前節、今シーズン最多の5失点を喫したサンフレッチェ広島。
立て直しを図りたい第17節、広島はJ1得点ランキングトップのオルンガを擁する柏レイソルと対戦しました。
ホームの柏は第9節以来の出場となる山下達也をセンターバックに起用。今季16得点のオルンガは今節もスタメンに名を連ねました。一方、広島はチームトップの7ゴールを挙げているレアンドロペレイラを先発から外し、ドウグラスヴィエイラを最前線に配置。ゴールキーパーには第6節以来の出場となる林卓人が起用されました。
ワンツーから得点
9分、広島は幸先良く先制点を奪いました。
相手のライン間でパスを受けた浅野雄也が左サイドに運び、ウイングバックの柏好文に預けます。ペナルティエリア近くで相手と正対した柏好文は浅野とのワンツーから深い位置へ進入し、ゴールライン近くから左足でクロスを上げました。柔らかいクロスにヴィエイラが合わせ、相手の前でヘディングシュート。これがゴールに決まり、広島が先制に成功しました。
ヴィエイラはこの試合37本のパスを記録。バイタルエリアでボールをもらったり、サイドに流れてパスを受けたりするなど、様々なところでボールに関わっていました。後半途中からシャドーにポジションを変えた影響もありますが、ヒートマップ上のボールタッチは広範囲に及んでいます。
一方、シュートは試合を通して1本のみと、少し物足りない結果になってしまいました。ペナルティエリア内でのボールタッチも少なく、先制点以降はゴールに迫れませんでした。
シュートチャンスを作れず
この試合、先制点を得たのは広島でしたが、チャンスが多かったのは柏の方でした。
序盤にはオルンガや戸嶋祥郎がペナルティエリア内から際どいシュートを放つなど、広島ゴールを脅かしていました。また、20分には江坂任のスルーパスに抜け出した呉屋大翔がゴール前のオルンガにクロス。ボールはわずかに合わず、シュートには至りませんでしたが、前線の3人でチャンスを作り出しました。
41分には、広島がロングボールの処理を誤り佐々木翔とキーパーの林がペナルティエリア外で交錯。ボールを拾ったオルンガはすぐさま右足でゴールを狙いました。しかし、荒木隼人がゴール前に戻ってクリア。広島のミスからチャンスを得た柏でしたが、得点を決めることはできませんでした。
一方、広島は早い時間に先制したものの、その後はほとんどシュートを打てませんでした。前半を通して、広島のシュート数は2本のみ(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=09&date=19)。リードを広げることはできませんでした。
精度の高いワンタッチパス
1-0のまま迎えた前半アディショナルタイム、広島は同点に追いつかれてしまいました 。
広島は右サイドから攻撃していましたがパスミスからカウンターを受けます。ハーフウェーライン付近でパスを受けたオルンガがボールをキープし、サイドの江坂へパス。江坂(下図の黄10番)はワンタッチで北爪健吾(下図の13番)の前方に浮き球のパスを送ります。フリーでトラップした北爪は右足でシュート。低いライナー性のボールがゴール左に決まり、柏が同点に追いつきました。
柏の前線の選手たちに引っ張られる形で広島の守備陣は右サイドに集まってしまいました。特に呉屋(上図の黄19番)が中央からボールサイドに流れたことで佐々木(上図の紫19番)も右サイドに行かざるを得ず、中央には広島の選手が一人もいませんでした。江坂は大きなスペースを見逃さず、北爪の前方へ高精度なワンタッチパスを供給。最終ラインから上がってきていた北爪を広島は捕まえられず、シュートを決められてしまいました。
お互いにチャンスを決められず
前半シュート2本のみに終わった広島は、52分にレアンドロペレイラを投入し攻撃の活性化を図りました。しかし、なかなかシュートチャンスは増えず。逆に柏には前半同様、多くのチャンスを作られてしまいました。
54分、広島の右サイドでボールを持った呉屋にペナルティエリアへ進入されると、佐々木がドリブルについていけず突破を許してしまいます。呉屋が放ったシュートはキーパー林の横を抜け、ゴールへと向かっていきましたが、ゴールライン手前で柏好文がクリア。間一髪のところで失点は免れましたが、決定機を与えてしまいました。
その後もセットプレーの流れから北爪や江坂にシュートを許してしまいます。広島の選手に当たったボールはわずかに枠を外れたため、得点とはならず。ただ、勝ち越し点が生まれてもおかしくない場面でした。
一方の広島は75分以降、縦に速い攻撃でチャンスを迎えました。
78分には途中出場の東俊希のクロスにペレイラが合わせシュート。ヘディングで叩きつけたボールは枠を捉えましたが、キーパーのキムスンギュが弾き出しゴールとはなりませんでした。3分後にもペレイラにチャンスが訪れましたが、相手に寄せられたことで強いシュートは打てず。勝ち越し点を得ることはできませんでした。
アディショナルタイム
両チームともに2点目を取れないまま迎えた94分。柏に大きなチャンスが訪れました。
ペナルティエリア手前でパスを受けたオルンガがボールをキープし、サイドから中へ入ってきた戸嶋にパス。右足でトラップしペナルティエリアに進入した戸嶋はキーパーとの1対1を迎えました。しかし、シュートはキーパー林の正面に飛びゴールとはならず。こぼれ球を拾ったオルンガのシュートもディフェンスにブロックされ勝ち越し点とはなりませんでした。
広島は試合を通して多くのチャンスを柏に与えてしまいました。その中で前半アディショナルタイムに失点、後半アディショナルタイムには1対1のピンチと、終盤に大きなピンチを迎えました。第3節には85分以降の2失点で逆転負けを喫した試合もあり、終盤こそ集中して守る姿勢を今一度意識する必要があると思います。
総括
試合は1-1の引き分け。ただ、シュートやチャンスの数を考えると内容的には負けに近かったのかなと思います。広島は決してチャンスがなかった訳ではありませんでしたが、ラストパスのずれなどからシュートまで繋げられない場面が多かったです。
第18節は9/23(水)、アウェーで大分トリニータと対戦します。
前回の対戦では悔しい逆転負けを喫しているだけに、是非とも勝ち点3を掴んでほしいです。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/9/23 14:56
江坂選手のパス精度とシュートに絡む能力は、対戦相手からすると恐ろしいですよね…!
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サンレノファン
2020/9/23 17:47
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
オルンガ選手が抑えられたら自分で得点もするし、他の選手にもアシストしますし😮
アウェーでかなり攻められながらも勝点1を獲得したことを前向きに次戦に向かいましょう🆙
1点目のアシストや鋭い切り返しからのシュートなど、江坂の技術の高さを改めて実感しました。
勝ち点1を次戦の勝ち点3につなげてくれることを願っています。