名古屋グランパスのファンではあるが、この試合に限ったレビューをするわけではない。今シーズンから(と言っても2節から)交代枠が増えた。そしてその影響を考えたためレビューさせていただく。
交代枠が増えれば出場選手数は増える。
上記グラフはシーズン別1試合当たり出場選手数である。訳あって各シーズンの第2~9節までのデータを用いて作成しているが、明らかに2020シーズンの方が出場選手が多いことが分かる。
具体的な1試合当たりの平均出場選手数は
2020シーズン(第2~9節) 15.5人
2019シーズン(第1~34節) 13.9人
である。
統計学的に差があるかどうか調べたところ下記表の通りになった。
注目すべきは青色のセル。P値(両側検定)が8.97509×10のマイナス53乗という非常に小さい値になった。これにより1%水準で有意差が認められ、2020シーズンの方が出場選手数が多いと言える。
出場選手が多いとどういったところに変化が見られるのだろうか?単純に考えるとフィジカル的なところかなと思う。
ということで総走行距離について計算した。
1試合当たりの平均は
2020シーズン(第2~9節) 113,169m
2019シーズン(第1~34節) 112,138m
であり2020シーズンの方が約1,000m多い。
統計学的に有意差があるかどうか調べたところ上記表の通りになった。P値(両側検定)は0.011であり、5%水準で有意差が認められた。2019シーズンと比べて2020シーズンは総走行距離が増えていると言える。
「出場選手数が増え、それにより総走行距離が増えた」と言える。
では、これが勝点獲得に対してどのように影響している計算した。
総走行距離と勝点との相関係数を計算したところ上記表の通りになった。
2019シーズンは弱い相関、2020シーズンはほぼ相関関係にないという結果になった。
2020シーズンは、
①交代枠が増えた。
②出場選手数が増えた。
③総走行距離が増えた。
④しかしながら総走行距離が増えたといっても、それが勝点獲得には直結していない。
各チーム、暑い中ハードワークを実践しているが、勝点を獲得するのはそんな単純なことではない。単純ではなく奥深いからこそ、サッカーは楽しい。
※数値に関してはFootball LABさんから借用しました。
コメント(5)
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SPORTERIAスタッフ
2020/8/18 23:58
あくまで感覚的にですが、走行距離が増える要素としては「交代枠が増えたので、交代前提で飛ばせる」「交代で入ってくる選手が負けじとハッスルする」「交代で走れる若い選手の起用が増えている(※多分)」などがありそう?
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SPORTERIAスタッフ
2020/8/18 23:58
一方で、感覚的なマイナス要素としても、「暑い」「過密日程」「リーグ中断の間に充分なトレーニングを積めなかった(※かもしれない)」など、色々な要素が複雑に絡みそう…。最終的には統計学的に考えてみるほうがいいかもしれませんね💡
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ぴくしー
2020/8/19 21:57
SPORTERIAスタッフ様コメントありがとうございます。コメントの通り色々な仮説や解釈が出来るかと思います。990分(90分×11人)を13.9人(2019)で試合をやるのと15.5人(2020)でやるのとでは大きく変わってきます。
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ぴくしー
2020/8/19 21:58
全員が出場時間の中で100%の力を発揮すると仮定すると、単純計算で2020シーズンの方が、パフォーマンスが12%(15.5÷13.9)向上する計算になります。
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ぴくしー
2020/8/19 22:00
総走行距離はそこまで伸びていません(約1%伸びた)。様々な要因が関わってきますので、様々な角度から分析するとおもしろい結果が見えて来るかと思います。