前節、5試合ぶりの勝利を挙げたサンフレッチェ広島。
第9節はホームで湘南ベルマーレと対戦しました。なお、この試合はサッカーを通じて平和を発信する「ピースマッチ」として実施されました。
スタメンは両チームともに前節から4人を変更。広島はルヴァンカップのコンサドーレ札幌戦で得点を決めた浅野雄也をシャドーのポジションで起用しました。ゴールキーパーを務めたのは広島が21歳の大迫敬介、湘南は19歳の谷晃生と、両チームともに若い選手がゴールマウスを守りました。
ポジションチェンジ
前半、主導権を握っていたのは広島でした。湘南陣内で広島がボールを持つ時間が多く、人数をかけて攻め込んでいました。両サイドを使ってボールを動かしながら、選手自身も流動的に動いて相手を翻弄し、何度も湘南ゴールに迫っていました。特にシャドーの森島司と浅野は様々な位置に顔を出してパスを受けたり、シュートを放ったりするなど攻撃の中心でした。
ヒートマップからも分かるように、森島は左サイドだけでなく右サイドでもボールに触っていました。一方の浅野も左サイドに流れてボールを受けたり、背後へのランニングをしたりするなど、シャドーの2人が流動的に動いていました。18分にはシャドー2人のパス交換から森島がペナルティエリアに進入してシュートを放つなど、森島と浅野は多くのチャンスを作り出していました。
また、浅野は右サイドに開いてウイングバックのようなポジションをとる場面もありました。この時、右ウイングバックのハイネルは中に入ってシャドーの役割を担っており、ポジションを入れ替えることで相手の守備を崩そうという意図があったと思います。
左サイドを攻略
両サイドを使って攻撃していた広島ですが、森島や柏好文を中心とした左サイドからの攻撃が特に効いていました。柏は第2節以来のスタメンでしたが、非常に安定したプレーを見せており、ドリブルで仕掛けてクロスを上げるなどチャンスを作っていました。また、柏が良い形でボールを持った際に、センターバックの佐々木翔が柏を追い越して敵陣深い位置まで進入する場面も何度か見られ、左サイドで優位性を築いていました。
前半アディショナルタイムの先制点
攻撃の時間が長かった広島ですが、なかなかゴールを決められずにいました。36分には柏のクロスから浅野がヘディングシュートを放ちますが、ポストに当たりゴールとはならず。その後も湘南の体を張った守備もあり、広島は得点を奪えませんでした。スコアレスのまま前半終了かと思われましたが、アディショナルタイム、ついに試合が動きました。
広島は右サイドでパスを繋ぎハイネルがクロス。クロスはキーパーに弾かれますが、柏が相手よりも先にボールに追いつき後方の佐々木へパスを送ります。佐々木がワンタッチで中央へ浮き球を供給すると、ファーサイドの浅野が左足でボレーシュート。ジャストミートはしませんでしたがゴール右下へシュートが決まり、広島が先制しました。
得点時、ペナルティエリア内には広島の選手が6人いました(上図)。前線の選手に加え両ウイングバック、さらにはセンターバックの野上結貴(上図の2番)がゴールに近いポジションを取っており、人数をかけて攻めていました。ただ、湘南も人数は揃っており、佐々木(上図の19番)がラストパスを送る直前、浅野(上図の29番)の近くには湘南の大野和成(上図の8番)がいました。しかし、野上が佐々木のボールに合わせて大野の前に入ってきたことで、大野は浅野から離れて野上と競り合います。結果的に浅野がフリーとなり、野上と大野の頭上を越えたボールをボレーで合わせて得点を取りました。
センターバックの佐々木からのパスに対し、同じくセンターバックの野上がゴール前に入っていくという、積極的にゴールへ向かう姿勢が広島の先制点を生み出したと思います。
取れなかった追加点
1-0とリードした後半も広島が攻める時間が多かったです。
49分、敵陣でのパスカットからボランチの川辺駿がシュート。ペナルティエリア手前から放った強烈なシュートは良いコースに飛んでいきましたが、キーパーの谷に弾かれ得点とはなりませんでした。
55分にはディフェンスラインの背後へ抜け出したレアンドロペレイラが谷との1対1を迎えます。しかし、ここでも谷がシュートを止め広島の追加点とはならず。74分にも森島が決定機を迎えましたが、シュートは谷にセーブされ2点目とはなりませんでした。
広島は湘南に対して24本ものシュートを浴びせましたが、1点しか取ることができませんでした。決定機の数を考えると、2点目、3点目が入っていてもおかしくありませんでしたがことごとく谷に防がれてしまいました。谷はシュートセーブ7本のうち5本がエリア内シュートセーブ。強烈なシュートにしっかり反応するなど、19歳ながら高いセービング能力を持っていると感じました。
安定した守備
広島は湘南の攻撃に対し、90分間集中して対応していました。終盤は湘南にボールを持たれる時間も多かったですが、チャンスはほとんど作らせず。ただ、ラストプレーのコーナーキックではタリクをフリーにしてしまい、あわやという場面を迎えてしまいました。タリクのヘディングシュートは枠を外れたため得点にはなりませんでしたが、最後のセットプレーで隙を見せたことは反省しなければいけないと思います。
試合は1-0のまま終了。広島はピースマッチを勝利で飾り、リーグ戦2連勝となりました。
総括
前半から試合を優位に進めていた広島はアディショナルタイムに浅野の得点で先制。湘南にはほとんどチャンスを作らせず、無失点での勝利となりました。ただ、広島はシュートを24本放ちながらも1点しか奪えず。追加点を取ってリードを広げることができていれば、より優位に試合を進めることができたと思います。
第10節は8/15(土)、アウェーで浦和レッズと対戦します。
今節のような攻撃を継続し、複数得点を取って勝利してほしいです。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/8/15 12:46
左サイドの柏選手と佐々木選手の関係性、良いですよね!サイドの制圧力が上がることで中央も使いやすくなると思います💡 湘南の谷選手も、素晴らしい活躍でゲームを引き締めましたね😮
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サンレノファン
2020/8/15 18:51
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!柏がいることで攻撃の幅が広がりますよね。谷は広島のシュートをことごとく止めていて、非常に厄介なキーパーでした(褒めてます笑)。。