一日一善ならぬ一日一投稿、続させていただきます。

今回は名古屋の失点パターンの巻です。Football LABさんのチーム比較機能を使い2020シーズンと2019シーズンの失点パターンを比較しました。結果は下図の通りです。

見ての通り、2020シーズンの失点パターンが限られているのに対して、2019シーズンの失点パターンは多岐にわたります。2020シーズンにおいて5点以上失点したパターンはセットプレー、クロス、ショートパスの3種類に対して、2019シーズンはPK、セットプレー、クロス、ショートパス、ドリブル、こぼれ球、その他(一応入れておきます)の7種類です。2019シーズンはありとあらゆる方法で失点しました。2020シーズンは守備戦術が機能したのか、失点パターンが限定されたようです。ELGOLAO「J1&J2全40クラブ総括レポート2020[完全保存版]」P.21に名古屋の守備に関することが記載されているため引用させていただきます。「しっかりと守備のブロックを作って中央を固め、守備に切り替わった瞬間に自分たちの態勢が悪ければ、無理なアタックはせずに自分の守るべきポジションに戻る。前線からの追い込みでボールの出しどころを限定させ、奪取力の高いボランチが刈り取る仕組み。」と記載されています。やはり2020シーズンは守備戦術が構築されたのでしょう。

次にCBとCHの守備を比較します。「奪取力の高いボランチが刈り取る」との記述がありましたので検証します。下記が2019シーズンと2020シーズンのCBとCHの奪取Pの合計です。

奪取Pは2019シーズンの方が値が大きいです。CHの値をCBの値で割るとどちらの比重が高いかが分かります。2019シーズンは147%、2020シーズンは161%です。2020シーズンの方が、CHの奪取Pの比重が高いことが分かります。「奪取力の高いボランチが刈り取る」というのは的を射ていると思います。CHはCBの負担を減らしています。

2020シーズンの名古屋の躍進に要因は多岐にわたるとは思いますが、守備戦術が構築されたことは最も大きな要因であると思います。


今回はFootball LABさん、ELGOLAZOさん(引用した部分はData Stadiumさん)からデータ等を拝借しました。