本間至恩の活躍。


2020年アルビレックス新潟のホットなトピックのひとつとして挙げられるのではないだろうか。


なぜ彼がここまで活躍しているかという要因のひとつに役割の変化が考えられる。


今シーズン、彼がアルベルト監督に求められているプレーは、中央気味にポジショニングし、間でボールを受け、攻撃のスイッチになることだ。


今季の新潟のサイドハーフは昨季のウイング的な役割から内に絞って攻撃の起点になる、所謂インテリオールの役割に変化。


大外のウイングとして昨季に活躍した本間至恩も例外ではなく、開幕前のキャンプから中央でのプレーを求められた。


アルベルト監督はその役割を求めながらも、シーズン序盤は得意の大外に置いて徐々に慣らしていき中央でのプレーの比率を増やしていった印象である。


この変化によりプレーの幅が広がり更にゴールに直結するプレーが増えていったが、今回はその役割の変化をボールタッチ位置とヒートマップのデータで確認していきたい。




【第1節〜第6節】大外で受ける必殺パターンをベースに。



シーズン序盤は変化したサイドハーフの役割にまだ適応できずにいたのか、途中出場での攻撃の切り札として起用されることが多かった。


至恩を起用する際は、基本の役割にハメず、大外にポジションするような形で起用していた。



第1節 群馬戦(出場時間が4分のため割愛)




第2節 甲府戦(出場時間:29分)


第3節 金沢(出場時間:45分)


第4節 松本(出場時間:67分)


第5節 町田(出場時間:23分)


第6節 山形(出場時間:45分)



【第7節〜第10節】中央の比率が増えてくる


まだこの時期も大外に張らせている時間が多かった記憶だが、

(印象なので間違いの可能性大)ヒートマップをみると中央の比率が増えていることがわかる。


この頃から実戦レベルで内に絞る役割をこなせるようになりつつあったということなのだろうか。


第7節 水戸(出場時間:77分)

第8節 東京V(出場時間:55分)


第9節 栃木(出場時間:34分)


第10節 大宮(出場時間:90分)


第11節 山口(出場時間:51分)


【第13節〜】インテリオール化


ここからのデータをみると京都戦からプレーエリアが広がり、中央でのプレーをものにしていることがわかる。


(個人的には山口戦からインテリオールのようなプレーが多くなったと認識していたがデータをみるとそこまでではなかった。)


間で受け攻撃のスイッチになってギアを上げていくようなプレーに凄みが増していった印象だ。


『新潟のメッシ』と讃えられていた本間至恩であるが、アルベルト監督率いるコーチング陣には『新潟のイニエスタ』としてみられているのかもしれない。


第13節 京都(出場時間:89分)


第15節 福岡(出場時間:80分)


第16節 長崎(出場時間:90分)


第17節 磐田(出場時間:33分)


第18節 千葉(出場時間:84分)


第18節 北九州(出場時間:90分)


おわりに


ボールタッチ位置とヒートマップで徐々に中央でのプレーの比率を上げていったことが示されていた。


本来大外を司るサイドバックのポジショニングを下げて、3バックのようにして大外を本間至恩に任せながら、徐々に求める役割に適用させていったアルベルト監督の起用法は見事。



中央のプレーでも適応し、活躍している本間至恩も素晴らしい。


更にプレーの精度を高め成長し、新潟経由ヨーロッパ行きを果たしてほしいと願わずにはいられない。