前節は敵地で3得点を挙げ快勝したサンフレッチェ広島。
第9節はホームで湘南ベルマーレと対戦しました。
スタメン
開幕からリーグ戦8試合負けなしの広島は前節からスタメンを8人変更。井林章・清水航平・ハイネル・長沼洋一の4人がリーグ戦初スタメンとなりました。一方、リーグ戦4試合勝ちなしの湘南は前節から3人を変更。3バックでの出場が続いていた田中聡が出場停止の三幸秀稔に代わり、アンカーに入りました。
スタッツ
大幅なターンオーバーを実行した広島でしたが、0-1で敗戦。湘南の倍以上となるシュート数・パス成功数を記録しながらも、得点を決めることができませんでした。一方の湘南は多くのスタッツで広島を下回ったものの、持ち味の走行距離とスプリント回数ではわずかに上回り、リーグ戦5試合ぶりの勝利を挙げました。
広島は前後半ともに0.5程度のゴール期待値を積み重ね、90分合計で1を超える結果となりました。一方の湘南は前後半合わせて0.2未満。実際のスコアとは真逆のゴール期待値となっており、広島としては痛い敗戦となりました。
失点シーンでは、広島陣内での奪い合いに敗れたところから中央を突破され失点。ボールを奪い、ワンツーからペナルティエリア内へ進入してきた田中につききれず、ゴールへ流し込まれてしまいました。
ハーフスペース
広島は前半からボールを保持する時間が長かったですが、前節のようなコンビネーションはあまり見られませんでした。インサイドハーフに入ったハイネルや長沼はハーフスペースでボールを受ける機会は少なく、アンカーの位置まで下がったり、サイドに広がったりするようなポジション取りが目立ちました。
パスネットワークにてインサイドハーフの長沼やハイネルに着目すると、サイドバック以外の選手とのパスが少ないことが確認できます。前半のうちに3得点を挙げた前節などはアンカーや同サイドのウイングあるいはセンターバックなど、複数の選手とインサイドハーフの間に矢印が存在していました。そのため、インサイドハーフに入った2選手が相手の嫌な位置でボールに関われなかったことが、良い攻撃が少なかった要因の一つなのかなと思います。
また、エリア間パス図を見るとピッチ中央でのパスが少なく、サイドの同レーンでのパスが多かったことがわかります。このことからも、中盤の選手がハーフスペースでボールに触る機会がそこまで多くなかったことが言えるかと思います。
サイドの争い
なかなか中央を使えずサイドからの攻撃が多くなった広島ですが、決してサイドからチャンスを作れていたわけでもありませんでした。
両ウイングのスタッツを見ると、クロスは2、3本ありますがラストパス数はともに0。クロスからシュートを演出することはできませんでした。左サイドの柏好文は一度カットインからFKを獲得する場面があったものの、右サイドの藤井智也は対峙した高橋諒を剥がすことができずに苦しんでいました。
高橋の守備スタッツを見てみると、7回タックルして成功率100%。全てが藤井へのタックルというわけではないと思いますが、実際に藤井からボールを奪う場面は複数回見られました。高橋は藤井の縦へのスピードにもしっかりと対応しており、非常に安定した守備を見せていました。
最後に
広島は17連戦という過密日程、さらには次戦以降名古屋グランパス・川崎フロンターレという無敗組との試合が続くということもあり、大幅にメンバーを入れ替えてきました。ただ、結果としてはこれまでの勢いを失いかねない敗戦となってしまいました。
この試合がターニングポイントとなってしまわないよう、しっかりと悪い流れを断ち切って上位陣から勝ち点を獲得してほしいと思います。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2021/4/14 11:13
たしかに、インサイドハーフの選手が前線にボールを繋ぐには、まず良い位置&良い体勢でボールを受けないといけない気がしました💡
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サンレノファン
2021/4/14 21:38
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
シュート数は多かったですが、相手GKを脅かすシーンが少なかったので、上記の部分も含めて今後の伸びしろですね!
相手の位置を把握しながら良い立ち位置を取り続けることが重要になってきますよね。
誰が出てもゴールに迫れるようなチームになってくれることを期待したいです。