新監督のリカルドロドリゲスどうなる?今年のFC東京はどうかな?二つの観点から楽しく見れました。以下目次です。

目次

1.試合展開

1.スタメンと基本スタッツ

2.ビルドアップとネガトラの質の高さで浦和が主導権を握る

3.ネガトラに制圧され外国人でも優位が取れない東京は劣勢

4.ゴール期待値では1.52対0.22で浦和の完勝。東京は勝ち点1を拾ったゲームに

2.FC東京

1.CBとSBにおける対人の強さは健在

2.ディエゴのコンディションは上がりきっていない

3.三田のセットプレーは秀逸、渡邊凌磨はJ1でも対人勝てそう

3.浦和レッズ

1.既にネガトラの完成度が高い

2.ボールが持てる選手が多くビルドアップは安定、方法も多彩

3.1対1で勝てる選手、理不尽に点が取れる選手が欲しい

4.感想



1.試合展開


1.スタメンと基本スタッツ

スタメンと基本スタッツは以下の通りです。

フォーメーション図

フォーメーション図

基本スタッツ


浦和の小泉、明本、東京の渡邊が新加入でスタメン。前評判があったとはいえ浦和の阿部のスタメンはサプライズ。後は大体去年と踏襲されたメンバーです。

スタッツを見ればわかるとおり、試合内容は浦和が圧倒していました。


2.ビルドアップとネガトラの質の高さで浦和が主導権を握る

浦和のビルドアップは素晴らしかった。中盤の阿部、伊藤、小泉のパフォーマンスが高い。ポジショニングと体の向きで打開したり、ボールタッチや反転のうまさで時間を作ったり、対角パスやミドルパスで打開されたり、1対1の空中戦勝負ができる状況で杉本や明本に放り込むと多彩なビルドアップを見せた。


3.ネガトラに制圧され外国人でも優位が取れない東京は劣勢

ネガトラの速さでボールを奪われる、奪われないまでもカウンターの機会を逃すことが多かった。さらにボール保持してビルドアップができるチームではないから、手詰まってしまった。そういう場合は裏にボールを蹴ってディエゴか永井が競り勝ってボールを敵陣に進めるのが特徴なんですが、ディエゴのコンディションを鑑みてかそのような状況は作れなかった。それでもハイプレスが刺さったショートカウンターでなんとかする時もあります。しかし浦和のビルドアップは多彩でそれもうまくいきませんでした。ちょっとこの試合ではボールを前に運ぶ手段が見つからなかったです。


4.ゴール期待値では1.52対0.22で浦和の完勝。東京は勝ち点1を拾ったゲームに

ゴール期待値

ゴール期待値では1.52対0.22で浦和の完勝。シーズン単位で見るとゴール期待値の誤差は大きくても±0.5なので、1対1で引き分けという結果は東京にだいぶ運が傾いたといえる。もちろんGKが優秀、守備組織がしっかりしているチーム、FWが理不尽な決定力を持っているチームは期待値以上の結果を出すんだけど、それでもこの結果は東京から見れば上々です。ゴール期待値についてはfootball labの2020ゴール期待値まとめの記事がわかりやすいので、興味のある人はリンクを見てください。

https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2020&data=expected


2.FC東京


1.CBとSBの対人の強さは健在

CBとSBがエリア内で1対1に負けることが少なかったので、自陣で多くボールを持たれた割にはチャンスを作られなかったです。1.52は許容していい数字かと言われたらなんとも言えないですが。


2.ディエゴのコンディションは上がりきっていない

去年フル稼働して、さらに終盤のACLで怪我をしたからある種当然。開幕間に合っただけでもよしとするべき。それでも今年ディエゴに全力を求めるのは酷かもしれない。


3.三田のセットプレーは秀逸、渡邊凌磨はJ1でも対人勝てそう

三田のセットプレーは相当精度が高いです。しかも空中戦に強いCB2人を揃えているので期待値は高い。今年も三田がボールを蹴る限りセットプレーに期待が持てそうです。新加入渡邊は基礎的な身体能力が高い。山中には対人で勝てていた。シュートをPA外から決められるかつ、エリア内でもクロスに合わせて点が取れるらしいから、その面での活躍を期待したいですね。


3.浦和レッズ


1.既にネガトラの完成度が高い

杉本汰木小泉明本のネガトラへの意識と強度は相当高かった。おそらく即時奪回によるショートカウンターの得点は増えるし、カウンターを抑制することによる守備力の向上も期待できる。今年の浦和の強力な長所になりそう。リカルドロドリゲスすごいですね。


2.ボールが持てる選手が多くビルドアップは安定、方法も多彩

西川岩波から精度の高いロングボール、対角パスが出るのは強い。阿部、伊藤、小泉がポジショニングと技術力、ターン等の身体能力で時間を作って中盤から前線へボールを確実に繋いでいた。しかもこの3人は守備にも効いていたから、ちょっとやべえな?て印象。すごい。


3.1対1で勝てる選手、理不尽に点が取れる選手が欲しい


ボールを敵陣に運んでも、そこから敵陣で手詰まる場面が見られた。ボールを敵陣へ簡単に運べるのはすごいこと、そこからの崩しのために1対1に秀でた選手が欲しい。あと今日杉本は2、3回決定機があったけど、それを決めるか個人で無理やり決定機を作り出して得点するストラーカーは欲しい。でも杉本はチーム戦術の中よく機能していたからこのままでもいいかもしれません。

以下はロティーナのインタビューなんだけど、サイドアタッカーの必要性を強調している。

――2017年のスポーツナビのインタビューでは、「J2にはテクニカルな選手が多い分、1対1の突破を得意とするようなサイドアタッカーは少ない」と語っていました。ただ、今季のC大阪もそうですが、近年のJリーグでは1対1で積極的に仕掛けるサイドアタッカーの存在が逆に目立ちます。
変わってきている。これまで日本サッカーの特徴はパスサッカーだった。私が来た当時の日本サッカーにはJ1、J2を問わず技術的レベルの高い中盤の選手がそろっていた。一方で、サッカーの文化的にもドリブルのミスは大きく嫌われる印象を受けた。スペインではパスミス同様、ドリブルでのミスも当たり前に起こるものとして捉えられている。日本ではドリブルでのミスはよりエゴイスティックで、マイナスのイメージがあるように思う。

 ここ数年の日本サッカーからは良いサイドアタッカーが出てきている。横浜F・マリノスやサガン鳥栖には特徴的なサイドアタッカーがいて、川崎フロンターレには優れたサイドアタッカーが数多くいる。それはなぜか? 現代サッカーにおいてはどれだけパスを回しても、高いボール支配率で相手を支配しても、1対1で相手の守備システムを打開しなければ得点のチャンスが生まれないからだ。

 その代表例がジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)で、彼は常に攻撃において1対1を有効活用してきた監督だ。守備システムがこれだけ向上した現代サッカーにおいてはスペースも時間もなく、攻撃では素早くサイドにボールを循環して、そこでの1対1で活路を見いだす必要がある。1対1に秀でたサイドアタッカーの重要性は年々高まっている。

リンク:https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/202009240004-spnavi?p=2


4.感想


浦和の補強がバチバチに決まっている。リカルドロドリゲスのサッカーは既にピッチ上によく現れていた。でもここまで効果的だったのは補強のおかげですね。東京は良くも悪くもいつも通り。38試合あるので、選手層と個人能力の高さでそれなりに勝つでしょう。今日はイマイチだったけど、最強ブラジル3人衆も長い目で見れば問題ないです。