前半戦の序盤に敗れた町田戦。ついに2巡目で対戦することとなる。コロナの影響を受けた岡山の3試合となるので、完全なデータとは言い難いが、町田側のデータは、完全なデータである。そこで、分かる範囲のプレビューをかいていく。


1、前節までの対戦成績


前節までの対戦成績

前節までの対戦成績(図=figure:SPORTERIA提供)


 町田に関しては、苦手意識とまではいかなくても難しい対戦相手という意識であったが、まさかの全くの五分という事で驚いた。しかし、メンバーが戻ってこないと、流石に厳しい試合となることは間違いなく、そこは、選手が戻って来ると信じて、勝負の時を待ちたい。


2、得失点パターン


得失点パターン

岡山視点の得失点パターン(図=figure:SPORTERIA提供)


 前節間接FKを決めて、セットプレーからを更に1点積み上げた。9ハン・イグォンの得点は、その他に含まれるのだろうか?ボールを持って崩す力が強化されている岡山のショートパスとスルーパスの崩し。幸いな事に町田の失点パターンとしてショートパスでの失点が多く、そこに活路を見出したい。


 そして、クロスは、得点も失点も五分。山形戦から16河野 諒祐も復帰しており、岡山が一歩前にでることで、勝ち点3に繋げる事ができるか?


得失点パターン

町田視点の得失点パターン(図=figure:SPORTERIA提供)


 4-4-2と3-4-2-1を使い分ける町田。4-4-2の場合は、クロスに特に注意すべきであるだろう。3-4-2-1の場合は、ボールを持ちやすいシステムであることを考えてもショートパスからの崩しに警戒していきたい。

 そして、一番警戒すべき点は、セットプレーであるだろう。3バックでも4バックでも、岡山が、全ての経験を今の形に活かす事で、高いパフォーマンスに繋げているように、町田も今のサッカーに繋げている。

 そうした経験値を活かす事で、攻撃回数が多いサッカーができており、岡山のPKの多さも猛攻をして多くPKを得ているように、町田のPKとセットプレーの得点の多くなっている事が、データからも読み取れる。


 一方で、失点パターンは、セットプレーとクロスから抑えられていて、岡山のストロングポイントを抑え得る堅さもありそうだ。ただ、ショートパスには弱いので、3バックをぶつけて勝負していきたい所である。


3、時間帯別得失点率


時間帯別得失点率

岡山視点の時間帯別得失点率(図=figure:SPORTERIA提供)


 90分間で見ると、前半から得点を奪える力が岡山にはあるが、町田は最後の76ー90分を除いて非常に安定している。それにしても町田の最後の時間の失点率の高さは異常である。


 理想的な展開としては、早い時間帯に先制して、最後の時間い追加点とできることだが、そうさせない力があるからこそ、6位に位置できているのは間違いない。


時間帯別得失点率

町田視点の時間帯別得失点率(図=figure:SPORTERIA提供)


 町田の得点率を見ると先行逃げ切り型のサッカーであることが分かる。早い時間帯に先制できるのが、理想と書いたが、この図をみると、前半を凌いで、後半勝負に持ち込めることで、勝機を見出すことが、現実的かもしれない。


 ただ、木山 隆之監督は、最初から我慢するというよりは、狙えるのであれば最初から狙って行く勝負師のような顔もある。そう考えると、序盤から激しい攻め合いが見れる試合となるかもしれない。


 メンバー次第とはなると思うが、耐える展開か、攻め合う展開かで、この試合の様相は全く変わって来るだろう。


4、PA内への進入傾向


PA内への進入傾向

岡山のPAへの進入傾向(図=figure:SPORTERIA提供)


 多くの選手がコロナで離脱している中で、3バックスタートで戦った3試合。ドリブルで、進入が減っているだけではなく、クロスの回数も減っている。41徳元 悠平と16河野 諒祐の欠場が大きかった。ただ、その間に取り組んだパスの崩しは、敗れはしたものの横浜FCに対しても十分戦えて、群馬戦でもしっかり勝利することができ、山形戦も苦しみながらも勝ち切った。 


