2021年7月5日(月)にスポーツアナリスト育成講座Vol.7が行われ、日本サッカー協会テクニカルハウスリーダーの片桐央視様から、代表各カテゴリーのサッカー分析の講義を受けました。講義の中で、スペインのビルバオに行った時に、ビルバオのアナリストにデータを見せて意見を求めたところ、「このデータはエビデンスがない」と言われたエピソードを話していました。このエピソードは非常に印象に残りました。エビデンスの直接の意味としては根拠や証拠ということになると思います。育成講座の他の講師が、データ分析では「そのプレーの再現性を確認する」ということもおっしゃっていました。自分なりに考えると、データ分析におけるエビデンスとは有意差があるかどうかということになると解釈しました。

そこで今回はホームとアウェイの差についてエビデンス(有意差検定)を用いて考えてみます。一般的に、ホームでは攻撃的になり、アウェイでは守備的になるというイメージがあります。果たしてそうなのか?

使用するデータは2021シーズンJ1リーグにおいて7月16日(金)までに終了した206試合です。毎度のことながらFootball LAB(https://www.football-lab.jp/)さんのデータを拝借します。

攻撃的か守備的かということを考えたとき、最も有用なデータになるのは攻撃CBPと守備Pです。得点や失点、ゴール期待値は結果でしかありません。

まずホーム、アウェイごとの攻撃CBPと守備Pの平均を算出しました。結果は下図の通りです。

攻撃CBPはホームの方が1.17高いです。ホームの方が攻撃的に見えます。

守備Pはアウェイの方が0.30高いです。アウェイの方が守備的に見えます。

これは単なる平均ですので、次にF検定、t検定を実施します。

攻撃CBPはt検定において5%水準で有意差が認められました。簡単に言えば、ホー

ムの攻撃CBPが高いと言えます。

守備Pは5%水準では有意差が認められませんでした。アウェイチームの守備Pの方が平均は高いのですが、誤差の範囲ということになります。アウェイチームの守備Pが高くなるのはホームチームの攻撃に押されて守備的になり(受動的)、守備機会が増え守備Pが高くなるとうことになるのでしょうか。意図的に守備的戦術を用いるわけではないため有意差が出ないのだと解釈できます。


以上の結果から、「ホームは攻撃的」、「アウェイは守備的とは言えない」となります。


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得点、ゴール期待値、ボール支配率も同様に計算しましたので掲載しておきます。

得点は5%水準で有意差が認められました。得点=失点です。ホームの得点はアウェイの失点、アウェイの得点はホームの失点です。

ゴール期待値は1%水準で有意差が認められました。



ボール支配率は5%水準で有意差は認められませんでした。