川崎に引かずに真っ向勝負を仕掛けたコンサドーレ。ここで川崎を止めて去年の再現とJリーグ無敗記録もストップさせたかったが、川崎は強かった。小柏は後ろからのロングパスをトラップしてシュートまでもっていくのがうまく、また速さを活かして相手ゴールに斜めにドリブルして相手選手を引き付けるなど効果的な動きだった。また、菅は左足からのパンチのあるシュートを打てており、ルヴァンカップ決勝の菅の得点などを思い出すと川崎とは相性がよいのかもしれない。
前節の話になるがアンデルソンロペスJ1通算100試合出場、キャリアハイ11点目
スタッツ
ゴール以外はほぼ同じようなスタッツ。ゴール期待値も先制点をとられるまではほぼ変わらず、ただそこから常に川崎が上回り続けた。シュートの質の差が勝負を分けたようだ。
走行距離・スプリント
ほぼ同じようなスプリント数の選手が多い川崎。札幌は小柏と金子のスプリント数が目立つ。ほかの選手はそれほどスプリントしていない。
エリア間パス
川崎は相手陣内の右サイドでパスが目立つが、左サイドのほうが高い位置までパスを多くつなげている。札幌は相手陣内まで押しこめてパスを中央で回している。
パスソナー・パスネットワーク
川崎は右サイドの家長へのパスが多く、ジョアンシミッチは左サイドか前方へのパスが多く、右サイドへのパスはあまりなかったようだ。札幌は高嶺のパス数がトップであり、アンデルソンロペスまでパスがつながっている。左サイドの菅はいつもと違い、パスはあまりせず、ドリブルなどが多かったようだ。
時間帯別パスネットワーク図
川崎は選手同士でかぶるような配置にいることが少なく、得点を取った後半は2CB残してほかの選手は相手陣内でパスを多くしている。レアンドロダミアンが後半15-30は不思議なことにCBのような位置にいる。
札幌は前半スタートで右サイドよりの小柏が高い位置をとり、その後左サイドの菅が高い位置を取っている。後半はアンデルソンロペスが一番高い位置、その後の終盤は金子が高い位置を取っている。時間帯でパスの最終地点を変えていたようだ。
ヒートマップ
中盤の選手では旗手の範囲がかなり広く、3選手ともにハーフウェイライン付近に位置していることが多いが、若干右サイドよりになっている。
両SBもハーフウェイライン付近にいることが多くなっており、高い位置を取っている。
ゴール前付近からセンターサークル付近まで2CBの二人でカバーしているようなヒートマップ。川崎は最後のところではこの2選手の守備力とカバー範囲の広さが失点を抑えられている要因ではないだろうか。
後半入って、試合を動かした田中碧は家長と似ているが少し内側でプレーしていたようだ。
三笘は左サイドからゴールに向かうようなヒートマップに。
札幌の選手
福森が中盤のような位置でも多くプレーしているのは珍しい。田中駿汰は相手陣内でもプレーできている。宮澤はCBというより中盤の選手のような高い位置でプレーしている。
菅も上下動ではなく、少し内側でもプレーしているが、川崎の中盤の選手(旗手怜央、ジョアンシミッチ)が右寄り(福森対策?)だったので、そのケアだろうか。金子は右サイドで幅を取っていたようだ。
深井が前、高嶺が後ろで中盤をほとんどカバーしている。
駒井が中央より、小柏は右サイド方向へ引っ張られる動きだが、範囲が広い。アンデルソンロペスはゴールへ向かいペナルティエリア内までヒートマップが塗られており、ゴールに迫れていたようだ。
交代選手
青木は上下動だけでなく、少し内側でもプレーできており、ペナルティエリア内でのボールタッチも見られ、相手ゴールに迫っていた。
ヒートマップを見ると札幌の選手は左の選手は中央よりでプレーしていることが多く、右サイドは幅を取っているように見えるが、これは川崎の左サイドの三笘対策だったのではないだろうか。
対戦成績
札幌は1勝しかできていない。
得点が多く、失点が少ない川崎。クロスとショートパスからの得点が多く、失点ではクロスからが多い。
川崎と比較すると得点が少なく見える札幌。特徴としては川崎よりもPKでの得点ががかなり多い。失点ではセットプレーからが多い。
