以前「試合結果をゴール期待値に置き換えてみる」の巻(https://sporteria.jp/blog/yagoto-10/6724832501962903553)をレビューしたところ、SPORTERIAスタッフ様から【横浜FC、得失点の差分に比べて勝点の上積みが優秀過ぎませんか…?😲】とコメントをいただいていたためもう少し分析しました。

使用したデータは「試合結果をゴール期待値に置き換えてみる②」の巻(https://sporteria.jp/blog/yagoto-10/6726308233666891777)と同じものです。



下記グラフの説明です。緑色3は期待値では負けであった試合が実際には勝ちになった。赤色2は期待値では引分であった試合が実際には勝ちになった。青色1は期待値では負けであった試合が実際には引分になった。予測よりも勝点を積み上げることが出来た「番狂わせ」の試合数をグラフ化している。

C大阪がダントツに多い。C大阪、G大阪、浦和は負け試合を勝ち試合にする番狂わせが多い。逆に川崎、清水、鹿島は番狂わせが少ない。


下記グラフの説明です。緑色3は期待値では勝ちであった試合が実際には負けになった。赤色2は期待値では勝ちであった試合が実際には引分になった。青色1は期待値では引分であった試合が実際には負けになった。予測よりも勝点を積み上げることが出来なかった「取りこぼし」の試合数をグラフ化している。

札幌、鹿島、横浜FMは取りこぼしが非常に多い。期待値ほど勝点を積み上げられない原因になっている。横浜FC、川崎Fは取りこぼしが少ない。


下記グラフの説明です。緑色3は期待値では負けであった試合が実際に負けになった。赤色2は期待値では勝ちであった試合が実際に勝ちになった。青色1は期待値では引分であった試合が実際に引分になった。予測通りの結果になった「順当な結果」の試合数をグラフ化している。

川崎Fは順当勝ちが多い。川崎Fは順当勝ちが多すぎて、番狂わせも取りこぼしも少ない。横浜FC、湘南、仙台は順当負けが多い。この中では神戸が順当引分が多いことが分かる。


下記グラフは横浜FCの取りこぼし、順当な結果、番狂わせの試合数を表したものである。

取りこぼしよりも番狂わせの方が多く、期待値以上に勝点を積み上げていることが分かる。しかし最も多いのは順当負けであり、期待値通りに負けることが最も多い。ここは実力の部分なのだろう。


下記表はリーグ全体の予実差異内訳ごとの期待値平均得失点差である。

3(負→勝)-0.94とは期待値では0.94点差で負けるという予測をひっくり返して勝利したという意味である。-3(勝→負)0.82は期待値では0.82点差で勝つという予測がひっくり返されて負けたという意味である。


こちらは横浜FCの期待値平均得失点差。

これを見ると取りこぼしがかなり少ないことが分かる。またリーグ全体の平均と比べると、3(負→勝)が、横浜FC-1.28、リーグ全体-0.94であり、他チームよりも爆発力があることも分かる。


こちらの表が横浜FCの期待値得失点差合計。

平均を合計にしてみた。合計にすると、0(負→負)が-9.65と非常に大きな数字になった。番狂わせを起こした3(負け→勝)-5.10、2(引分→勝)-0.32、1(負→引分)-3.17の合計-8.58よりも大きい。横浜FCは番狂わせを起こすことは多いが、期待値通り順当に負ける方が寄与率が高い。以前SPORTERIAスタッフ様から「横浜FC、得失点の差分に比べて勝点の上積みが優秀過ぎませんか…?😲」との問いをもらっていた。横浜FCの得失点の差分は順当負けと番狂わせ分が相殺されてしまった結果であり、勝点の上積みの優秀さは取りこぼしが少なく番狂わせが多いためであると言える。



いつものことながらFootball LAB(https://www.football-lab.jp/)さんからデータを拝借した。