2試合続けて0-1で敗れているサンフレッチェ広島

第10節では、昨シーズンの王者川崎フロンターレと対戦しました。


スタメン

フォーメーション図  フォーメーション図

ミッドウィークの試合から川崎は5人、広島は3人スタメンを変更。広島はここ数試合採用していたアンカーシステム(川崎と同じフォーメーション)を使わず、青山敏弘とハイネルのダブルボランチで臨みました。


スタッツ

基本スタッツ

引き分けとは思えないスタッツになっていますね。川崎はシュート数22本もさることながら、枠内シュート数が16本を記録。シュート数わずか6本の広島よりも枠内シュート率が高く、広島はこれだけシュートを打たれてよく1失点で抑えられたなという印象です。パス成功数でも200本近い差がついており、広島としてはアウェーで勝ち点1を拾った形となりました。

ゴール期待値

ゴール期待値で見ても川崎の圧勝となりました。特に前半は川崎が1.2以上積み上げて先制したのに対し、広島はシュート0本。常に川崎の時間となっていました。後半も川崎の方がゴール期待値の上昇量は多かったですが、広島はまさにワンチャンスをものにして同点ゴールを決めました。


ハイネルの守備

前半、広島は奪った後のパスを繋げずに守備の時間を長くしてしまいました。15分には1分間で3度、マイボールにした直後のパスを川崎に渡してしまい、27分や31分にも自陣ペナルティエリア近くでパスミス。川崎の選手が前向きにインターセプトできるようなパスミスも何度かあり、相手の圧力を掻い潜れずに自陣でプレーする状況が目立ちました

また、川崎の後方からのビルドアップに対して広島は前からプレスをかけていましたが、高い位置で奪えたシーンはほとんどありませんでした。何度かロングボールを蹴らせる場面はあったものの、ショートパスで剥がされ前進されることが多かったです。また、ハイネルと遠野大弥のマッチアップにおいて、遠野がターンでハイネルをかわす場面が複数回あり、ハイネルの前へ出た時の守備の軽さが目につきました。

守備スタッツ - ハイネル   ヒートマップ - ハイネル

ともにボランチを務めた青山も決して守備能力が高いわけではないため、最終ラインへの負担は大きくなっていたと思います。青山はチームトップの走行距離だったこともあってか、終盤は相当疲労が溜まっているように見えました。アンカーシステムではなかった分、まだ良かったですが、川辺駿の重要性と守備強度の高い中盤の層の薄さを再認識させられました。

走行距離・スプリント回数


サントスの強さ

後半に入っても川崎が攻める時間が多かった中、広島は手数をかけない攻撃でチャンスを作りました。同点ゴールのシーンでは、相手が寄せてきた中で大迫敬介が蹴ったロングボールをジュニオールサントスが左サイドでキープしたことで攻撃がスタート。サントスが対峙したジェジエウをかわしドリブルでゴール正面まで進入してシュートを放ち、ポストに弾かれたボールを最後は森島司が押し込んでゴールを決めました。

また67分にもエゼキエウからの縦パスを自陣で受けたサントスがトラップで川崎陣内の広大なスペースにボールを出し、単独でのドリブルでペナルティエリアまで進入。シュートこそ打てませんでしたが、カウンターで川崎に脅威を与えていました。

攻撃スタッツ - ジュニオール サントス   ヒートマップ - ジュニオール サントス

サントス自身のゴールはありませんでしたが、チーム全体の半分を占める3本のシュートを記録。前半はジェジエウを背負ってのプレーが多かったですが、後半は広いスペースを活用し前向きにプレーできていました。個人での突破には迫力があり、チームの勝ち点1に大きく貢献してくれました。


最後に

内容は完全に川崎が圧倒していましたが、結果は1-1の引き分け。広島としては大きな勝ち点1になったと思います。ただ、攻守両面においてやりたいことができていた時間は少なかったので、勝利に値するような内容を次戦以降見せてほしいです。