今回のフォーカスでは、このツイートの裏付けに挑戦します。

選んだ1つ目のデータは、こちら。

エリア間パス図

どうでしょか?このエリア間パス図のどこに着目した時に16河野 諒祐の攻撃的なデータを示すと思われますか?


まず、左サイド(左サイドレーン)は、アタッキングサード(深い位置)でのパス交換が多くっていますが、右サイド(右サイドレーン)は、ミドルサード(中間の位置)の地点でのパス交換が多くなっています。


そう、この図のポイントは、左サイドのハーフスペースのレーンの位置から攻撃が始まっていることにあります。この位置は、41徳元 悠平と5井上 黎生人の2選手がポジションを取る事が多いポイントです。


そこから、右に展開する事が多くなっていますよね。これは、左サイドで組み立てて、右の高い位置に運び、展開する事が多くなっている事を示しています。


つまり16河野 諒祐は、基本的に高いポジションをとって、守備や組み立てに関与を最小限にしています。


【公式】ハイライト:ファジアーノ岡山vs水戸ホーリーホック 明治安田生命J2リーグ 第8節 2021/4/17

URL:https://youtu.be/seS_WO25DKQ?t=129

例えば↑の第8節の水戸戦での水戸の決勝ゴールのシーンでは、少し高い位置で内に絞ることなく、外側にポジションを取っています。これは、積極的に守備に関与するよりは、奪った後の攻撃への意識が高いことを示すポジショニングです。


【公式】ハイライト:ファジアーノ岡山vsFC町田ゼルビア 明治安田生命J2リーグ 第12節 2021/5/5

URL:https://youtu.be/siULqT5lm_U?t=25

そして、この試合でも1失点目のシーンでは、ポジションこそ取っていましたが、簡単に前に入れられていて失点しています。41徳元 悠平であれば、巧く駆け引きして、前に入ってクリアしていたかもしれません。終盤に33阿部 海人や8田中 裕介を投入していたのは、この隙をケアするためだったと言えそうですね。


この2シーンを見ても16河野 諒祐が、守備的なポジショニングをするよりは、攻撃にある程度、意識を持ったポジショニングを方が、光る選手である事は理解して頂けたのではないでしょうか?


それにしても41徳元 悠平は、攻守で非常に考えてプレーできていて、どちらも高いパフォーマンスを出せる選手ですよね。ただ、この試合疲れからなのか、ミスが目立ちました。そういった意味では、左SBのバックアップとしても11宮崎 智彦には、期待したい所です。


もっと、深堀していきます。次のデータにいきましょう。

次のデータは、こちら。

パスソナー・パスネットワーク

時間帯別パスネットワーク図

どうですか?これは、難易度が高いデータ比較です。この2つのデータがないと、気付かないデータで、見た目に騙されがちなデータです。


まず、着目すべき点としては、左右のサイドを比べて考える事ですので、その辺りのデータを文章化して、実際に整理していきましょう。


41徳元 悠平から27木村 太哉へのパスの方が、27木村 太哉から41徳元 悠平より多いですよね。


対して、右サイドは、14上門 知樹から16河野 諒祐へのパスの方が、16河野 諒祐から14上門 知樹へのパスより少ない。


そう、パスを出す相手へのパス数の違いから関係性が違う事が分かります。


これは、1つ目のデータだけ見ると、右サイドは、バックパスが多いという事になりますが、この2つのデータを見る前に、16河野 諒祐は、前目にポジションを取り、守備への関与も必要最低限なので、高めにポジションニングを取っているに、バックパスが出されているのか?という疑問が生じますよね?


実は、ここにこの図(パスソナー・パスネットワーク:岡山)の落とし穴があります。2つ目の図(時間帯別パスネットワーク図:岡山)をよく見て下さい。


左サイドは、41徳元 悠平と27木村 太哉が縦(上と下)の関係である時間が多いのに対して、右サイドは、横の関係もしくは、左サイドとは逆に16河野 諒祐の方が、高い位置にポジションを取っているという縦の関係になっている事を示しています。


パスソナー(略)の図だけ見ると、14上門 知樹から16河野 諒祐へのパスはバックパスに見えますが、時間帯別パス(略)を見ると、実は、横パスや前に運ぶパスが多くなっている。これに気づいた時には、目から鱗が落ちました。


そうです。やはり、16河野 諒祐は、高い位置にポジショニングをしていたのです。


そして、33阿部 海人と16河野 諒祐とのパス交換を多くなっています。これは、高いポジショニングをすることがあっても失点したシーンの様に守備をする時もあり、低い位置から上がっていくシーンもあるので、その時のパスのやりとりも関係していると思います。


