【検証】外国人選手と日本人選手、どんな特徴の違いがある?


 強くてスピーディーで華麗なプレイスタイル。外国人選手に対してこのようなイメージを持つサッカーファンは多いのではないだろうか。片や年に1, 2回しかサッカー観戦をしない私は何故か「外国人選手はあんまり動かない」という印象を持っている。


 今回は攻撃スタッツなどのデータから外国人選手と日本人選手でプレイスタイルにどのような特徴の違いがあるのか読み解いてみようと思う。なお、検証するにあたり、フォーメーションの違いによるパフォーマンス差を相殺するため、両チーム同じフォーメーションで試合を行った 2020 J1 第24節 神戸 2-2 川崎F の試合データを使用した。


フォーメーション図フォーメーション図



【検証1】攻撃スタッツに明確な違いはあるのか?


外国人選手4名と日本人選手4名の攻撃スタッツを集計した結果は 表1. のとおりである。


             (表1.) 国籍別の攻撃スタッツ


一見するとどの項目もそこまで明確な違いはないように思えるが、パス回数・パス成功回数はどうやら違いがありそうでもある。ということで、パス回数・パス成功回数をそれぞれプロットした結果が 図1. である。










    (図1.) 国籍別のパス回数・パス成功回数をそれぞれプロットした


パス回数の平均は日本人選手のほうがわずかに多いものの、パス成功回数の平均にはほとんど違いがみられなかった。検証結果としては、少なくともこの試合においては外国人選手と日本人選手で攻撃スタッツに明確な違いはない、ということが分かった。



【検証2】「外国人選手はあんまり動かない」説は本当か?


では、私の感じていた「外国人選手はあんまり動かない」という印象が正しいのか検証していきたいと思う。なお、ポジションによって役割が異なるため、比較する選手同士は同じポジションであることを条件とした。


① ドウグラス vs. 小林

ヒートマップ - ドウグラスヒートマップ - 小林 悠


② セルジサンベール vs. 田中

ヒートマップ - セルジ サンペールヒートマップ - 田中 碧


③ チェンソンリョン vs. 飯倉

ヒートマップ - チョン ソンリョンヒートマップ - 飯倉 大樹


意外や意外。たくさん動いているではないか。いやむしろドウグラス選手は小林選手よりも広範囲に動いている。定性的な検証結果ではあるが、「外国人選手はあんまり動かない」などというとんでもない勘違いが解くことができた。



まとめ

 1試合分のデータを覗いてみるだけでもこれほどのインサイトを見つけることが出来ることに驚かされた。10試合分、いやJ1全試合分のデータを分析すればもっと面白い、たくさんの気づきを得ることが出来ることであろう。是非皆さんもSPOTERIAのブログに共有してみてほしい。