前回レビューした「チームスタイル指標まとめ」の巻(https://sporteria.jp/blog/yagoto-10/6731547942953422849)の最後で、「これにてチームスタイル指標はお終いです(たぶん)。」と記載しましたが、もう一つやらなけれなならないことがありました。作業が終了しましたのでレビューします。
今まではチームスタイル指標のそれぞれの項目内で相関係数を計算し気づいたことを述べてきました。ここでは項目間を超えて相関係数を計算しました。項目と指標の内訳は割愛しますが、7つの項目と11種類の指標により1チーム当たり77種類の指標を用いての計算になります。よってこのブログ内で計算行列を示すことはできないため、相関係数が絶対値で0.7以上の指標のみ下記に示します。ここでいえることは、あくまでJ1リーグの傾向ということです。成功の法則ではありません。
約6,000の計算結果の内「21km/h以上の走行平均人数」、「21km/h以上の走行一人当たりの平均距離」、「24km/h以上の走行平均人数」、「24km/h以上の走行一人当たりの平均距離」同士の結果を除き、上記9つのみが強い相関関係にありました。21km/h以上の走行平均人数」、「21km/h以上の走行一人当たりの平均距離」、「24km/h以上の走行平均人数」、「24km/h以上の走行一人当たりの平均距離」同士は強い相関関係になりやすく、このことは容易に想像することが出来ると思います。よってここでは分析対象からはずしました。
1.中央攻撃「指数」-ショートカウンター「指数」 0.73
強い相関関係にあります。ショートカウンターが多いチームは中央から攻撃するという関係にあります。速く攻撃するためには最短距離を進むことが大切です。
2.中央攻撃「シュート率」-ショートカウンター「ゴール率」 0.78
中央攻撃のシュート率が高くなればなるほどショートカウンターのゴール率が高くなります。ショートカウンターによる中央攻撃が成功し、シュートまで持ち込めれば、ゴールできる確率が高くなります。上記表の中で唯一シュート率とゴール率が出てきました。中央から速く攻撃することでゴールが増えることを意味しています。すごく大事なところだと思います。
3.右サイド攻撃「ドリブル使用率」-ショートカウンター「ドリブル使用率」 0.74
同じドリブル使用率です。右サイドからショートカウンターを仕掛ける際はドリブルを多用するチームと多用しないチームに分かれることが分かります。上記表の中にはドリブル使用率とシュート率やゴール率の指標がないことから、ドリブルを使用すればするほどシュート率が非常に高くなるとか、ゴール率が非常に高くなる傾向はないと思われます。
4.中央攻撃「21km/h以上の走行一人当たりの平均距離」-ショートカウンター「コンビネーション使用率」 -0.71
この中では唯一負の相関関係にあります。中央攻撃とショートカウンターが近い関係にあることは前述しました。中央からショートカウンターを仕掛ける際は、「コンビネーションを使わずに走力で勝負するチーム」と「走力ではなくコンビネーションで勝負するチーム」に分かれます。
5.中央攻撃「コンビネーション使用率」-ロングカウンター「コンビネーション使用率」 0.80
上記表に中では最も強い相関関係にあります。中央攻撃とロングカウンターが近い位置にあるのでしょう。速く攻撃するためには最短距離を進むと有効ですかね。コンビネーションを多用するチームと多用しないチームに分かれることが分かります。
6.右サイド攻撃「ロングパス使用率」-敵陣ポゼッション「ロングパス使用率」 0.77
同じロングパスということから、放り込んでしまう絵が浮かびます。右サイドも敵陣でも、または敵陣の右サイドからなのか。下記8でもロングパスが出てきます。
7.中央攻撃「コンビネーション使用率」-敵陣ポゼッション「指数」 0.73
敵陣ポゼッション攻撃を中央から仕掛ける際にコンビネーションを多用すると攻撃回数が増えるという関係にあります。固く閉ざされた中央をこじ開けるにはコンビネーションは大事ですね。
8.中央攻撃「ロングパス使用率」-敵陣ポゼッション「ロングパス使用率」 075
敵陣ポゼッション攻撃を中央から仕掛ける際にロングパスを多用するチームと多用しないチームに分かれます。上記7とは対照的に見えます。どちらが有効的ですかね。何となくわかるような気がしますが。
9.右サイド攻撃「ドリブル使用率」-左サイド攻撃「ドリブル使用率」 0.70
ドリブルを多用するチームは右サイドも左サイドもドリブルで仕掛けるという構図です。両サイドのドリブラーを抱えているということになります。イメージとしてはウイングですかね。両翼からえぐられたら、DFはパニックに陥ってしまいますね。
強い相関関係にあるものだけを抜き出しました。言葉が足りずかなり強引な解釈も含まれていますが、なかなか興味深い結果になりました。
いつものことながらFootball LAB(https://www.football-lab.jp/)さんからデータを拝借しました。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/11/13 00:03
イメージ的にはショートカウンターは相手のビルドアップを壊してというところがあるので、ビルドアップのために陣形が拡がったところでボール奪取⇒中央にあるスペースを一気に攻める、というのがありそうですね💡
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ぴくしー
2020/11/14 09:22
SPORTERIAスタッフ様コメントありがとうございます。コメントの通りのイメージがあります。数字的にも中央攻撃とショートカウンターの近似性が見て取れる部分があります。