直近の3試合で2勝1敗と調子が上向いているレノファ山口FC

第14節では、ホームでSC相模原と対戦しました。


スタメン

フォーメーション図  フォーメーション図

両チームともに前節からの変更は一人のみ。山口は右ウイングバックに川井歩、一方の相模原は川崎裕大を3バックの一角に起用しました。


スタッツ

基本スタッツ

試合は山口が1-0で勝利。PK数を除く全ての項目で山口が上回っており、特にシュート数では10本もの差がついています。

山口はホームゲームでは3試合ぶりの勝ち点3を獲得。今シーズン初の連勝を達成しました。

なお、無失点試合はこれで今季7試合目。シーズンの1/3の段階ではやくも昨年の無失点試合数に並びました(昨シーズンが失点しすぎていたのはもちろんありますが笑)。

ゴール期待値

ゴール期待値でも実際のスコアと同じような差がついています。前半は両チームともに決定的なシュートチャンスがなく、低い値で折り返し。ただ、後半は山口が52分にコーナーキックからゴールに迫るなど、10本以上のシュートを放ちゴール期待値を上積みしました。

決勝点を挙げたのは途中出場の澤井直人。前節から左サイドでプレーしていた澤井が右サイドからのクロスに頭で合わせ、自らの第一子誕生を祝う山口加入後初ゴールを決めました(澤井選手、第一子誕生おめでとうございます🎉)。


攻撃的だった石川啓人

山口は序盤からサイドで人数をかけて攻めていましたが、3バックのヘナンと石川啓人が積極的に前へ出ていく場面が複数見られました。

攻撃スタッツ - ヘナン   ヒートマップ - ヘナン

攻撃スタッツ - 石川 啓人   ヒートマップ - 石川 啓人

ヘナンは回数こそ少なかったですが、13分にはインナーラップで相手のセンターバックを引きつけてペナルティエリア内のスペースを空ける動きをしたり、18分には自陣から持ち出して高木大輔とのパス交換からクロスを供給したりしていました。

また、石川に至っては試合を通して何度も高い位置を取っていました。11分には流れの中からボールホルダーを追い越してペナルティエリア内まで上がっていき、相模原の左ウイングバックの背後でパスを要求。また、28分にはパスを出した後にペナルティエリア内のスペースへ飛び出し、ボールを受けようとしていました。いずれも石川へのパスが相手にカットされてしまいましたが、通っていればチャンスになるシーンだったと思います。

基本的に相模原は守備時に5-3-2の形でややリトリート気味に守っていました。そのため、山口の最終ラインは比較的余裕を持ってボールを回すことができていました。また、3バック+ボランチ1枚の4選手に対して、相模原の2トップはボランチすなわち中央のケアを優先していたため、サイドのヘナンや石川は前にスペースがある状態でボールを持つ場面が多かったです。その際に前へ持ち出して相手の中盤を引きつけたり、インナーラップからスペースを狙ったりという動きを見せることで攻撃に厚みを出せていたと思います。

時間帯別パスネットワーク図

時間帯別パスネットワーク図を見ると、「前半0分 - 前半15分」や「後半0分 - 後半15分」の時間帯において特に石川(44番)の平均ポジションが高いことが確認できます。

石川は最終ラインの選手ながらシュート3本にクロス4本を記録。何度もペナルティエリア近くで攻撃に絡んでいました。また、得点シーンではタッチライン際で縦へのドリブルを見せて、相手2選手を引きつけてから川井へヒールパスを送ったことで、川井がフリーでクロスを上げられる状況を作り出していました。前半から積極的に高い位置まで出ていた石川のプレーが決勝点に繋がったと思います。


カウンターに繋がるロスト

守備では今季7試合目のクリーンシートを達成した山口でしたが、前半はボールロストから相模原の鋭いカウンターを受けるシーンが何度かありました。

20分には自陣で相手にボールを奪われる場面が2度も発生。特に1度目はハーフウェーライン付近でインターセプトされたボールを直接前線の平松宗へつけられ、平松からのパスを受けた藤本淳吾にシュートを許してしまいました。

また、25分にもヘナンからのパスを前向きにインターセプトされ、速攻を受ける形に。このシーンでも、藤本に左足を振り抜かれ、あわやという場面を作ってしまいました。

攻撃スタッツ - 藤本 淳吾   ヒートマップ - 藤本 淳吾

どちらのシュートもキーパーの関憲太郎が防いでくれたため助かりましたが、反省しなければならないボールロストだったと思います。このシーン以外にも、雨中でのゲームという影響もあってかボールコントロールの細かいミスでロストする場面が何度かありました。

もちろん、ミスをゼロにすることは非常に難しいと思いますが、ミスをする場所やボールの失い方などには気をつけてほしいです。若い選手が多いチームですし、試合でたくさん経験しながらリスクを冒していい場面かどうかを正しく判断できるように成長していってほしいです。


最後に

試合終盤はかなり強い雨が降っていましたが、最後まで全員が集中しているように感じました。それだけ、チームとして2連勝に懸ける想いが強かったのだと思います。この勢いを継続してどんどん勝ち点を伸ばしていってほしいです。