前節大量得点で勝利した神戸と大量失点で敗戦した湘南というチーム状況が対極である両チームの対戦となった今節

神戸は

4-4-2(ダイヤモンド型)

フォーメーション図

湘南は

3-1-4-2

フォーメーション図

というスターティングメンバーになった。


前半飲水タイム前

試合開始直後から湘南は強みでもある前線からのプレスで高い位置からボールを奪いに行くが神戸のサンペール選手が上手くビルドアップに参加しそのプレスをかわす。

湘南はプレスに人数をかけているため中盤のスペースが空き、そこをイニエスタ選手が見逃さず、フリーでボールを受け、そこから攻撃を仕掛ける場面が増える。

対する湘南はボールを奪えば前線のキープ力のあるウェリントン選手めがけてボールを蹴り、そこからの二列目の選手の飛び出しから攻撃を仕掛ける。

しかし神戸がボールを持つ時間が長く、主導権は神戸が握りながら試合は進んでいった。

神戸優勢が続いていた前半11分神戸は自陣でのパスを湘南の選手にカットされ、ショートカウンターを仕掛けられ、抜け出したタリク選手がキーパーと1対1となり、ループシュートを放ちキーパーの前川選手がさわったがボールはゴールに吸い込まれ、劣勢が続いた湘南が先制点をあげた。

攻撃スタッツ - タリク

湘南の得点後も神戸が再び主導権を握るためにボールキープしながら攻撃チャンスを伺うが湘南の中盤のラインがパスコースを遮断し、神戸のやりたい攻撃させない。

しかし前半16分に湘南の得点シーンと同様に湘南のパスをカットしたボールがサンペール選手にわたり、その瞬間に動き出した古橋選手へとロングスルーパスを通し、そのパスを古橋選手が決め、神戸はすぐさま同点とした。

攻撃スタッツ - 古橋 亨梧

得点後も神戸はすぐさまボールを奪い、これまでと同様にサンペール選手やイニエスタ選手から前線の古橋選手・ドウグラス選手・郷家選手に対してパスを供給し、追加点を狙うがゴールを奪うシーンは見られず同点のまま飲水タイムを迎えた。

前半飲水タイム後

飲水タイム後の湘南は飲水タイム前よりも前線のウェリントン選手に対してボールを蹴り、そのセカンドボールを狙って攻撃を仕掛けるが神戸の菊池選手が空中戦に競り勝ち湘南は思うように攻撃ができない。

守備スタッツ - 菊池 流帆

一方の神戸は飲水タイム前と同様にサンペール選手・イニエスタ選手を中心にボールを保持し、湘南はこの2選手を抑えることができず、前線の選手にパスを通されるが身体を張った守備で最後のところでシュートは打たせない。

神戸が優勢でゲームが進んでいくが前半41分にトラブルが発生する。

これまでサンペール選手とともにチームの攻撃をけん引してきたイニエスタ選手が怪我により後退を余儀なくされてしまう。

そのため神戸はイニエスタ選手に変えて中坂選手を投入する。

この交代により構成の局面が変わるかに思えたが、前半のアディショナルタイムに中盤の競り合いからボールを奪った山口選手からサイドに流れたドウグラス選手にパスを出し、そのドウグラス選手からクロスそこにパスを供給した山口選手がゴール前に飛び込み、勝ち越し弾となった。

攻撃スタッツ - 山口 蛍

その後の残り少ないアディショナルタイムは湘南が攻撃を仕掛けるが攻撃を仕掛け続け、再三シュートを放つがキーパーの前川選手や神戸のDF陣がゴールを許さない。

同点弾が生まれることはなく前半終了となった。


後半飲水タイム前

後半のスタートから両チーム選手交代があり、

神戸は前半湘南の攻撃のキーマンであるウェリントン選手と競り合い続けていた守備のかなめである菊池選手にトラブルが発生し、山川選手が交代で入る。

一方の湘南も先制点を挙げたタリク選手に変えて池田選手が入る。

神戸は前半同様にボール保持からの攻撃だが、対する湘南はウェリントン選手にボール奪取後すぐにパスをするのではなく、一度サイドの選手を経由してウェリントン選手という攻撃が増える。

