90分を通しての試合運び。まさに圧巻だった。

決して内容がいい訳ではない。

それでも終わってみれば、2-0。

なぜ、こうなったのか?

広島サポの私が考察していこうと思う。


1.立ち位置の優位性

フォーメーションのかみ合わせには必ず穴がある。

今回でいえば、広島は川崎の3トップに対してDFが同数になる場面があること。

川崎は橘田の両脇が広島のシャドーに使われやすいこと。

お互いに穴を中心に攻撃を組み立てる場面が多く見られた。

ハイプレスの広島に対して、自陣でビルドアップをする時間が多かった川崎にとってハーフフェーラインでのパス交換が多いのは上手く前進できている証拠だろう。

それに比べて広島は、シャドーにボールは入るものの、結局サイドでの繋ぎが多く、上手くいっているとは言いがたい。


2.スーパーな橘田

押し込まれていた時間が多かった川崎だが、ディフェンディングゾーンではほとんど危ないシーンは少なかった。

それは、広島がサイドからのクロスの一辺倒の攻撃が多かったこともあるが、中央エリアは橘田が制圧していたからだろう。




広島がシャドーにボールを入れても、チャンスにならなかったのは橘田がコースを限定していたから。広島の守備的ボランチの塩谷と比べても差は歴然。



彼がいるのといないのでは、チームがガラッと変わってしまう。


3.巧みな試合運び

まずはこのデータを見てもらいたい。これだけを見れば川崎が勝つとは普通思わないだろう。

耐え続けていた川崎は67分に3枚替えを行う。

そこから流れが変わる。データを見ても分かる通り、交代10分後辺りから期待値がどんどん上がっていく。これまで数えれる程のチャンスだったが、セットプレーで先制する。

時間が少なく、前に出てくる広島に対して、交代組の3トップが裏を狙い、追加点。

しかも点を決めたのは、SBの山根。ここにも川崎の強さが伺える。90分にゴール前にこぼれ球を押し込みに来るSBなど他にいるだろうか?

さすが王者。抜け目が全くない。

ほんとに耐え続けていたのかすら怪しく感じる。