前節、今シーズン最多の3失点を喫したサンフレッチェ広島。
第12節は昨年の王者である横浜F・マリノスとのアウェーゲームでした。
マリノスは前節2得点をあげたジュニオールサントスが2試合連続のスタメンとなりました。一方の広島は前節から2人を変更。今季、リーグ戦全試合で先発出場していた川辺駿に代わって、ハイネルがボランチに入りました。
シャドーのクロスからチャンス
立ち上がり、広島はサイドからチャンスを作っていました。
キックオフからわずか30秒後、右サイドから浅野雄也が左足で上げたクロスにレアンドロペレイラが頭で合わせます。ヘディングシュートはキーパーにキャッチされましたが、試合開始早々、マリノスゴールに迫りました。
7分には、再びペレイラがシュートを放ちます。左サイドに流れてボールを持ったドウグラスヴィエイラが、キーパーとディフェンスラインの間に左足で低いクロスを供給。ペレイラがスライディングしながらボールにミートしましたが、シュートは枠を捉えることはできませんでした。
7分のシーンでは、広島の早いリスタートから左サイドのタッチライン際にポジションを取っていた柏好文(上図の18番)にボールが渡りました。この試合、高い位置を取る広島のウイングバックに対してマリノスはサイドバックがマッチアップすることが多く、この場面では右サイドバックの小池龍太(上図の25番)が対応していました。柏は小池の裏へ走るヴィエイラ(上図の9番)にパスを送りましたが、この時ヴィエイラにはセンターバックのチアゴマルチンス(上図の13番)がついてきていました。
立ち上がりのシーンでも同様でしたが、広島のシャドーがサイドに流れるとマリノスはセンターバックがサイドに出て対応していました。そのため、マリノスの中央の守備は手薄になり、広島はシャドーのクロスからペレイラがシュートを放つことが可能となりました。ただ、ペレイラのシュートはゴールとはならず、チャンスを得点に結びつけることはできませんでした。
相手のサイドバックへの対応
基本的に、広島は守備時にウイングバックが落ちて5人が最終ラインを形成します。ただ、この試合では左ウイングバックの柏が一列上がり、4バック気味になる場面も見られました。
マリノスの攻撃時、両サイドバックに対して、左のティーラトン(上図の5番)には浅野(上図の29番)が、右の小池(上図の25番)に対しては柏(上図の18番)が対応していました。積極的に攻撃参加してくるマリノスのサイドバックに対して、マンマーク気味かつ高い位置からプレッシャーをかけることで、自陣に押し込ませないようにしていました。
前半終了間際の先制点
相手の攻撃を抑えていた広島でしたが、徐々にマリノスに押し込まれていきました。ボールを奪ったとしても、相手の素早いプレスに苦しみパスを繋げず。自陣で奪い返される場面も目立っていました。44分には、自陣でパスカットされたところからショートパスを繋がれ、先制点を奪われてしまいました。
右サイドでパスを受けた喜田拓也が中央の扇原貴宏にボールを渡します。扇原は前を向き、ディフェンスラインの手前にポジションを取った前田大然に縦パス。前田がワンタッチでサントスへパスを送ると、ボールは広島のディフェンスの間を抜けてマルコスジュニオールの元へ流れます。マルコスが左足でシュートを放つと、これがゴール左隅に決まり、マリノスが先制に成功しました。
広島は陣形は整っていましたが、中央をパスで繋がれ失点。相手の強力な攻撃陣を止めることができず、前半終了間際に先制を許してしまいました。
強烈なヘディング
前半を1点のビハインドで終えた広島ですが、53分にセットプレーから同点に追いつきます。
右サイドでのフリーキックからハイネルがゴール前にボールを入れます。このボールに対し、ペレイラとキーパーの朴一圭が競り合いましたが、ペレイラが朴の手よりも高い打点でヘディング。190cmの高身長を生かした強烈なヘディングシュートがゴールに決まり、広島が同点に追いつきました。
試合を振り出しに戻した広島でしたが、7分後、お返しとばかりに相手の強烈なヘディングで勝ち越しを許してしまいます。
ペナルティエリアの左角付近でパスを受けたティーラトンがクロス。これにサントスが合わせてヘディングシュート。威力のあるシュートがキーパー大迫敬介の頭上を通ってゴールに突き刺さりました。
両チームともに高身長のストライカーがヘディングで得点。2-1とマリノスの1点リードで試合が進んでいきました。
オフサイドの多さ
リードを許した広島でしたが、マリノスのハイプレス・ハイラインに苦しみ、攻勢を強めることができませんでした。特に、高い位置を保つマリノスの最終ラインに対応できず、試合を通してオフサイドにかかる場面が目立っていました。今シーズン、広島の平均オフサイド数は1試合あたり2.9回。ただ、この試合では9回のオフサイドを記録しており、明らかに多かったです(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=08&date=23)。
広島は相手を敵陣に押し込むことはできず、試合は2-1のまま推移していきました。90+3分には途中出場のエリキにダメ押しの3点目を奪われてしまい、万事休す。2試合連続の3失点で敗戦となってしまいました。
総括
前半はシャドーのクロスからチャンスを作りましたが、広島は得点を奪えず。逆に前半終了間際に先制点を奪われてしまいました。後半にセットプレーから追いついたものの、2失点を喫して3-1で敗戦。相手の最終ラインの動きを見極められずにオフサイドにかかる場面も多く、攻撃の時間を増やすことができませんでした。
第13節は8/29(土)、ホームでベガルタ仙台と対戦します。
直近2試合で6失点と失点が多くなっているので、次節は相手を無失点に抑えてほしいです。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/8/27 21:24
オフサイドの指摘、鋭いです!横浜FMは13試合で62のオフサイドを奪っており、2位の湘南(12試合で36)を大きく引き離しています!1試合で9は今シーズンの最多記録ですね😲
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サンレノファン
2020/8/29 10:16
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!マリノスは相手をオフサイドにかける回数が非常に多いんですね。広島も見事にハマってしまったということですね...