弱者の戦い方で直面する現実


3週間の中断明けの重要な一戦、柏はスタメンを中断前から4人変更、中盤に神谷とヒシャルジソンが入り、昨年の大怪我から復帰した高橋祐治がリーグ戦今季初スタメンとなった。GKは代表から帰国のため隔離期間に入っているキムスンギュに代わりリーグ戦初出場の佐々木雅士がゴールを守った。

フォーメーション図

フォーメーション図

柏のスタメンからシステムは【4-2-3-1】に見えたが、実際は仲間が相手ウィングバックを見る【3-4-2-1】で広島とミラーゲームを構えた。しっかりとした守備から攻撃のリズムをつくりたい柏だったが広島に前半から圧倒され17本のシュートを打たれた。平均ポジション(試合前半)を見ても柏の守備陣が広島に押し込まれ両サイドの対応に追われていたことがわかる。

<広島戦の平均ポジション(試合前半)>

ロングボール狙いの柏は前線に対してのサポートが薄くボールを収められない状況が続く、後半スタートからはアンジェロッティとクリスティアーノを2トップ、神谷をトップ下に置き、互いの距離を近づける【3-4-1-2】にして打開を試みた。

<46分~>

52分には神谷がこぼれ球を拾い左サイドのクリスティアーノへ、クリスティアーノから逆サイドへの大きなクロスで高橋峻を狙う場面もあったが柏のチャンスは後半も少ないまま広島の攻勢は続くこととなった。広島は野上、佐々木も積極的に上がり攻撃に厚みを増し78分左サイドを抜けた佐々木の鋭いクロスが椎橋に当たりそのままゴール、広島の攻勢が実り先制した。先制されると勝てない柏の『敗北のスタンダード』は中断後も継続したまま試合は0-1で終了となった。

柏好文は左サイドからの裏抜け、中央や逆サイドにも出没するポジショニングで柏を苦しめた。決勝点も柏好文が中央にポジションを取り佐々木の走るコースを空けた上で、サントスからの落としをダイレクトで佐々木へ通したことから生まれた。

攻撃スタッツ - 柏 好文ヒートマップ - 柏 好文

守備に追われ反撃の糸口もなかなか見られなかったが、今後に期待を持たせたのはドッジだ。柏の中で最も高いパス数とパス成功数を記録、DFラインと前線を正確につなぐ役割を担った。59分には中盤からボールを持ち出しアンジェロッティにスルーパスを通し数少ないシュートシーンをつくりだした。ドッジから受けたボールを確実にチャンスにつなげる攻撃の選手が今の柏には求められている。

攻撃スタッツ - ドッジパスソナー・パスネットワーク


この試合の柏は相手に押し込められつつも数少ないチャンスを狙う”弱者の戦い方”で何とか勝ち点をもぎ取ろうとするも試合内容やスタッツが示すままの敗戦となった。高橋が復帰しドッジがフィットしつつある中、攻撃の核であるべき選手に移籍話しが持ち上がっている。柏のセンターラインとチーム状況はグラついたまま希望が見えていないのが現実だ。

過去のJ1リーグ中断期間『上がるチーム』『下がるチーム』