筆者の心の友、イニエスタ選手の話である。

下図は2020シーズンの攻撃ポイントベスト10である。攻撃ポイントが高い選手が欠場したら、チームはどうなるのか?計算しました。

今回の対象は元バルセロナ、現神戸のイニエスタ選手である。何故イニエスタ選手か、それはベスト10のうち、最も出場試合が少なく、最も攻撃ポイントが高いからである。全試合出場やそれに近い場合、欠場試合が少なくなり、欠場試合のデータ量が少なくなる。イニエスタ選手は8試合欠場しているため、下図の中では欠場試合のデータ量が最も多くなる。また攻撃ポイントが高い方が、チームに与える影響が高いと推測した。ということからイニエスタ選手欠場8試合、出場26試合の神戸のデータを比較しました。

欠場試合と出場試合について、各項目ごとに平均を出しました。

欠場した方が得点が高い、勝点も多い。攻撃CBPは出場の方が高い。イニエスタ選手が出場した方が攻撃力が高くなるのだろう。パスCBPは出場した方が高い、納得です。クロスCBPは欠場の方が高い。欠場すると、チームとしてパスよりもクロスを選択するのでしょう。


ドリブルCBPは欠場の方が高い。欠場するとパスよりもドリブルを選択するのでしょう。シュートCBP、ゴールCBP、奪取P、守備Pも欠場の方が高い。


ゴール期待値は欠場の方が高い、意外です。シュート、枠内シュートも欠場の方が多い。パスは出場の方が約44本多い。44本は、差としては大きいと思う。クロスは欠場の方が多い。


直接FKは出場の方が多い。ドリブルは欠場の方が多い。パスよりもドリブルを選択するのでしょう。タックルも欠場の方が多い。

クリアは出場の方が多い。30mライン進入は出場の方が多い。


逆にペナルティエリア進入は欠場の方が多い。総走行距離は出場の方が長い。スプリントは欠場の方が多い。攻撃回数は欠場の方が多い。ボール支配率は、ほぼ同じであるが、出場の方が僅かながら高い。


上記の項目の中で、有意差があったのはスプリントである。

1%水準で有意である。欠場の方が多いと言えるでしょう。スプリント以外は、統計学的には誤差の範囲内になる。パスは出場と欠場で約44本の差があったが、有意な差ではなかった。

それでも、出場の方がパスが多かったり、欠場の方がドリブルが多かったりと、イニエスタ選手が出場するか否かで神戸のチームスタイルが変わるようである。


いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。