観ていて息が詰まりそうな試合基本スタッツ

スタッツを観る限り、ガンバは圧されていた印象を受ける。

だが、押されていただけではなかった試合であったし、非常に見ごたえのある試合でした。

フォーメーション図

フォーメーション図

広島の目的は一つ。

如何にSBの裏を狙うか。これに尽きる。

黒川の左か、半田の右か。

どちらも狙ってはいたが、主に標的となったのは左だった。

ヒートマップ - 大橋 祐紀

1トップの大橋が右にズレ。

ヒートマップ - 満田 誠

そこに満田。

ヒートマップ - 中野 就斗

中野が飛び込み数的優位を作る。

そこで「そうはいかせますかいな」と埋めに戻っていたのが康太。

ヒートマップ - 山田 康太

おおよそトップ下の選手とは思えないヒートマップである。

更に徳真

ヒートマップ - 鈴木 徳真

ダワンまで

ヒートマップ - ダワン

常に左サイドを気にしていた素振りが伺える。

右は右でアラーノが

ヒートマップ - ファン アラーノ

右WGなのに自陣にいる時間の方が長い。

昨シーズンであれば、どこかで堰が切れていたかもしれない。

だが今シーズンにはこの男がいた。

ヒートマップ - ウェルトン

左サイドのジャックナイフ、ウェルトンである。

彼が単独で広島へ襲い掛かり、かつ当然ながら彼がボールを奪われない限り

ガンバは攻められる事はない。

彼の単独突破は攻守に渡って非常に有益な武器でした。

そんな彼への贈り物だったのか。先制点も決めてくれます。

しかし、広島は広島で

まず康太が自陣へ戻る事で発生したこのスペースを

松本は自身のオーバーラップに。

川村は後方の佐々木たちとペナルティアーク周辺に壁を形成。

こぼれ球を拾いまくり、ガンバをひたすら殴り続けるという恐ろしい時間帯を

発生させました。

時間帯別パスネットワーク図

このネットワーク図の前半30分~後半30分くらいまで。

選手達が縦では無く横に一列で近い形で並び、「壁」を形成していた事が分かります。

本当にガンバはよく耐えて先制したものですねぇ💦

ボールロスト位置

広島のボールロストもまさにその周辺の色が濃く、ここからも

「ひたすら殴り続ける広島→なんとか耐え抜いてウェルトンに繋いだガンバ」

の形が伺えます。

広島の反撃となった新井のスーパーゴールも飛び出し、結局は引き分けに。

まず守備をしっかり作り、新井のエグいゴールのみに失点を抑えたあたり

昨シーズンとの違いが見えました。

あと個人的にゾッとしたのがこの選手。

攻撃スタッツ - ネタ ラヴィ

鬼キープからのゴールに繋がった縦パスも凄いのですが、

個人的に恐ろしいと思ったのが彼のポジショニング。

ヒートマップ - ネタ ラヴィ

攻められているときは自陣で。

後半ウェルトンがベテてきて、代わりに黒川がオーバーラップし出したタイミングで

彼にボールを供給すべく、かなり高い位置まで上がって来てるんですよね。

だからといって彼が守備をサボっていたわけでは当然なく

必要な時に、必要なタイミングで、必要な所に常に移動していた結果なだけ。

どれだけ試合の流れ読めてるんだよ?!

って思いました。

この試合、ガンバはウェルトン以外に前線に攻撃の起点を作るのに苦労していました。

山下、岸本、ジェバリ。今日不在だった彼らは、正しく起点となれる選手。

伸びしろの見える引き分け

という事で先が楽しみにもなる1戦でした。