北海道コンサドーレ札幌 2021マッチレポート 川崎フロンターレ 2 - 0 北海道コンサドーレ札幌 2021.5.16 15:00 Kick Off等々力陸上競技場 天気曇気温22.8℃芝全面良芝/観客数4,932人 https://www.football-lab.jp/sapp/report/?year=2021&month=05&date=16
タイムライン
開始15分まではお互いシュートはない。札幌のボール保持率が最も高いのは76分以降だが、シュートを4本と打てており、少し前にあったボール保持率が高いとシュートを打てないという傾向がみえなくなっているのは改善されているといえるかもしれない。
シュート
川崎はペナルティエリア内のシュートが多く、左サイド側でのシュートが多いので、右サイドからのクロスなどをシュートしたと思われる。札幌はペナルティエリア内と外のシュート数がほぼ変わらない。ペナルティエリア内でのシュートを打てるような状況をつくれれば、川崎と似た得点に近づけるかもしれない。
チャンスビルディングポイントCBPではパスとドリブル以外は川崎が上位。攻撃と守備で分かれる(守備が多くなるチームは奪取、守備、セーブが多く、攻撃は他が高い)ことが多いが、この試合では守備と攻撃で一方的に分かれることがない。どちらも攻撃的だとこうなるのかもしれない。
攻撃は三笘、パスは福森、守備は谷口がトップだった。クロスでは川崎の選手が上位を独占、ドリブルでは札幌の選手が上位に多い。交代出場だった田中碧は奪取で3位となっており、短い時間だったにもかかわらずに上位に来ているのは驚く。札幌は交代出場だった青木がシュートを打てており上位に来ていたので、交代でシュートを多く打てる状況に変化させることができたと思われる。
データによってサッカーはもっと輝く Football LAB https://www.football-lab.jp/
チャンスビルディングポイントでは攻撃、パス、シュートですべてトップの川崎。
個人でもアシストでレアンドロダミアン、攻撃で三笘がトップになっている。
リーグサマリー:2021 J1 チャンスビルディングポイント 守備ポイント ランキング https://www.football-lab.jp/summary/cbp_ranking/j1/?year=2021&data=defense
奪取ポイントが高い川崎、田中碧は2位であり、5位山根、6位ジョアンシミッチと上位に川崎の選手が多くいる。Jリーグトップチームとの対戦だった。
札幌「28選手の最新市場価格ランク」 2.1億円の“タイの至宝”など7人が“億超え”評価 2021.02.25
■北海道コンサドーレ札幌(昨季12位/10勝9分15敗)
選手市場価格総額:17億3037万5000円
チーム内最高額選手:チャナティップ(2億1590万円)https://www.football-zone.net/archives/309706
総市場価値15位(/57)
川崎「30選手の最新市場価格ランク」 三笘は驚異の“32倍増”、1億円超えは14人
2021.03.01
■川崎フロンターレ(昨季1位/26勝5分3敗)
選手市場価格総額:28億2257.5万円
チーム内最高額選手:谷口彰悟(2億2860万円)https://www.football-zone.net/archives/310437
総市場価値1位(/57)
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コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2021/5/26 11:48
一進一退の真っ向勝負から、結果的にはやはり先制点が明暗を分けた感じになりましたね。
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shakekuma
2021/5/26 19:02
先制点は大事さがこの試合で伝わってきました。菅も小林悠もどちらも相性よさそうですね。田中碧は代表と今後がとても楽しみな選手だなと思います。
菅選手、川崎戦は相性良い感じがしますね!
(それ以上に小林選手が"天敵"という言葉でも足りなさそうなヤバさですが…💦)
田中選手は存在感が凄いですね。オリンピック代表でも期待したいです。