1、データで迫る守備一冠(首尾一貫)
岡山の守備が安定している。もしくは、安定して見える理由について、いつものデータとは違った角度で見て欲しいデータがあります。このデータ通りの戦いができていれば、岡山の堅守は崩れない安定した戦い方ができる可能性は高いのではないでしょうか。
2024ファジ造語No.15
『≫≫守備一冠(首尾一貫)≪≪』
今季の岡山スタイルを表現したファジ造語。守備でタイトルが取れるだけの堅守こそ岡山の武器であり、岡山が、どういった状況でも守備への考え方や高い守備意識はぶれることなく、ファジアーノ岡山クラブは、献身性とハードワークで構築してきた「堅守」。これこそがまさしく「首尾一貫」してきたスタイルであり、一冠を取ることで「守備一冠」のファジスタイルとして、内外に示せるシーズンとなって欲しいという願いも込めたファジ造語。
そして、今回の最後に、これを体現する上で、88番 柳 貴博 選手の判断について、私がどう考えているか、他の方とは違った視点と違った結論で語っていこうと思います。
上記のファジ造語通り、守備でタイトルが取れるのか、そこを占う上で、これからの展望にもなりうるポイントになると個人的には考えています。それでは、よろしくお願いします。
2、改めて考えるゴール期待値
ゴール期待値(図=figure:SPORTERIA提供)
「試合後に11人だったら勝てる自信がある。」試合後にダゾーンでインタビューで、そう語った木山 隆之 監督。それは、まさにデータでもそれを物語っている。最後には逆転されたもののゴール期待値上は、岡山のゲームになっていても不思議ではなかった。
では、なぜそうならなかったのか。岡山の守備の準備が出来ていなかったというよりは、セットプレーのリスク管理が不味かったからではあるが、なぜそういったシーンで、退場してしまうのか。
次のデータを見たら単純明快なので、見て欲しいです。
3、動かざるごと岡山の如し~不動如岡山~
この2つのデータです。何がポイントか分かりますか?私は2つのポイントに着目しました。
藤枝~水戸~群馬戦の被PA内への侵入傾向(図=figure:SPORTERIA提供)
水戸~群馬~大分戦の被PA内への侵入傾向(図=figure:SPORTERIA提供)
どうですか?皆さんも気になったポイントありますか?
私は、まず中央の被PA内への侵入傾向がほぼ0であるのが、岡山の強さであることは間違いないと思います。チームとしてサイドに誘導するような守備ができてますし、サイドから攻めさせることで、守備をシンプルにできています。
中央であれば、左にシュートを打つか、右にシュートを打つかという選択肢が増えるだけで、シュートを防ぐのが難しくなりますが、サイドからであれば、選択肢が減ることで守りやすくなります。
かといって、中央を固めるだけでは、こういった守備はできませんし、しっかり埋めることがチームとして出来ていることを示すデータであると思っています。
一番危険なゾーンで、形すら作らせない。それこそ岡山の守備の堅さに繋がっていると思います。
そして、もう1点は、ドリブルでの侵入が少ないという事です。岡山が、そういったドリブルでの侵入を許すことが少ないという事は、1対1で守り切ることが出来ている事と、囲い込んでドリブルの選択肢を消すことが出来ている(埋めることができている)。ともいえるデータであると思っています。
『 私の考える2大ポイント 』
①中央からの被PA内侵入をほぼ許していない。
②ドリブルでの侵入をほぼ許していない。
2024ファジ造語No.11
『 ≫≫動かざるごと岡山の如し≪≪ 』
対戦相手やどういった状況でも、岡山は無理に攻めることなく、好機をじっくり待ち、やることを徹底して、最後まで可能性を信じて戦える自信と謙虚のバランスの取れたメンタルの強さ。そして、個の力や組織力のどちらでも向かってくる対戦クラブをしっかり受け止めるチームとしての体幹の強さで、横綱相撲のように攻守で着実に前進して、そのまま押し切れるチームの総合力の高さ。ここを戦国大名の武田 信玄の「風林火山」の「山」の「不動如岡山」の「動かざるごと山の如し」の「山」に「岡」を加えて「動かざるごと岡山の如し」に変えて、岡山の攻守の安定感を強調したファジ造語。
4、総括~譲れない意識~
基本スタッツ(図=figure:SPORTERIA提供)
客観的に見て、失点する可能性が高くても49番 スベンド・ブローダーセン 選手に委ねても良かったのではないか。そういった声は最もであると思います。
ただ、チームとして、そういったシーンに慣れていないから慌てるとかではなくて、妥協できないのではないかと思います。この試合の16番 河野 諒祐 選手のシュートブロックのように、今季の岡山の守備は、できることをやり切ることを徹底している。
シュートコースを限定して良しだけではなく、そのシュートすら防ぐ守備をする。岡山では、こういった抜け出した形での守備対応で、2回とも退場者を出しているが、他のチームでも何か出来ることを探して、素晴らしい守備で防ぐというシーンも何度かあった。
それこそ、いわきFC戦での19番 岩渕 弘人 選手が、シュートを打つ寸前で防がれたというシーンがあったように、そこでチャレンジしないという選択肢を持ってしまうと、そこから綻びが生じてしまう可能性も出てくる。
だからこそ、退場者が出る可能性があったとしてもそこで一度でもチームとして妥協してはいけない気もする。だから、個人的な結論としては、ファールしないチャレンジの守備の技術を磨くという方が、今の岡山にあっている気がする。
3度目があっても、岡山の選手は、またトライすると思う。最初から最後まで徹底する。
それが、岡山の守備一冠(首尾一貫)という戦い方である。
最後まで読んで下さり有難うございました。
文章・図(基本情報)=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino
図=figure:SPORTERIA提供
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