。
33:36や33:14のシーンなんかはその分かりやすい例だ。
前者はジェジエウが後者は谷口がしっかり絞られている。カウンターということもありやや例外のパターンかもしれないが相手守備陣が揃っていたとしても打開できていたはずだ。今節は得点こそ生まれなかったが長沢にボールが入ったら攻撃のスイッチが入るというのは今後も楽しみな要素の1つだろう。
今節の大分のPickup選手
➀長沢 駿(32歳/FW/192cm)背番号:20
今やストライカーは点を取ることだけが仕事ではない。しっかり攻撃の起点となり味方選手を活かすプレーもできなければならない。加入時に片野坂監督がお話していたように大分の攻撃の新たなオプションとなり今後もチームに貢献すること間違いないだろう。
コメント(3)
-
SPORTERIAスタッフ
2021/4/5 10:42
レアンドロダミアン選手の献身的なプレスは凄いですよね!
-
SPORTERIAスタッフ
2021/4/5 10:45
登里選手のインナーラップと、そこから派生する
-
SPORTERIAスタッフ
2021/4/5 10:48
一方で、大分は「相手の圧力を押し返す」ための対策と、反撃手段を練ってきた感じがしました。
実際にそこで自分でボールを奪ったり、スイッチが入って(この日の2点目のように)2人目以降でボールを狩り取れることが多いので、良い攻撃に繋がっていると思います💡
・左サイドのオープンスペースからのドリブル仕掛け
・ポケットの活用からの中央へのクロス
は相手からしたら止めにくく、非常に驚異ですね…!
その対応で、どうしても後ろが重くなってしまいますね。
中央で収められればどちらのサイドも使えますし、最後に逆サイドで仕留める形も狙えるので、長沢選手にかかる期待と役割は大きいですね💪
期待したいです!