普段、

自分が日産スタジアムのだいたい同じ場所から見ている試合しかレビューしないのですが、

今回はコンペなので(笑、

商品が欲しくてブログ投稿します。


今回は、日産本社のパブリックビューイングで、波戸康広さんの解説を聞きながらのDAZN観戦でした。


今回の試合、前半と後半とで全く違うゲームになりました。


https://www.football-lab.jp/y-fm/report/?year=2022&month=11&date=05

このデータのタイムラインが顕著です。


前半は、神戸のほうが支配率が高く、

後半は、神戸の足が止まって、マリノスが完全に制圧して、全く危なげのない試合となりました。

そのうえで、データを比較すると、走行距離もスプリント回数も支配率もほぼ互角というのは非常に興味深いです。(パスの数が異なるのは、ロングボールで大迫を狙った神戸と、ショートパスでつなぐマリノスのスタイルの違いでしょう)


基本スタッツ


ゴール期待値


ただ、このゴール期待値を見ると、前半の神戸もそれほど高くない、というのは興味深いです。

試合を見ている感じでは、神戸がほぼほぼボールを支配、空中戦は(前後半を通じて)ほぼ制圧、ゴールに迫る際どいパスも非常に多かったような印象だったのですが・・・


マリノスは、他のチームと比べて各選手のプレーのクオリティが高いと考えているのですが、

それは、各選手の出場時間が短いからと考えています。

例えば、

走行距離・スプリント回数走行距離・スプリント回数


フォーメーションは異なるものの、大崎玲央と喜田拓也はどちらもボランチの選手で、

走行距離はほとんど同じです。スプリントが多い分、大崎のほうが疲労が大きいかもしれませんが、

同じようなスタッツです。


しかし、フットボールラボのデータを持ってくると、これまでの出場時間は、

大崎玲央が、第33節までで24試合1988分。

https://www.football-lab.jp/player/1600178/

喜田拓也が、22試合で、1683分。

https://www.football-lab.jp/player/1200129/


と各選手の出場時間が少ないのです。

両者の優劣を比較するのは難しいですが、

マリノスの各選手は、出場時間が少なく、短い時間で成果を上げているといえます。


これは2位のフロンターレと比較しても顕著です。

マリノスのデータは

https://www.football-lab.jp/y-fm/

フロンターレのデータは

https://www.football-lab.jp/ka-f/

これの選手データを出場時間でソートすると顕著なのですが、

マリノスは、全出場選手が26人、

フロンターレは、全出場選手が24品、

2000分以上の出場、1000分以上の出場は、

マリノスは、2000分以上が高丘、岩田、小池龍太、永戸の4人、1000分以上は+13人で17人

フロンターレは、2000分以上が6人、1000分以上が+9人で15人

となり、マリノスは、2000分を越えるチームに不可欠な選手が少ない一方、1000分以上の主力選手が多く、少ない選手に依存することなく、多くの選手で回していることが分かります。


リーグ中盤、マリノスサポーターでは、「誰が出てもマリノス」という言葉が流行りました。

つまり、出場機会の少なかった選手が抜擢されても、レギュラークラスと遜色ない活躍をして、

また、本職以外のポジションを務めても、パフォーマンスが落ちない、というのがありました。

それが顕著だったのが、

ボランチで始まってCBで抜群の安定感を見せた岩田であり、

前チームではCFWで活躍していたのに、トップ下のポジションで運動量豊かに走り回った西村であり、

CBで始まって、終盤には、SBのサブでクロージングを担った角田でした。


これは、後で繰り返しますが、

チームのコンセプト、ビジョン、戦略、戦術、各ポジションに与えられた役割と動き方が明確であるために、別のポジションでも遜色なく働けたと考えています。


さて、幸運なことに、応援しているチームが優勝という最高の結果を出しましたので、

2022年のマリノス、という総括をしようと思います。


今年のマリノスは、2019年と比べても、より魅力的だと思ったのですが、僕が思うに、その要因は、

1)チームのコンセプト、ビジョン、戦略、戦術、各ポジションでのタスク、各選手に求められるスキル(パスの強さ、正確さ、身体の入れ方など)が明確にされていて、

2)カテゴリーにこだわらずその戦略にあった選手を獲得して、

3)その選手たちが、短期間でフィットして成長を示し、

4)そのビジョンを、選手だけでなく、スタッフ、スポンサー(マリノスではパートナーシップと呼びます)、果てはキッチンカーまでも、すべてのステークスホルダーが共有し、

5)それらを、The Daysというチームドキュメンタリー動画や、SNSでサポーターに可視化した

ことだと考えています。


The Daysでは、負けた試合後のロッカールームで選手たちが、呆然と落ち込んでいる姿や、畠中選手が小暮トレーナーとリハビリテーションをやっているプロセスを見せていたりします。

そんなプロセスを見てしまえば、負けた選手にブーイングすることが出来なくなってしまいます。

連敗した時に、水沼選手が「俺たちも辛い、だから、ここからみんなでもう一回まとまっていこう」というのが心に響くわけです。


そういうことは、僕たちの普段のビジネスにも当てはまります。

僕らは、自分の仕事をマリノスに投影することが出来るわけです。

ビジョンも戦略も戦術もない仕事は日常にあふれていて、少なくない人はフラストレーションを抱えながら働いているわけです。


負けて呆然としている姿、けが人をサポートするトレーナー、辛い時に仲間を鼓舞するリーダー、そういうプロセスが可視化されることで、僕らはその体験を共有することが出来て、日常生活を投影することが出来る。

つまり、マリノスの成功体験を、自分の成功体験のように、

マリノスの敗戦を、自分の失敗のように、

マリノスのいろいろなことを、自分の喜怒哀楽として共有できるわけです。


そのことが、シティ参画後のマリノスを魅力的に見せていることかなあ、

と感じています。

勝敗は時の運で、スポーツだから、勝ったり負けたりなのですが、

それ以外のところで、価値を見いだせることは、非常に幸運なことだな、と思います。


ちょっと長くなってしまいました(笑

(他のチームのことは詳しくないので、そんなの普通だよ、ということであれば、ぜひ教えてください)