2020シーズンが終了しました。川崎Fが独走し、川崎Fの記録づくめのシーズンになりました。川崎Fが独走したことで、他チームとかなり差が開きました。ではリーグ全体としてどれくらい差が開いたかを計算してみます。端的に言えば「格差」ということになります。格差を計算する指標としてジニ係数があります。では早速ジニ係数を計算します。ジニ係数や計算方法はググって下さい。


計算結果

2020シーズン 0.176

0.176だけで判断することは難しいため、Jリーグ(J1)創設以来のジニ係数を求めました。結果は下記の通り。

表中の「最多勝点・最多勝利」、「勝点・勝数」の説明です。2ステージ制を敷いていた時に優勝チーム以外のチームが最多勝点を獲得したことがありました。そのため優勝チームを記載しているわけではありません。また創設当初は勝点制ではなかったため、このような表記にしています。

最も格差が大きかったのが1998シーズンで、ジニ係数0.205です。リーグ全体として最も差が開いたシーズンです。逆に最も格差が小さかったのが2018シーズンの0.098です。2020シーズンは川崎Fが独走し優勝しましたが、上記表を見る限り、格差としてはダントツというわけではありませんでした。下記にグラフを掲示しますが、可視化すると一目瞭然ですね。


では次に海外に目を向けましょう。2019-20シーズンの欧州4大リーグのジニ係数です。

セリエAが最も高いですね。


では次に、筆者が応援するバルセロナが勝点100を獲得したシーズンのジニ係数です。

バルセロナの成績は良かったのですが、リーグ全体の格差としては2020Jリーグとほぼ差がありません。

同様にマンチェスター・シティがプレミアリーグ最多勝点を獲得したシーズンのジニ係数です。

かなり高いですね。


ジニ係数はサッカーの格差を計算するために作られた指標ではありません。元々は富の偏在性を計算するための指標です。ということで、サッカー以外のジニ係数として日本の所得格差(OECD)を掲示します。

Jリーグや海外リーグのジニ係数と比較すると2倍近いです。所得格差はサッカーの格差よりも大きいです。


では次にAKB48選抜総選挙におけるジニ係数です。引用元第10回AKB48選抜総選挙格差分析 (tokai.or.jp)

Jリーグや海外リーグ、そして所得格差よりもジニ係数は大きく格差が大きいです。アイドルの世界は大変厳しいです。社会騒乱多発の警戒ラインとしてジニ係数0.4があります。AKB48選抜総選挙は警戒ラインを超えていることから警戒が必要です。AKB48劇場支配人は大変な役割ですね。


ジニ係数は格差を計算するための指標です。計算された数字を直接比較することが出来る反面、バックボーンにある事象も考慮しなければなりません。サッカーとAKB48ではレギュレーションが異なるからです。いくら川崎Fが強いからといって、全ての勝点を独占することはできません。逆にAKB48選抜総選挙は、極端に言えば全ての票を独占することも可能です。所得格差も極端に言えばAKB48選抜総選挙に近いことも可能です。レギュレーションの違いからジニ係数が異なってくることは当然です。ジニ係数の比較の観点から所得格差やAKB48選抜総選挙の結果も掲載しましたが、直接比較する際は注意が必要です。

2020シーズン、川崎Fがその強さを発揮し記録づくめの結果を残しました。リーグ全体としてのジニ係数はダントツではありませんでしたが、川崎Fの強さは誰もが認めることでしょう。ACLでの活躍を期待します。



※ACLには我が名古屋グランパスも出場します。ACL優勝は我が名古屋に譲っていただきたいです。