神戸は前半にイニエスタ選手が退いたがサンペール選手と山口選手などを中心に前線の選手にパスを供給する。

湘南は前半から変えた攻撃が機能し、再三セットプレーを獲得するが神戸はプレスキックを交代で入った山川選手や小林選手・キーパーの前川選手がすべてはじき返し、シュートを放つことができない。

神戸にとっては守備の時間が長くなり、苦しい時間が続く中で再びトラブルが発生し、後半60分に前川選手が負傷をし、飯倉選手が急遽投入される。

しかしその投入直後の湘南のロングスローからのこぼれ球を左サイドで回収した古橋選手が持ち上がり、中央に早めに入れる。

中央で待っていたのはイニエスタ選手と交代で入った中坂選手でボレーシュートを蹴りこみ追加点となった。

攻撃スタッツ - 中坂 勇哉

神戸はトラブルにより入った中坂選手から得点が生まれ、重くなっていたチームの雰囲気を変わるきっかけとなった。

その後神戸が再びボールを保持する展開となり、神戸が優勢のまま後半の飲水タイムを迎える。


後半飲水タイム後

飲水タイムが明けても神戸がボール保持をし、攻勢を強める。

そんな状況を変えるべく湘南は後半69分に2人の選手を交代。

その後73分に高い位置からボールを奪った湘南は中央のウェリントン選手にクロスを入れ、フリーでシュートを放つが代わって入った飯倉選手がセーブを見せる。

GKスタッツ - 飯倉 大樹

交代選手が活躍し始めた後半74分神戸に再びアクシデントが発生する。

郷家選手が接触プレーにより交代を余儀なくされ、そのタイミングで2枚替えを行い負傷した郷家選手・ドウグラス選手に変えて増山選手・藤本選手を投入した。

その後すぐに湘南も2枚替えを行い、さらなる攻撃の活性化を狙う。

湘南は前からのプレスに人数をかけるが、高い位置でボールを奪うことができないが中盤のところでボールを奪い、サイドの選手にボールを供給し、そこから攻撃を仕掛ける。

後半80分にはウェリントン・ジュニオール選手がシュートを放つがこれも飯倉選手がセーブをする。

その後も湘南は交代で入った畑選手を中心に攻撃を仕掛けるようとするが

攻撃スタッツ - 畑 大雅

これも交代で入った山川選手が突破を許さない。

守備スタッツ - 山川 哲史

湘南は流れの中でセットプレーを獲得し、シュートで終わるシーンが増えるがゴールを奪うことができない。

神戸は攻撃の際リスクを冒すことなく時間を使いながらチャンスを伺う。

湘南も何とか追いつくためボールを奪い、左サイドとウェリントンを中心としたセットプレーなどで神戸のゴールを狙いに行くが飯倉選手が何度もセーブを見せ、ゴールを許さない。

後半アディショナルタイムにはいり神戸はボール回しで時間をうまく使い、湘南はボールを奪うことができずそのまま試合終了となった。


まとめ

神戸は今節5枚の交代カードをすべて使ったがそのうちの4枚をけがによる交代で戦術的な交代はあまりできなかったと考えられる。

しかし神戸の交代選手たちの多くが勝利に貢献をした。

3点目を取った中坂選手

攻撃スタッツ - 中坂 勇哉

相手の攻撃の中心選手に仕事をさせなかった山川選手

攻撃スタッツ - 山川 哲史

何度もスーパーセーブを見せた飯倉選手

GKスタッツ - 飯倉 大樹

この選手層の厚さこそが現在の順位に位置付ける要因の1つとなっているだろう。

交代選手にこれだけの活躍を見せることができる選手たちが揃っていれば神戸が誇る外国人選手特にイニエスタ選手を交代選手のオプションとして使うという選択肢を取ることができる。

今シーズン三浦監督の下でチーム全体としてよく走るチームになり、守備が補正された神戸にとってこのオプションができることは相手にとって脅威に違いないだろう。

また今節の勝ち越し点と追加点と取ったのはトラブルにより交代を余儀なくされた直後のことだった。

トラブルに動じることなくベンチにいる選手も含めて戦術を理解していることがこの結果を生み出したのだろう。

ここまでの神戸の戦いを見れば現在の3位という順位もうなづけると思った

そんな試合だった。


最後にけがにより交代を余儀なくされた4選手の状態が早く良くなり、試合でプレーがようになることを願うばかりである。