いつものことながらFootball LAB(https://www.football-lab.jp/)さんからデータを拝借した。Football LABさんのデータの中には総走行距離というデータがあり、チーム別にどれだけ走ったのかを測定したものだ。走るという行為には2種類あって、自ら走る行為と相手に走らされる行為がある。今回はそれを計算してみた。
自ら走るというのはどういうことか?それは攻撃をするということだ。逆に走らされるのは守備の時、相手の攻撃の時である。ということで自チームの攻撃回数と相手チームの攻撃回数で総走行距離を按分した結果が下記のグラフになる。データは開幕から11/25までに消化した試合分である。
試合を見たイメージと比べてどうでしょうか?あまり差が出ていないような気がする。
次にボール支配率で総走行距離を按分した。ボールを支配していれば自ら走るし、相手がボールを支配していれば走らされることになる。ボールだけが動くこともあるかもしれないが。
こちらも試合を見たイメージと比べてどうでしょうか?攻撃回数別総走行距離の結果と真逆になっているチームもある。また先ほどのグラフと違い、差が大きいことも特徴的である。
最後は攻撃回数とボール支配率両方を掛け合わせて按分した。
筆者のイメージではこれが一番しっくり来る気がします。
これが正解という前提で話をすると、まず横浜FMの「走る」が非常に大きい。70,000mも自ら走っている。横浜FMのパスとスプリントのハイブリッドサッカーのイメージ通り。「走る」と「走らされる」の差も非常に大きく20,000m。圧倒的に自ら走っている。
次は神戸。神戸も「走る」が非常に大きく65,000mも自ら走っている。「走らされる」方はリーグ最少の46,000m。最も走らされていないチームである。
その他「走る」方が大きいのは、札幌、鹿島、川崎F、鳥栖が挙げられる。
逆に「走らされる」のが大きいチームは、湘南、仙台である。この2チームはリーグ成績も下位に低迷しており、主導権を握ることが出来ていないのだと推測できる。FC東京も「走らされる」が非常に大きい。FC東京はカウンターを志向しており、理に適っている気がする。その他「走らされる」のが大きいチームは、G大阪、浦和、柏である。
「走らされる」方が大きいほどカウンターサッカーになるのではないかと思い、上記3つの項目とロングカウンター指数との相関係数を計算した。結果は下記の通り。
攻撃回数差が絶対値で最も大きい相関関係になった。自チームに比べて相手チームの攻撃回数が多いほどロングカウンター指数が高くなるという関係である。しかし相関係数は-0.35でそれほど強くはない。攻撃回数差以外では、支配率差は-0.24、攻撃・支配率差は-0.26であり、攻撃回数差よりも相関係数は小さい。いずれにしても相関係数は小さく、「走らされる」チームほどロングカウンターが増えるという関係は薄い(ないわけではないし、方向としてはそちらを向いている)。ショートカウンターとの相関係数はもっと小さく、ここに掲載するほどではなかった。
まとめ
おもしろい結果になったが、たぶん誰も正解が分からないから、筆者としても本当に正しいのかどうか、正解に近いのかどうか甚だ疑問ではある。が、やっつけ仕事としては、まあ良しとしよう。
コメント(1)
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SPORTERIAスタッフ
2020/11/30 19:05
基本的には守備側のチームの方が(同じ時間の)攻撃側のチームよりも走らないといけないのですが、横浜FMみたいに攻撃側でも良く走るチームだと、相手チームはさらに「走ることを強要される」感じがしますねぇ。
あとはインプレー時間の長さも関係してくるでしょうか。難しいところです。