1、前置き


フォーメーション図


時間が限られているという事で、今回フォーカスでは、今後に期待を持てるプレーをみせた2選手にフォーカスを当てたいと思います。


2、右SHから解き放たれた14上門 知樹


攻撃スタッツ - 上門 知樹

「14上門 知樹のここが凄い!」
・驚異の枠内シュート4本中4本の100%
・CFの近くでプレーしていながらパス数30本で、26本成功の約90%。
・ラストパス2本とクロス1本で、決定的なパスを出している。
・1ゴール1アシストのMOMの活躍。


3、僅かな時間と空間があれば十分仕事をする20川本 梨誉


攻撃スタッツ - 川本 梨誉

「20川本 梨誉のここが凄い!」
・毎試合目が覚めるミドルシュートが打てるシューター。
・ラストパス2本とクロス2本の高いシュート機会構築力。
・アシストもゴールへの期待が試合毎に増している。
・この個人スタッツをまさかのパス数16本での記録。


4、ピッチを縦横無尽の抜群の存在感(14上門 知樹)


ヒートマップ - 上門 知樹

「14上門 知樹のここが自由!」
・色々なポジションでの経験が活かして限定されないプレーエリア。
・右サイドに移る時間もあったが左にも顔を出すことへの抵抗が小さくなった。
・控えめの位置での組み立てや守備といったプレーも献身的にこなす。
・それでも、やはり左サイドのやり易さが、データとして色濃く出ている。


5、芽生えるストライカーの自覚(20川本 梨誉)


時間帯別パスネットワーク図

「20川本 梨誉のここがストライカー!」
・平均ポジションがピッチの中央。
・孤立することにも抵抗がない強い覚悟と自信。
・時には密集地帯に顔を出して味方の良さを引き出せる器用さもある。
・基本的に前線の一番深い所が平均ポジション。


6、まとめ


20川本 梨誉が中央にどっしり構えて、得点を意識の高さと、周りの選手を活かすことができる技術を併せ持ったことで、完全にフィットしたと言っても良いほどの存在感。14上門 知樹も20川本 梨誉の傍でプレーすることで、マークが分散することに加えて、良いパスが20川本 梨誉から出てくるので、良い形で、シュートを打てる。それが、内容でも結果でも出た試合。


この3得点という結果を続けて出せるだけでの得点力を今後も出せるかどうか、今後も注目していきたい。あくまで、松本戦は、松本対策の側面もあったと思うので、今後は、違う戦い方でも良い関係を構築できるかどうか。それは、今後の岡山の成績に直結するだけに、是非ともチームとしての幅を持たせた中で、今後も持ち味を発揮して、爆発して欲しい。


7、ファジにデータでちょっとフォーカス


フォーカスを当てた選手以外にも良かったデータを記録していた選手にも触れておきたい。


守備スタッツ - 喜山 康平

「6喜山 康平のここが凄い!」
脅威の毀れ球奪取数8を記録。セカンドボールをどっちが拾うかで、攻撃か守備か決まる。得点を決めるだけではなく、守備でもチームを落ち着かせる事で、試合を優位に進める事ができた。


攻撃スタッツ - 宮崎 幾笑

攻撃スタッツ - 河野 諒祐

エリア間パス図

「10宮崎 幾笑と16河野 諒祐の2選手の右サイドのここが凄い!」
両選手ともクロス3本を記録。クロスは、浅い位置からあげるアリークロスと深い位置からあげる一般的なクロスがありますが、あげるコースがなければ、どちらもクロスを入れる事ができません。3本も記録したという事は、それだけ右サイドから攻撃の形を作れていたことを意味します。27木村 太哉にスポットが当たりがちでしたが、10宮崎 幾笑の存在感がましてくる日も近いかもしれませんね。本当に、楽しみなデータです。


守備スタッツ - 白井 永地

攻撃スタッツ - 白井 永地

「7白井 永地のここが凄い!」
ここまで全試合フル出場続ける7白井 永地。ゴールを決めた6喜山 康平にスポットが当たりがちだが、7白井 永地も攻守のハイスタッツを記録。スピードがあるとか強烈なミドルや、極めて正確なキックがあるわけではないが、ミスキックが少ないという安定感。状況判断に優れる上に運動量があることで、判断ミスによる力みやキックミスが少なく、疲労によるミスも少ない。90分間走り切り、安定してプレーできるチームの心臓となって、代えの効かない選手となりつつある。特に、ここ数試合の存在感は際立っている。


8、あとがき(試合の感想)


基本スタッツ

ゴール期待値


こうしてみると、先制点が大きく、そこから採用した守りを固めた筈の5-4-1システムを導入したところで、得点の期待値が大きく上昇しており、逃げ切る上で、勝ち越し点も狙える有力な作戦であることが分かる。


やはり、カウンターは、有利な攻めで、この試合では、隙を見逃さなかった事と、松本が主体的に攻めた時の足元がおぼつかなかった事を示すデータと言える。


逆に松本が先制していれば、32横山 歩夢や18戸島 章といった個性的なストライカーを活かされる展開で、苦しいゲームになったかもしれない。


こういったリスクを小さくすることで、勝ち点を積み重ねて、中位以上をチームには、目指して欲しい。


文章=杉野 雅昭(text=Masaaki Sugino)、図(データ)=SPORTERIA様


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