 また、この図のポイントは、PA内のど真ん中への進入回数の多さである。そこに誰がいるのかは、15ミッチェル・デュークのケースが多いはずなので、やはり3バックの今の形は、15ミッチェル・デュークを軸とした攻撃であると改めて感じる所である。


PA内への進入傾向

町田のPA内への進入傾向(図=figure:SPORTERIA提供)


 明らかに右をストロングポイント(アタックポイント)としていることは間違いない。右から入れて行くというよりは、右に入っていく。右で決めるという形でもある。


 その右サイドに誰がいるのかと調べてみたらチーム得点王タイの28太田 修介。そして、3-4-2-1の右のシャドーには、チーム得点王タイでアシスト王である10平戸 大貴。この2人がいたら、この数字になるのも納得。


5、被PA内への進入傾向


被PA内への進入傾向

岡山の被PA内への親友傾向


 山形に攻められ過ぎた問題ですね。いえ、山形戦は、守り切れたので結果では、OKです。ただ、速攻に対して、気持ちで粘り強く守る前に、回数を如何に減らしていくのかもテーマの1つといえる。4濱田 水輝、23ヨルディ・バイス、5柳 育崇の3枚を続けて起用していくのは、4濱田 水輝に負担も大きく、どうしても左CBは、SBの選手と兼任していく形になるのかと思います。


 中央への進入を許さないのが強みでしたが、この図を見ても何度か許している。しっかりここは、壁を構築して跳ね返していきたいですね。


被PA内への進入傾向

町田の被PA内への進入傾向(図=figure:SPORTERIA提供)


 千葉、大宮、横浜FCの3チームに対してのデータ。千葉は、守備的なので、ボールを保持する町田と噛み合わせが良いとしても大宮と横浜FCは、共に攻撃が売りのチーム。このデータは、流石に凄すぎますね。


 前節の横浜FC戦は、前半被シュート0なので、どれだけ町田のポゼッションサッカーの凄いか伝わってきます。岡山の23ヨルディ・バイスのロングフィードや15ミッチェル・デュークの高さといった武器が、どこまで通用するかで、このデータのような展開に持ち込まれる事となる。


 それだけに、このデータを見てしまうと、選手が戻って来て欲しいと強く感じる。


6、総括


 書いてて思うことは、サッカーが変わる様に書き手も変わるのだと言う事である。プレビュー毎に構成は、一緒でも書き手が違うのではないかと自覚する内容の変化が見て取れる。それが、成長なのか、退化なのか、冷静なのか、暴走しているのか。全ては、読み手が、どう感じるかに委ねられている。


 ただ、ここまで、SPORTERIAさん提供の図=figureを観てきた中で、町田のサッカーが、凄い事が伝わって来たのではないかと思います。


町田戦の注目ポイント


①タッキー&翼ではないですが、町田の攻撃のスターである10平戸 大貴&28太田 修介を如何に抑える事ができるか?

②町田のポゼッションvs岡山のハイプレスの軍配はどちらに?

③岡山の矢である15ミッチェル・デュークと23ヨルディ・バイスの武器でどこまで戦えるか。

④メンバーが、どれだけ戻ってこれるのか。

⑤予想外の手、木山マジックで意表を突いていくのか?

⑥「天空の城=ポゼッションサッカー」を攻略できるのか?


 ここまで、図を見て行く中で、私好みのサッカーが見れそうな気がしますが、自動昇格するには、勝利しかない。楽しみですが、怖い。そういった一戦です。天候が少し心配されますが、貴方の応援の力が、チームの勝利に繋がるかもしれません。一緒に戦いましょう!


注目の上位対決は、明日の9/4(日)、シティライトスタジアムで、19:00にキックオフ。


文章=杉野 雅昭(text=Masaaki Sugino)、図(データ)=SPORTERIA様