前回「ゴール期待値と失点期待値」の巻(https://sporteria.jp/blog/yagoto-10/6723591598006865921)でいろいろレビューさせていただいた。当然のことながら、次の流れは実際の試合結果をゴール期待値(失点期待値)に置き換えて、成績を再計算してみることになる。どれだけ差が生じるだろうか?
いつものことながらFootball LAB(https://www.football-lab.jp/)さんからデータを拝借した。
下記表は、10/18終了時のリーグ成績である。この成績がどのように変化するだろうか?
10/18までに終了した試合を、得点はゴール期待値、失点を「相手チームのゴール期待値」に置き換えて再計算(シミュレーション?)した。例えば、第10節C大阪vs柏の試合は、実際はC大阪3-1柏でC大阪の勝利であったが、ゴール期待値に置き換えるとC大阪0.4-2.3柏で柏の勝利となり、実際の結果とゴール期待値による結果が異なる。このように全試合を再計算した。計算結果は下記表の通り。
1位は川崎F、2位鹿島、FC東京と続く。最下位は横浜FCである。やはり実際の成績とは異なるようである。
差を一覧にしたのが下記表である。勝点差が大きい順、同勝点の場合は得失点差、得点、失点と成績が良い順に並べてある。失点を除けば0より大きいセル(期待値以上に勝点を獲得出来た、得点出来たという意味)は赤色、0より小さいセルは緑色にしてある。失点は0より小さい(期待値以上に失点を防げたという意味)セルは赤色、0より大きいセルを緑色にした。
最も勝点を獲得出来たのはC大阪で21。7勝分、得をしている(こういう言い方が適切かどうかわからないが)。2位はG大阪で勝点18、3位は横浜FC。この3チームが抜けている。逆にこの3チームはどれだけ期待されていないのか。
C大阪は期待値成績では勝点27で14位であるが、実際には勝点48で2位につけている。得点は7.8点、期待値以上に得点している。失点は9.5点、期待値以上に失点を防いでいる。得失点差は17.3点、期待値以上になっている。期待値以上にパフォーマンスが良いということになる。
G大阪は期待値成績では勝点27で13位であるが、実際には勝点45で4位につけている。得点は期待値よりも1.1点マイナスであるが、失点は12.3点分期待値以上に失点を防いでいる。驚異のディフェンス力だ。この驚異のディフェンス力で勝点を稼いでいる。
横浜FCは期待値では勝点6(たったの2勝)で18位であるが、実際には勝点24で13位につけている。得点は2.9点、期待値以上に得点している。失点は期待値とほぼ同等。C大阪やG大阪ほど、個々の数字の差は表れていないが勝点は18(6勝分)上乗せしている。すごくよくやっていると思う。
柏は、得点は11.9点、期待値以上に得点し、失点は2.8点、期待値以上に失点を防いでいる。得失点差は14.8点分、期待値以上である。柏の勝点期待値は30であるが、そこから7しか上乗せできていない。個々の数字は良いが勝点に結びついていない。前回のレビューでも柏の数値がよいことをお伝えしたのであるが、おそらく試合ごとのバラツキが大きく安定していないのだろう。よって個々の数字ほど勝点に結びついていないと思われる。
我が名古屋は得点も失点も期待値以上に成績を残している。もっと勝点を稼いで良いと思われるが、勝点の積み上げは3のみ。それでも期待値以上の成績を残しているから良しとしよう。
川崎Fは得点は11.6、失点は5.5期待値以上の成績を残している。しかし断トツの成績を残している川崎Fでも勝点は期待値よりも少ない。勝点4取りこぼしているのだ。数字上では盤石ではないということになる。期待値で負けたのは第24節の神戸戦のみ。逆に期待値では勝っていた第12節の名古屋戦では唯一の敗戦を喫している。
横浜FMは10.0点、期待値以上に得点しているが、11.0点、期待値以上に失点している。これにより勝点は16、期待値を下回る結果になっている。守備を整備することが出来ればもっと上位に行けるのだろう。
鹿島は期待値成績では勝点60で2位、川崎Fと首位争いをしている。得点も失点も期待値を下回り、勝点も21損している。鹿島が期待値通りの活躍をしてくれれば、Jリーグに注目が集まり、多くの人の関心が高まり、もっともっともっと盛り上がるのに・・・。鹿島には是非頑張ってもらいたい。
清水は得点は期待値とほぼ同じであるが、失点はリーグ最多の13.5点、期待値を下回っている。攻撃はある程度良い。しかし守備は壊滅的だ。期待値通りの守備が出来れば失点を防ぐことはできる。期待値との差は、シュートを打たれたりゴールされる最後の部分に集約されると思う。身体を寄せる、カバーする、身体を張るなど基本的なことが出来ていないのではないか。期待値通りに試合を運べれば順位は13位にまで上昇させることが出来る。筆者は清水の試合を見ていないので、どなたか清水の守備についてレビューして下さい。
期待値と実際の結果を比べることで意外な結果が見えてきますね。
コメント(4)
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SPORTERIAスタッフ
2020/10/23 15:03
ゴール数の少ないサッカーだけに、この見方はとても×2面白いですね❗❗
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SPORTERIAスタッフ
2020/10/23 15:04
思い付きですが、サッカーには引き分けがあるので単純に大小で勝ち負けにするのではなく、
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ぴくしー
2020/10/25 20:48
SPORTERIAスタッフ様コメントありがとうございます。引分を加味して再計算してみます。その方が現実的かもしれませんね。
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ぴくしー
2020/10/25 20:50
期待値通りに勝利したのか、期待値を覆したのかという指標で分析すると、また違った答えが出るかもしれません。横浜FCは期待値を覆した回数が多いのだと思います。
横浜FC、得失点の差分に比べて勝点の上積みが優秀過ぎませんか…?😲
「相手より0.5以上大きければ勝ち」
にしたら結果はどうなるのかな?と思いました💡