ついにJ2が再開!


今回は、個人的に今年のJ2で一番注目している新潟のレビューをしたいと思います!

まずは試合のスタッツから。

基本スタッツ

新潟が先制→甲府が逆転→新潟が逆転→甲府が追いつく

という、スペクタクル(?)な展開となりましたが、新潟はアルベルト監督が就任して去年と比べてスタイルが変わりましたね。


◎新潟のスタイルの変化


こちらは、2019年と2020年の1試合平均スタッツを比較した数字です。

左が2019年、右が2020年です。

引用元:FootballLAB

https://www.football-lab.jp/niig/?year=2019

https://www.football-lab.jp/niig/

2020年はまだ2試合だけなので、主観も込みですが、新潟はパスを増やしてボール支配率を上げて、試合の支配力を上げようとしているように見えますね。

左右を比較すると、ボール支配率は約7%、パスは約65本増えています。

実際、ゴールキーパーを使ってビルドアップするシーンも多く見られました。


◎レオナルドの穴を埋められるか?


今シーズンの焦点は何と言っても昨年のJ2得点王であるレオナルド選手(現・浦和)の穴を埋められるかだと思っていたのですが、開幕からの2試合を見る限り、問題無さそうだと感じました。

今年は2試合連続3得点と出来すぎ(?)のスタートですが、昨年の1試合平均得点1.6(リーグ2位)に勝るとも劣らない攻撃力が期待できると思います。

その理由は、まずこの試合でMVP級の活躍をした渡邉選手。

攻撃スタッツ - 渡邉 新太

去年はサイドアタッカーのイメージが強かったのですが、中央でここまで出来るとは…(失礼!)という嬉しい驚きがありました。

引用元:FootballLAB

https://www.football-lab.jp/player/1503340/?year=2019

裏抜けや前線からのチェイシングもしっかりしていて、左サイドに流れてからの動きもスムーズですね。

そして、新加入のファビオ選手。攻撃スタッツ - ファビオ

いや、この選手の潜在能力は凄い感じがしますね。日本の環境にフィットして、(チームの)ゲーム支配力がアップしたら、かなり得点を量産しそう。

2トップを組む渡邊選手の裏抜けと、この選手のポストプレー(特にビルドアップが詰まった時のロングボールを収めてくれるのが大きい)の相性はかなり良いと思います。


◎ビルドアップでの課題


ビルドアップのところでは、キーパーを使っているので事故のような失点はシーズン中に必ず発生すると思います。とはいえ、そこは必ず発生するリスクなので、キーパーを使うことで生まれる利点と併せてプラマイゼロ以上になればいいのかなと。

甲府戦を見た限りでは、CBの田上選手が左サイドでボールを持った時に、手詰まりになっている印象を受けました。これは個人の立ち位置やスキルだけの問題では無く(それもあるのかもしれませんが)、前線の動き出しなど選択肢が少なくなっている感じがあります。

フォーメーション図

甲府戦では左サイドからの効果的な攻撃はあまり見られず、右サイドからが多かったですね。実際に右サイドの新井選手は、高い位置でボールに触れていて、クロスも7本入れています。

攻撃スタッツ - 新井 直人

ヒートマップ - 新井 直人

一方、こちらは堀米選手。

ヒートマップ - 堀米 悠斗

堀米選手の本来の能力的にはこんなものではないと確信しているので、左サイドの連携を高めることが、これからの結果にも影響するのではないかと思いました!


◎守備力…というよりは、クロスを上げられる前の守り方


そして、最大の課題である守備。

3失点したから言うわけではありませんが、まず取られ方が悪すぎますね。

1失点目は仕方ないとして、2失点目は1失点目の直後&ミスパスから、3失点目は終了間際のパワープレー(ロングスロー)から。

今年は交代枠が多いので、終了間際の得点は多くなりそうな気がしますが、こういう勝ち点を落とす取られ方はやはりいただけないですね。

ただ、失点シーンよりも気になったのは、クロスに対する守備、それもクロスを上げられる前の守り方。特に、

  1. 12分10秒頃(前半)に右サイドからクロスを入れられたシーン
  2. 53分15秒頃(後半)に左サイドからクロスを入れられたシーン

の2つです。

なるべく最終ラインを整えて待ち受けるというスタンスなのかもしれませんが、サイド(のあまり深くない位置)でボールを持たれたときに、WBの選手のクロスを上げる選手に対するプレッシャーが無いor極端に遅いため、簡単にアーリー気味に入れられてしまっています。

さらに、その際に相手選手は中に3人来ているので、結局ゴール前は3対3になっている…そんな所にフリーでクロスを入れられてしまうのは非常に怖い。

逆にここをWB以外の選手がフォローに行くようだと、クロスボールをクリアしても拾う選手がおらず波状攻撃に繋がってしまう形になるので、アーリークロスを入れられる位置でボールを持たれるときの守備については、早急な改善を期待したいところです。

頑張れアルビレックス新潟!