直近8試合で3勝5分と負けなしながらも引き分けが多くなっているサンフレッチェ広島。

第31節ではアウェーでFC東京と対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

1週間前までカタールでACLを戦っていたFC東京は若手選手を多くスタメンに起用。11人中8人が23歳以下という布陣で臨みました。一方、中13日で今節を迎えた広島は主力選手を起用。ただ、チームトップの15得点を挙げているレアンドロペレイラは家庭の事情により帰国したため(参考:https://www.sanfrecce.co.jp/news/team/3378)、欠場となりました。


シュート13本

前半は広島がゴールに迫る場面が多くありました。

3分には、フリーキックの流れからドウグラスヴィエイラがヘディングシュート。シュートは枠を捉えていましたが、キーパーの波多野豪が左手でセーブしたため得点とはなりませんでした。

また、15分、23分にもペナルティエリア内でのシュートチャンスがヴィエイラに訪れました。どちらのシーンも、バイタルエリアで縦パスを受けたヴィエイラが右サイドに展開し、クロスからシュートを放つというものでした。縦パスが入ってからの流れは非常にスムーズであり、ヴィエイラのシュートもしっかりと枠を捉えていました。しかし、相手ディフェンダーやキーパーに阻まれ、肝心のゴールを決めることはできませんでした。

    攻撃スタッツ - ドウグラス ヴィエイラ ヒートマップ - ドウグラス ヴィエイラ

前半から何度もチャンスを迎えていたヴィエイラは、最終的に両チーム最多となる6本のシュート&5本の枠内シュートを記録しました。しかし、最後までゴールを挙げることはできず。最前線の選手に求められる得点という結果を残すことはできませんでした。

広島は序盤からFC東京を押し込み、前半だけで13本ものシュートを放ちました(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=12&date=12)。また、シュートには至らなかった場面でも、クロスボールと中の選手の動きが合っていれば決定機となりそうなシーンが何度もありました。広島は多くのチャンスを作りましたが、前半は無得点。0-0での折り返しとなりました。


お互いにチャンス

後半に入っても広島が試合の主導権を握り続け、FC東京を押し込んでいました。

54分、セカンドボールに反応した青山敏弘がワンタッチで左サイドの東俊希へパス。東は左足で強烈なシュートを放ち、ゴールを脅かしました。57分には、交代で右ウイングバックに入った柏好文からのボールをファーサイドの東が折り返し、ヴィエイラがシュート。さらに、63分には東のクロスから柏がシュートを放ちました。しかし、どちらの場面でもFC東京の選手が体を寄せてブロック。前半同様、広島は両サイドからチャンスを作っていましたが、ゴールを決めることはできませんでした。

一方、守備の時間が長かったFC東京はカウンターから決定機を創出しました。自陣で広島のパスをカットすると、途中出場の紺野和也がペナルティエリア手前までドリブルで運びます。紺野は右サイドを上がってきた中村拓海にパスを送ると、中村拓海はダイレクトで中央の三田啓貴へ折り返し。フリーとなっていた三田は右足で強烈なシュートを放ちました。しかし、広島のキーパー林卓人がしっかりと反応し、左手でスーパーセーブ。FC東京は鋭いカウンターから広島ゴールに迫りましたが、得点とはなりませんでした。


先制点

今季、広島はリーグ戦12試合で先制されていますが、逆転で勝利した試合は0。一方、先制した17試合では一度しか負けておらず、先制点が大きく勝敗を左右しています。この試合では前半からFC東京ゴールに迫り、先制するチャンスを多く作りました。ただ、得点を挙げることができずに時間が経過。すると、65分にFC東京に先制点を決められてしまいました。

FC東京は右サイドでボールを持った紺野がペナルティエリア内にループパスを供給。飛び出した内田宅哉が深い位置に進入すると、内田→三田→中村帆高とボールが渡ります。中村帆高はトラップして左足でシュート。ボールはニアハイを打ち抜き、ゴールネットを揺らしました。

    攻撃スタッツ - 中村 帆高 ヒートマップ - 中村 帆高

広島はペナルティエリア内で自由にパスを繋がせてしまい、失点を喫してしまいました。これで広島は3試合連続で先制点を献上。逆転勝利のない広島にとっては痛い一点となってしまいました。


交代

その後、広島は失点前と変わらずクロスを中心に攻めていきました。しかし、シンプルなクロスが多めだったこともあってか、ゴール前でことごとく跳ね返されてしまいました。ラスト15分に至っては広島が放ったシュートは1本のみ(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=12&date=12)。シュートを放つことすらできず、無得点での敗戦となりました。

この試合、広島が使用した交代カードは2枚のみ。ビハインドとなった65分以降は中盤の柴崎晃誠を投入しただけとなりました。上述したように広島のトップスコアラーであるペレイラは帰国。永井龍・エゼキエウはともに怪我をしているという情報もあり、ベンチ外となっていました。その結果、ベンチ入りメンバーで今季得点を挙げている選手は、55分に投入された柏ただ一人。もちろん、得点を決める選手だけが必要な訳ではないですが、前線に入ってゴールを狙える選手がいなかったことは事実だと思います。

FC東京は58分にピッチに入った紺野がドリブルやパスでチームに勢いをもたらし、鋭いカウンターや得点に貢献。さらに終盤には守備でもチームに貢献していました。広島とは対照的にFC東京は交代策がハマり、勝利の大きな要因となったと思います。

    攻撃スタッツ - 紺野 和也 ヒートマップ - 紺野 和也


総括

基本スタッツ

広島は前半から多くのチャンスを作り、試合を通して21本ものシュートを放ちました。しかし、ペレイラ不在の影響もあってか無得点。後半にゴールを許し、1-0での敗戦となりました。


次戦、広島はホームで柏レイソルと対戦します。

今季のホーム最終戦なので、必ず勝ち点3を取ってほしいです。