SPORTERIAさんやFootball LABさんがデータを配信してくれるため大変重宝しています。今回は交代出場について投稿させていただきます。

使用するのは各チーム別、シーズン別(2019,2020)の交代出場の選手データになります。シーズンの比較をしたため、2019シーズンをもって降格したチーム、2020シーズンから昇格したチームは対象から除きました。


下記は攻撃CBPです。出場延べ人数と攻撃CBP合計を集計しました。出場延べ人数が増えていることが分かります。減っているチームはありません。交代枠が増えた影響です。また攻撃CBP合計も増えています。16チームの合計は715.9から1,164.1へ増えています。2019シーズンよりも2020シーズンの方が、交代選手が活躍したことが分かります。


次は下表です。攻撃CBPを出場延べ人数で割り、一人当たりの攻撃CBPを計算しました。更に2020シーズンの値を2019シーズンの値で割りました。こうすることで2019シーズンから2020シーズンにかけての変化が分かります。

赤色のセルが100%以上の値になります。交代出場した選手が攻撃で活躍していることが分かります。最も値が高いのは横浜FM、次いで広島、清水と続きます。


下記は守備Pです。出場延べ人数と守備P合計を集計しました。16チームの合計は313.5から474.5へ増えています。2019シーズンよりも2020シーズンの方が、交代選手が活躍したことが分かります。


攻撃CBPと同様、守備P出場延べ人数で割り、一人当たりの守備Pを計算しました。更に2020シーズンの値を2019シーズンの値で割りました。こうすることで2019シーズンから2020シーズンにかけての変化が分かります。

赤色のセルが100%以上の値になります。交代出場した選手が守備で活躍していることが分かります。最も値が高いのはG大阪、次いで名古屋、仙台と続きます。


下表は、上記で計算した攻撃CBPの%、守備Pの%に加えて2020シーズン各チームの得点と失点を追加した表です。



一人当たりの攻撃CBPと一人当たりの守備Pの100%以上のセルを赤色にしました。一目でわかるようにほぼ2分割になっています。攻撃CBPが高いチームは守備Pが低い。逆に攻撃CBPが低いチームは守備Pが高い。一部(FC東京、浦和、川崎F)のみ両方ともに100%以上になっています。このように比較すると、交代出場選手の役割が見え、各チームの交代戦術がおぼろげながら見えてきます。


上記表の一人当たりの攻撃CBP、一人当たりの守備P、得点、失点について相関係数を計算すると下表の通りになります。

青色のセルは攻撃CBPと守備Pの相関係数です-0.67です。攻撃CBPが高いと守備Pが低くなる。攻撃CBPが低いと守備Pが高くなるという関係になります。絶対値で0.7には届きませんが、-0.67ですので結構強い相関関係になります。単純に言えば、点を取るために選手交代するチームと守りを固めるために選手交代するチームに分かれることが分かります。

次は黄色のセルの内、攻撃CBPと得点の関係です。相関係数は0.46です。それなりの相関関係にあります。攻撃CBPが高いと得点も増えるという関係です。

もう一つの黄色のセルです。守備Pと失点の関係です。相関係数は-0.32です。攻撃CBPと得点の関係ほど強くはありませんが、守備Pが高いと失点が少なくなるという関係になります。


次は決定係数です。相関係数を二乗した値になります。結果は下表の通りです。

攻撃CBPと得点の決定係数は0.21です。大雑把に言えば得点の21パーセントに対して、交代出場選手の攻撃CBPが影響しているとでも言えるのではないでしょうか。守備Pと失点の決定係数は0.10です。こちらも大雑把に言えば失点の10パーセントに対して、交代出場選手の守備Pが影響しているとでも言えるのではないでしょうか。そして双方を比較すると攻撃CBPの方が守備Pよりも結果に影響を与えていると言えます。攻撃するために選手交代した方が、良い結果が出ているのではないかと思われます。


まとめ

1.2019シーズンと比較して2020シーズンの方が交代出場選手が活躍している。

2.交代出場選手の攻撃CBPや守備Pから、各チームの交代戦術が見て取れる。

3.攻撃するために選手交代した方が、良い結果が出ている。


いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。