マリノス目線から見ると0-0での残念な引き分けでした。

前日に、2位のフロンターレが引き分けていたので、ここで勝てれば、より優勝のチャンスが広がったわけですが、

勝ち点差はそのままという結果でした。


さて、相手の良さを消す戦術家のペトロヴィッチが取った戦術は、なかなか新鮮でした。


時間帯別パスネットワーク図


なかなかわかりやすいデータが無いのですが、

攻撃時、札幌は、GK+DF3人でパスを回して

中盤の選手をなしにして、マリノスの4バックに対して、4人+1人を貼り付けて数的優位を作ります。

そうすることで、中盤は数的不利になるのですが、

あえてそれを飛ばして、ロングボールでSBの裏のスペースを狙います。


マリノスは、攻撃時にCB2人を残して、両SBが上がるので、

このスペースの裏は狙い所で、

なおかつ、マリノスはボールサイドに集中して、攻撃も守備も狭いところでパスを回しますので、

反対側のサイド、対角線のロングボールでSBの裏を狙っていました。


中盤がいないので、DFラインのパス回しになって、なかなか前に進めないのですが、

この試合では、エウベルの守備時の運動量が少なくて、マリノスも奪い切ることが出来ません。

ここで奪えれば、逆にチャンスなのですが、

それが出来ないことで、結果的に得点を取ることが出来ませんでした。


走行距離・スプリント回数ヒートマップ - エウベル


エウベルは5連戦全てスタメン、全て途中交代ではありますが、疲労が蓄積していたのでしょう、攻撃時にはがんばれても守備時までは頑張れない感じでした。


本当ならば、最初に交代すべきは、エウベルなのですが、交代選手のヤンマテは、加入して時間がないので、まだ、守備時のポジションニングにとまどいがあります。

そこで、マルコスを交代したのですが、なべこ、それから吉尾海夏ではバランスは取れても攻撃力は落ちてしまった感じでした。


基本スタッツ


試合全般に感じたのは、アクチュアルプレーイングタイムが短いなあ、ということ。

残留争いの札幌が、試合開始から時間稼ぎをして0-0の勝ち点1を狙っていたこともありますが、

マリノス自身もそれに付き合ってしまい、

また、中盤の運動量が少ないために、DFラインから縦に付けれない、という感じでした。


マリノスは、普段は115kmほど走るのですが、それが今回は108km、7%も下がっている感じでした。


ということで、

現地観戦は、なかなかフラストレーションが溜まる展開なのですが、

全敗だった8月に対して、

9月は、リーグ戦で3勝2分け、負けなし、勝ち点11。

この間、2位のフロンターレが4試合では有るものの1勝1敗2分け、勝ち点5なのですから、まあ、上出来でしょう。


ただねえ、これまで日産スタジアムでは、10戦全勝だったのですが、はじめて引き分けになってしまったのは残念。

まあ、全部勝つのは現実的には難しいので、これもまた仕方がないところですね。


これで、代表ウィークで2週間開きます。

マリノスも、2点、3点、1点、2点、0点、と少し得点力が落ちているので、

しっかり回復してもらいたいものです。