仙台は苦しい4連敗に

 J1第6節の2日目。FC東京はホームでベガルタ仙台を相手に2-1と逆転勝利を収め、今季初の連勝を飾った。一方の仙台はセットプレーからの先制点を活かすことができず、4連敗となり、降格圏脱出とはならなかった。


両チームの先発メンバー

フォーメーション図フォーメーション図

 

集中した入りを見せた仙台

 3連敗中の仙台はこの期間早い時間帯での失点によりバランスを崩して失点を重ねて敗れるという展開が続いていた。この日は前節の湘南ベルマーレ戦同様に3バックの布陣を採用し、守備時にはウイングバックを最終ラインに下げて5バック気味に守ることでカウンターを得点パターンとするFC東京の攻撃陣に自由を与えず、集中した入りを見せた。そして攻撃時には右シャドーのマルティノスのキープ力と突破力を活かして攻めに出た。

 そして24分、マルティノスの突破からコーナーキックを獲得すると、上原力也のクロスを蜂須賀孝治がダイビングヘッドで合わせて先制点を奪った。FC東京にとってはマークについていた渡辺剛が足を滑らせてフリーにしてしまうというアンラッキーな形ではあるが、仙台にとっては狙い通りの形で得た先制点といえるだろう。


流れを一変させたゴラッソ

 FC東京は仙台のブロックを崩すことができず、攻めあぐねる展開が続いたまま先制点を許し、飲水タイムを迎える形となった。苦しい展開となった中、そんな流れを一変させたのはU-24日本代表に選出された田川亨介だ。26分、アンカーのポジションで起用された森重真人とのワンツーで敵陣に侵入すると得意の左足を振り抜く。強烈なシュートは仙台の名手ヤクブ・スウォビィクも防ぐことができず、ゴールネットに吸い込まれた。

 このゴールで目を覚ましたFC東京は43分、東慶悟のパスを受けたディエゴ・オリヴェイラがシマオ・マテを股抜きで交わすとエリア内で冷静にコントロールショットを沈めて逆転に成功した。苦しい展開となったFC東京だが、スーパーゴールをきっかけに盛り返してリードして前半を終えることに成功した。


圧力を強めた仙台とカウンターでゴールに迫ったFC東京

 後半は追いかける展開となった仙台が攻撃的に出たことでFC東京はアダイウトンら前線のスピードを活かしてカウンターで追加点を狙った。55分にはドリブルでエリア内に侵入したアダイウトンがシュートを放つも枠を捉えることができず。71分にはアダイウトンに替えて永井謙佑を投入してスピードで仙台の最終ラインにプレッシャーをかけ続けた。

 一方の仙台はFC東京の堅い守備を攻略することができず。赤崎秀平や皆川佑介を途中投入してゴール前の人数を増やして攻めに出たものの、FC東京は森重真人をアンカーのポジションで起用されていたことで、ジョアン・オマリや渡辺剛と競り合いの強いセンターバックが3人揃っていたことで決定的なチャンスを作らせなかった。それでも仙台は後半アディショナルタイムにマルティノスのコーナーキックに途中出場の加藤千尋がフリーで合わせる決定機を作った。しかしゴールラインギリギリでディエゴ・オリヴェイラがブロック。全員で集中した守りを見せたFC東京がリードを守り切ることに成功した。

 今季初の連勝を飾ったFC東京はこの勝利で暫定6位に浮上。上位争いに食い込むことに成功した形となった。一方の仙台は開幕戦のサンフレッチェ広島戦で引き分けてから苦しい4連敗に。両チームの狙いが出た一戦はFC東京が自力を見せつける結果となった。