2020 J2第34節 山口 0-1 福岡 レビュー

2試合続けてウノゼロで敗れているレノファ山口FC。

第34節ではJ1昇格圏内の2位につけるアビスパ福岡と対戦しました。

6試合勝ちなしの山口は前節からスタメンを2人変更。小松蓮と安在和樹がともに2試合ぶりの先発となりました。一方、前節勝利している福岡は6人を入れ替え。左サイドバックに起用された桑原海人は今季2試合目の出場となりました。

ミスからカウンター

序盤、山口のミスから福岡がカウンターでゴールに迫る場面が連続して起こりました。

6分、眞鍋旭輝のパスがずれたところを前寛之がインターセプトし、速攻を仕掛けます。一度は山口にクリアされましたが、クリアボールを拾って素早く繋ぎ、最後は前がペナルティエリア手前からシュートを放ちました。

7分には、山口の連携ミスを突いて福満隆貴がマイボールにし、ドリブルで前進します。福満はペナルティエリアに進入するとマイナス方向にグラウンダーのパス。このボールにファンマデルガドが合わせましたが、ミートしきれず強いシュートとはなりませんでした。

山口は自分たちのミスからカウンターを受け、立て続けにシュートまで持っていかれてしまいました。ただ、ボールを失ったあとの対応は悪くなく、クロスやシュートに対してしっかりと体を寄せることができていました。ここ2試合は自陣でのロストから決勝点を奪われていたので、「カウンターを受けてもゴールは与えなかった」という観点ではチームとして成長したのかなと思います（不用意な、特に自陣でのミスを減らすという作業は今後も必須ですが）。

両サイドからのクロス

ピンチをしのいだ後、山口は試合のペースを掴み、福岡を押し込んでいきました。

山口は両サイドを使い、クロスを中心に攻撃。左サイドでは、タッチライン際でボールを受けることが多かった田中パウロ淳一が積極的にドリブルで仕掛け、クロスを供給していました。また、サイドバックの安在はインナーラップしてボックス内に入ったり、サイド深くからクロスを上げたりするなど高い位置まで上がって攻撃に参加していました。

一方、右サイドでは細かくパスを繋いで深い位置まで進入しようとしていました。浮田健誠や川井歩、さらにインサイドハーフの田中陸・池上丈二も関わりながら人数をかけて組み立て。各選手が流動的に動きながら相手の陣形を崩そうとしていました。14分には川井のクロスから小松がヘディングシュート。39分には右サイド深い位置を取った川井が低いクロスを入れるなどチャンスを作り出しました。

山口は両サイドから何度もクロスを入れていましたが、いずれも得点には結びつきませんでした。前半途中からは7割前後のボール保持率を記録していましたが、45分間で放ったシュートはわずか3本（参考：https://www.football-lab.jp/r-ya/report/?year=2020&month=11&date=15）。決定的なシュートチャンスを作ることができず、0-0で前半を折り返しました。

福岡ペースに

後半、試合の主導権を握ったのは福岡でした。

福岡は山口陣内でボールを持つ時間が増え、厚みのある攻撃を仕掛けてきました。50分、53分、58分と右サイドバックのエミルサロモンソンがクロスを供給。クロスから直接シュートを放つ場面はありませんでしたが、セカンドボールをことごとく福岡が拾い、立て続けに攻撃していました。

56分に福満のクロスから山岸、58分には重廣卓也、60分にはコーナーキックから福満がシュートを放つなど、福岡がゴールに迫る時間が続きました。ただ、山口の守備陣も集中して対応し得点は与えず。福岡の猛攻を受けながらも無失点でしのいでいました。

その後、お互いにチャンスを作りながらも決めきれず。0-0の展開が続いていましたが、74分に山口はコーナーキックから先制点を決められてしまいました。

コーナーキックからサロモンソンが蹴ったボールを山口キーパーの山田元気がキャッチミス。こぼれ球を増山朝陽に拾われ、シュートを打たれます。一度は山田が止めたものの、二度目のシュートでゴールを決められ、失点を喫してしまいました。

これで山口は7試合連続失点。今節は粘り強く守れていただけに、もったいない失点となってしまいました。

3試合連続無得点

後半途中から山口は攻撃的な選手を多く投入し、得点を狙いにいきました。しかし、第33節終了時点でJ2最小失点の福岡守備陣を崩すことは容易ではありませんでした（参考：https://data.j-league.or.jp/SFRT01/?competitionSectionIdLabel=%E7%AC%AC%EF%BC%93%EF%BC%93%E7%AF%80&competitionIdLabel=%E6%98%8E%E6%B2%BB%E5%AE%89%E7%94%B0%E7%94%9F%E5%91%BD%EF%BC%AA%EF%BC%92%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0&yearIdLabel=2020%E5%B9%B4&yearId=2020&competitionId=478&competitionSectionId=33&search=search）。

終盤は5バックにして守りを固めた福岡を最後まで崩せず。ほとんどシュートを打てずに、3試合連続となる無得点で敗れました。

山口は今季最長タイとなる7試合勝ちなしとなってしまいました。今シーズン初となる4試合連続1失点以内と失点は減っていますが、それに比例するように得点も減少。苦しい時期が続いています。

総括

前半は多くのチャンスを作った山口ですが、試合を通して放ったシュートはわずか5本。3試合続けて無得点となってしまいました。守備では不用意なミスから失点。3試合連続で0-1での敗戦となりました。

次戦、山口はアウェーで東京ヴェルディと対戦します。

とにかく勝利が見たいです。