見事な修正力を見せたマリノスとアンカー橘田


渡辺皓太out⇒畠中慎之介inのあの交代の意図とは

2ndハーフのみで4点を取った横浜F・マリノスの逆転勝利は”50分”の1つの選手交代から始まった。

畠中をCBに入れ、スタートから入っていた岩田智輝をボランチに1つポジション上げたこの交代、後ろの重たさを修正しようとしたのではないかと私は予想する。

⇩これは前半によく見えたシチュエーション

マリノスの2ボランチというシステム上アンカーが不在のため、後方からのビルドアップとアタッキングサードでの顔出し両方のタスクを担わなければならない。

前節のセレッソ大阪戦では主にその役割を渡辺が担っていた。それが走行距離トップの12.8kmを記録し後方でも前線でも顔を出していた。そしてもう片方のボランチである喜田拓也が前目にポジションを陣取りバランスを取っていた。しかし、今日の前半のポジショニングでは⇧の図のように喜田も後ろに陣取り重たくなっているのがわかる。これは両者のシステムを噛み合わせたときに喜田がマッチアップする川崎フロンターレのチャナティップがより前線に陣取るタイプのため守備面を考慮し、喜田も後ろにポジショニングを下げさせられてしまうという構図が生まれている。かつ、SBも内側に入り中盤に加わる形になるためより一層中盤に人が密集しパスを動かしづらい状況が出てしまっている

渡辺も前節でもハイパフォーマンスを発揮しとても良い選手だが、まだ渡辺には自分と対峙する選手とは別にカバーもする守備に不安があるかもしれない。そこで守備力も充分ありビルドアップにも定評のある岩田をボランチに加えることで中盤での守備力向上をさせ、安心して喜田が前目に陣取るできたので⇩のように2-3-5のラインで後半は後ろが重たくなることもなくバランスよく質の高い攻撃を繰り出すことに成功した。

結果としてロングボールを多用せざるを得なかった前半に比べて中盤でしっかり繋げることができ、より攻撃の質が高まったことで4点をもぎ取ることができたのではないだろうか。


敗戦も橘田復帰で攻撃の質が戻ってきた川崎フロンターレ

 開幕戦のFC東京戦やスーパーカップの浦和レッズ戦では欠場していた橘田が復帰したことで川崎のビルドアップが明らかに改善された。サッカーIQの高さで空いているスペースを見つけ出しあらゆるところから顔を出しマリノスの第一プレッシャーラインを回避する動きを見せた。

組み立てのNo.6の動きだけでなく、ずっと使いたかったマリノスのSBとCBの間に生まれるハーフスペース上のポケットに侵入する動きから先制点も導いた。敗戦こそしたものの橘田が川崎の不動のアンカーとして重宝視されることは間違いない。ヒートマップ - 橘田 健人