その時に、33阿部 海人に預けて、16河野 諒祐自身が高い位置に上がっていくパターンと、5井上 黎生人か41徳元 悠平の後ろからの組み立てで、左から運ぶ流れで、高い位置を取る16河野 諒祐への33阿部 海人からのパスが多くなっているからだと思います。


そして、左から組み立てているポイントして、5井上 黎生人より33阿部 海人の方が高いポジションをとっています。つまり、ボールを運ぶ目的は、前に少しでも運んで、ゴールに近づく事ですから、41徳元 悠平→5井上 黎生人→33阿部 海人→16河野 諒祐というパターンと、41徳元 悠平を除いて同じ流れのパターンが、岡山の組み立ての形という事も示しているパスソナー(略)時間帯別パス(略)の2データという事なのです。


つまり、整理すると、左で、組み立てて、右で仕掛ける。息詰まると、7白井 永地や14上門 知樹、33阿部 海人に預けて、パス&ゴー。もしくは、サイドを変えている。


そう、右サイドは、16河野 諒祐に、フリーランでスペースを突かせる事で、活路を見出す攻撃パターンだったのです。


そして、左サイドまで流れ着いて、詰まった時の出口として27木村 太哉というドリブラーがいる。41徳元 悠平と5井上 黎生人からパスを受けたら、そのまま持ち上がる役割か、高い位置で受けたらドリブルで仕掛ける。


そう、左サイドは、27木村 太哉に、ドリブルで仕掛けさせる事で、活路を見出す攻撃パターンだったのです。


それなら中央は?ここまで来ると見えてきました。


実は、28疋田 優人が、キックで仕掛けるのです。ある程度パスを出す判断を任されていて、後の組み立てというよりは、局面を動かすパスであったり、左右を使う長めのパスを使ったり、前からの守備に行く事。ある程度、7白井 永地に組み立てを任せて、28疋田 優人がパスやシュートといったキックで、打開する。


そう。中央は、疋田 優人にキックで仕掛けさせる事で、活路を見出す攻撃パターンだったのです。


そして、この攻撃を支えるキーマンがいます。次のデータを見て見ましょう。

ヒートマップ - 川本 梨誉

どうですか?このヒートマップのポイント分かりますか?


そうです。左サイドで攻める選択をした時は、27木村 太哉のフォローをして、中央で攻める時は、28疋田 優人のフォロー。右サイドで攻める時は、16河野 諒祐をフォロー


この3選手が、弓なら20川本 梨誉は、弦。そして、15山本 大貴は矢(or的)なのです。もっと言うと、41徳元 悠平、5井上 黎生人、7白井 永地、33阿部、14上門 知樹、13金山 隼樹は、弓を射る射手といった感じですかね。


16河野 諒祐を掘り下げて行くと、この試合の岡山の攻撃の真理に近づいたかもしれません。


最後に分かり易く整理して、終わりたいと思います。


・16河野 諒祐は、右サイドでスペースを突いて仕掛ける。
・27木村 太哉は、左サイドでドリブルで仕掛ける。
・28疋田 優人は、中央で、キックで仕掛ける。
・20川本 梨誉は、16河野、27木村、28疋田をフォローする役割。
・15山本 大貴は、上記4選手のアクションのゴール。
・41徳元、5井上、7白井、33阿部、14上門、13金山で組み立て。


16河野 諒祐にフォーカスあてたのですが、ファジアーノ岡山の攻撃にフォーカスが当たっていたようです。サッカーとは、連携という言葉がある様に、リンク(連結)したスポーツであると再認識できた今回のフォーカスでした。今回もまとめていて面白かったです。最後まで読んで頂き有難うございました。


文章=杉野 雅昭(text=Masaaki Sugino)、図(データ)=SPORTERIA様


本記事は以上ですが、試合後に情報をハイライト以外遮断したインプレッションで、書いたフォーカスもあるので、もし良ければ、そちらも読んで頂けると嬉しいです。


※お詫び:関連記事ですが、33阿部 海人を下げた判断ですが、アクシデントによって仕方なくであったようです。それを込みで、記事を読んで頂けると嬉しいです。今後は、レビューの質をあげるために、ハイライトだけではなく、監督のコメント等の必要最低限の情報も可能な限りしっかり確認してから記事にしていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします※


関連記事

2021ファジアーノ岡山にフォーカス15

J2:第12節:岡山vs町田(H)

「雰囲気がある町田のサッカー、若手の躍動、33阿部 海大を下げた判断への考察」

は、こちら(別サイト:note)。

URL:https://note.com/suginote/n/nee96ce543537