直近5試合を3勝2分・失点2と守備が安定している横浜FMに対して、3敗2分・失点11と監督交代後もイマイチ波に乗れない横浜FCの横浜ダービー。

前節までの対戦成績

結果は5-0で横浜FMの勝利と直近5試合の両チームの成績を如実に表したものとなりましたが、試合のレビューを行う前にハイライトをご覧下さい。

ハイライト|J1リーグ第11節|vs横浜FC - YouTube

それでは、さっそく基本情報を確認していきましょう。

フォーメーション図フォーメーション図

基本スタッツゴール期待値

横浜FMは4-3-3、横浜FCは4-4-2と両チームとも使い慣れているフォーメーションでスタート。流動的に人・ボールを動かしながらポゼッションする横浜FMに対し、ブロック守備からロングボール・クロスを中心に相手ゴールを迫る横浜FCという両者と持ち味を生かせる試合展開にはなったものの、その結果には大きな差がありました。

その差を生んだのは紛れもなくポケットへのランニングでした。これは両チームのエリア間パス図に顕著に表れています。

エリア間パス図エリア間パス図

敵陣サイド中央に侵入してから最終的にポケットに侵入するようにパスが出されている横浜FMに対して、ポケットへのランニングが少ないために敵陣サイド中央に侵入しても前へのベクトルがほとんど無い横浜FC。横浜FMの1・3・4点目いずれもポケットへのランニングが見られるように5点差という大きな差はこれによって生まれました。


では、ここからは横浜FM(自分がファンなので笑)の分析を行っていきます。


まずは攻撃面について。

ゴール期待値3.84(5点目のゴール期待が何故こんなに低いのかは個人的に気になりますが笑)に対して5点取った攻撃陣の決定力は称賛されるべきだし、何といっても60~75分の相手の猛攻を凌ぎ切った直後に3点目をしっかり決めて試合を決定づけたことが大きかったです。

さらに今回の試合に限ったことではありませんが、前述のようにポケットへのランニングを積極的に行えた結果として5得点に結びついたと思います。しっかりポケットへランニングすることで同サイドのSB・CBを引き付け、クロスを上げたときに中央で数的同数を作れているシーンも何度もありチームとしての成熟度が伺えました。

ただ、後半開始直後のような敵に押し込まられた状態の時の対策・ボール保持の時に中央でのポジションや走るコースが被っているなど改善点は多くあるので5得点で慢心してはいられません。


そして、守備面について。

今日のクリーンシート立役者は何と言っても高岳でしょう。GKスタッツ - 高丘 陽平

あまり実況解説には触れてもらえていませんでしたが、60~75分の攻勢に回られていた時間帯において1点取られたら試合展開がガラッと変わってしまいそうな中でファインセーブを連発したのは、ここ最近の彼の充実ぶりをよく表していました。

無失点では終えたものの、ゴール期待値1.11を叩き出されたのには大きな理由がありました。それは、ネガティブトランジションの時のポジションニングです。

SBが中央に入り込んで攻撃参加するという特性上、ネガティブトランジションの瞬間にCBの左右に大きなスペースが開いてしまいます。畠中とチアゴマルチンスのカバー能力で一次攻撃は抑え込めているものの、相手の2列目が飛び出したときには対応が後手になってしまっていました。前述の通り横浜FCはその回数が少なかったために助かりましたが、しっかりカウンターが整備されているチームと対戦する時のために対策は講じなければいけません。

右サイドでは小池が比較的重心が低め&喜田が帰陣してカバーしてくれることによって補完関係がある程度できていました。

それでも試合序盤は中央に放り込まれるボールに対してチアゴマルチンスがクレーベに上手く対応できず、セカンドボールから左サイド深くに攻め込まれるシーンが何度かありました。

ヒートマップ - 小池 龍太ヒートマップ - 喜田 拓也

しかし、それよりも不安が残るのは左サイドです。ティーラトンの重心が高い上に扇原も積極的に飛び出すことでお互いにカバーが出来ず、ロングボール1本で自陣右サイドに侵入されてしまうシーンが何度もありました。畠中・高岳のお陰で辛うじて耐えたものの早急の修正が求められます。

ヒートマップ - ティーラトンヒートマップ - 扇原 貴宏


ここまで修正点を中心につらつら書き述べてきました、結果としては5-0と大満足のいくものでした。この修正点だけしっかり押さえて次節のFC東京戦に臨んで欲しいと思います。

(既に試合は終わっており、3-0で勝利しました。なんなら何故かブログも先に書き終わっているので是非ご覧下さい笑)


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