【J1】前半戦の戦いを振り返ってみよう!
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開幕からリーグ戦8試合負けなしだったものの、その後は6試合勝ちなしと苦しんでいるサンフレッチェ広島

前倒し開催となった第20節では、今季1勝と苦しんでいるガンバ大阪と対戦しました。


スタメン

フォーメーション図  フォーメーション図

両チームともに4-4-2のミラーゲームとなりました。お互いに直近の試合からは4人を変更。ガンバは広島にも在籍していたパトリックを前線に起用しました。一方の広島は藤井智也がリーグ戦で初めて左サイドバックに入りました。


スタッツ

基本スタッツ

無観客開催となったこの試合は広島が1点差で勝利。広島はリーグ戦1ヶ月ぶりの勝ち点3を獲得しました。

ガンバ・広島ともにセットプレーの回数が多く、両チーム合わせてコーナーキックは14本、フリーキックに至っては32本を記録。ガンバはコーナーキックから、広島はフリーキックから1点ずつ決めました。また、ガンバのコーナーキック後のカウンターで広島が決勝点を挙げており、全得点がセットプレー絡みとなりました。

ゴール期待値

ゴール期待値ではガンバがわずかに上回る結果となっています。前半だけで見ると広島の方がゴール期待値が高いですが、スコアは1-1での折り返し。一方、後半は立ち上がりにパトリックがビッグチャンスを迎えた影響もあり、ガンバが1近くゴール期待値を積み上げました。ただ、後半に得点を入れたのはガンバではなく広島という結果になりました。


1点目に繋がる仕掛け

広島の1点目は左サイドでのフリーキックから森島司が蹴ったボールに佐々木翔が頭で合わせたゴール。そして2点目は相手のコーナーキックをクリアしたところから柏好文→ジュニオールサントス→川辺駿と素早く繋いで川辺が決めたゴールでした。

セットプレーとカウンターからのゴールということで、どうしてもチーム戦術というよりかは個人の技術・判断の重要度が大きいと思います。1点目であれば森島のキックの質と佐々木のヘディング技術、2点目であればサントスのアウトサイドでのラストパスの正確性や川辺のシュート技術などが該当します。

私が各選手のアシストやゴールについて焦点を当てたところで、「キックの質が素晴らしかった」、「シュートコースが良かった」というような感想しか書けません。なので、今回は両方のゴールに間接的に関わった藤井の動きに着目して少しだけ分析っぽいことを書いてみたいと思います。

攻撃スタッツ - 藤井 智也  ヒートマップ - 藤井 智也

まず、1点目についてはフリーキックを獲得する前の仕掛けです。右サイドでパスを繋いでいた広島は中盤を経由し、佐々木から左サイドの藤井へボールが渡ります。この時、ガンバの右サイドハーフ矢島慎也が寄せてきましたが、藤井はワンタッチ目で縦へ持ち出し、矢島の前へ出ます。ペナルティエリア角付近までドリブルすると、今度はサイドバックの奥野耕平とのマッチアップで縦方向に運び、深い位置から左足でクロスを上げました。クロスに合わせたサントスのシュートは東口に防がれてしまいましたが、相手のクリアを拾ったハイネルがファウルをもらい1点目に繋がるフリーキックを獲得しました。

パスをもらってから素早く縦に持ち出したことで矢島を剥がし、ゴールライン近くまで運んでからクロスを上げたことでガンバの選手たちを下げさせることができました。その結果、クリアを拾ったハイネルに対して最初に寄せたのが戻りながらの守備となったパトリックとなりました。本来であれば矢島も寄せた方が良い位置だったのですが、背後の藤井を気にするそぶりを見せておりパトリックに対応を任せていました。

藤井の積極的な仕掛けにより、「ガンバの4-4のラインを下げる」、「矢島が藤井を意識してしまいハイネルに寄せられない」、「戻りながらの守備となったパトリックがハイネルを倒す」といったことが起こり、広島のフリーキックが生まれました。


2点目に繋がるランニング

続いて、2点目に繋がった相手を引きつけるランニングについて書いていきたいと思います。

コーナーキックのクリアボールを自陣ペナルティエリア付近で柏が拾った瞬間、藤井は柏の左横にいました。そこからやや右斜め前方へ走り出し、カウンター対応の奥野を一瞬引きつけます。この動きの間にサントスが奥野の背中側である左サイドへ走り、柏からのパスを受けます。サントスにパスが出ると、藤井はトップスピードのまま今度は左斜め前へ走ります。この動きによって最後方にいた黒川を中央から左(ボールサイド)へ動かします。その結果、黒川の背中側、すなわち広島から見てピッチの右半分にはガンバの選手がいなくなり、そこへ川辺が飛び出していきました。川辺はサントスからのアウトサイドのパスをシュートが打ちやすい場所へ置き、キーパーの届かないゴール上側へシュートを突き刺しました。

2点目に関しては藤井は一切ボールに触っていません。ただ、カウンターの先陣をきって前へスプリントしたことで相手選手を引きつけ、サントスや川辺がパスを受けられるスペースを作り出しました。川辺がシュートを打つ際にもこぼれ球に詰める動きを見せていましたし、素晴らしいオフ・ザ・ボールの動きだったと思います。走行距離・スプリント回数

藤井はチームダントツトップとなる40回以上のスプリント数を記録。持ち味のスピードを存分に発揮してくれたと思います。

また、慣れない左サイドバックでの出場でしたが、守備もそつなくこなしていたように見えました。タックルは4回中3回成功し、ブロックやこぼれ球奪取も複数回記録。出足の素早い寄せからインターセプトする場面もあり、今後が楽しみになる内容だったと思います。

守備スタッツ - 藤井 智也


最後に

今回は完全に藤井特集のようになってしまいました笑 贔屓目で見ている部分も大いにあるかとは思いますが、この試合は非常に良いプレーを見せていたと思います。次戦以降も攻守両面で活躍を期待したいです。