直近4試合勝ちなしと苦しい状況のサンフレッチェ広島。
第14節は、8月5日のルヴァンカップ広島戦以降、1ヶ月勝利から遠ざかっている北海道コンサドーレ札幌と対戦しました。
札幌は3日前のルヴァンカップ準々決勝からスタメンを2人変更。1トップにはリーグ戦8試合ぶりのスタメンとなったジェイが入りました。一方、中6日での試合となった広島は前節から1人を変更し、青山敏弘がスタメンに復帰しました。
シュートに寄せきれず
序盤、主導権を握っていたのは札幌でした。ボランチに入った荒野拓馬が常にボールの近くに顔を出し、攻撃の組み立てに関わったりパス&ゴーで前線に飛び出したりと攻撃のリズムを作っていました。この試合、荒野は60分弱の出場となりましたが、63本のパスを記録。ヒートマップを見ると、ボールタッチの位置が広範囲に及んでいる事がわかります。
また、1トップのジェイはディフェンスラインと中盤の間にポジションを取ってパスを引き出したり、ロングボールを収めて自らシュートを放ったりするなど広島にとって厄介な存在になっていました。ジェイは試合を通して30本のパスを記録しており、実際に見ていてもジェイがボールに関わる回数が多いなという印象がありました。
荒野の運動量やジェイのキープ力を活かして攻めてくる札幌に苦戦し、広島は自陣に押し込まれる場面が多くなっていました。前半15分間で広島は4本のシュートを許しましたが(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=09&date=05)、いずれも相手に寄せ切れずシュートをブロックすることはできていませんでした。ペナルティエリア外からのシュートかつ枠外のシュートが多かったため失点とはなりませんでしたが、広島らしくない守備が目立ちました。
バースデーゴールならず
札幌に押されていた広島ですが、思わぬ形で先制点のチャンスを迎えました。
17分、ハイネルが札幌の最終ラインの背後にボールを送ります。反応したドウグラスヴィエイラがキムミンテと競り合いながら先にボールに触ると、ペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。この日、誕生日を迎えたハイネルがキッカーを務めましたが、ボールはポストを直撃し得点とはなりませんでした。
広島は直近4試合勝ちがなく、この試合も相手に押されていただけに先制点は非常に重要だったと思います。しかも、PKという大きなチャンスだっただけに決めておきたい場面でした。
菅VSハイネル
PKを決められず先制できなかった広島は再び札幌に主導権を握られてしまいました。前半だけで札幌に13本のシュートを打たれるなど(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=09&date=05)、札幌の攻撃を受ける時間が多かったです。そんな中、特に広島の右サイドの攻防が個人的に気になりました。
札幌と広島は共に3-4-2-1のシステムを採用しており、ウイングバック同士が1対1でマッチアップする形となります。前半、広島の右サイドの攻防は、札幌の左ウイングバック菅大輝が制していました。菅と広島の右ウイングバックハイネルのヒートマップを比較すると、敵陣でのボールタッチの回数や割合は菅の方が圧倒的に多くなっています。また、パス数やシュート数も大きな差がついており、菅とハイネルのマッチアップは菅に軍配が上がった事が明確だと思います。
ハイネルは菅のスピードに苦戦しており、カウンターからペナルティエリア近くまでボールを運ばれる場面が何度かありました。37分には、後ろから菅を倒してイエローカードをもらってしまい、それもあってか後半開始からベンチに下がることになってしまいました。試合当日が誕生日だったハイネルですが、PK失敗にイエローカード、前半のみの出場と悔しい結果になってしまいました。
後半立ち上がりの先制
札幌に攻め込まれながらも無失点で前半を終えた広島は、後半の立ち上がりに攻撃のギアを上げました。後半開始から3分間で2度相手のペナルティエリアに進入しチャンスを作ると、50分にクロスから先制点を奪いました。
右サイドから攻めた広島は相手にボールを取られますが、素早い切り替えから再びマイボールにします。ボールを回収した茶島雄介から中央のレアンドロペレイラ、左サイドの柏好文へとパスが繋がり、柏が右足でクロス。このボールにヴィエイラが合わせヘディングでゴールを決めました。
ヴィエイラはこの試合唯一のシュートが得点となりました。前半にはPKを獲得する場面もあり、ゴールに繋がるプレーは見せていたと思います。ただ、守備では高い位置をとった福森晃斗に寄せきれず、フリーでクロスを上げさせてしまうなど良くない対応がありました。シャドーで起用されている以上、サイドの守備は必須になるので、次節までに改善してほしいです。
決定機は作らせず
リードを奪った広島ですが、その後は札幌にボールを持たれる時間が長く続きました。ただ、ペナルティエリアに進入されることはほとんどなく、決定的なピンチを迎えることはありませんでした。キーパーの大迫敬介のスタッツを見ても、シュートこそ20本打たれましたが、エリア内シュートセーブは0本。ペナルティエリア外からのシュートや枠外シュートも多く、得点は与えませんでした。
札幌の攻撃を凌いだ広島は、90分に2点目を獲得。茶島のインターセプトから途中出場の浅野雄也がドリブルでペナルティエリアに進入し、相手を剥がして左足でシュートを放ちます。ニアサイドに放たれたシュートがゴールに決まり、広島が貴重な追加点を奪いました。
試合は0-2で終了。広島は完封で5試合ぶりの勝利を飾りました。
総括
広島は前半にPKを失敗しましたが、後半立ち上がりと終了間際に2得点を挙げました。札幌にボールを持たれる時間が多かったですが、得点は許さず。今季リーグ戦6試合目の完封で5試合ぶりの勝ち点3を掴みました。
第15節は9/9(水)、清水エスパルスとのホームゲームです。
次節も無失点に抑えて勝利してくれることを願っています。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/9/9 00:43
ジェイ選手のボールを収める力はさすがでしたね!
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サンレノファン
2020/9/9 15:12
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
個人的には、(途中交代にはなってしまいましたが)森島司選手のプレーにセンスを感じました!
森島はテクニックありますよね。今季から背番号10になったのでチームを引っ張る存在になってほしいです!