毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。
今回はJ1リーグにおける2020シーズンと2021シーズン(7/28終了時まで)の被ペナルティエリア進入率や被30mライン進入率を使ってみます。
それぞれの定義は
被ペナルティエリア進入率=被ペナルティエリア進入回数÷被攻撃回数
被30mライン進入率=被30mライン進入回数÷被攻撃回数
とします。
2020シーズン、2021シーズンのそれぞれの数値は下記の通りです。シーズン比較のため、2021シーズンにJ1リーグへ昇格した2チームは除外しています。
2020シーズンと2021シーズンの差が下表になります。
数値は2021シーズンから2020シーズンを引いています。
上記数値を散布図にすると下図になります。
近似直線、R二乗値(決定係数)、R(相関係数)は上図の通りです。
チームによって差が大きいことが分かります。
「近似直線と各チームの値の距離」が別の何かに影響する、もしくは反対に別の何かが「近似直線と各チームの値の距離」に影響するのではないかと仮説を立てることが出来ます。そこで下図の赤色矢印のように近似直線との距離を計算します。
計算結果は下表の通りです。率をもとに計算していますので距離の単位が%になってしまいました。
上表の結果、バラツキが大きいことがわかります。
他の何か(守備P、奪取P、失点、被ゴール期待値など)を色々と検索したところ、クリア回数(2020シーズンと2021シーズンの差)と関連がありそうだと分かりました。下表の通りです。
上表をもとに相関係数を計算したところ下記の通りになりました。
相関係数は0.78です。よって近似直線との距離がプラスで大きいチームはクリア回数が増える傾向にあるということになります。また反対に近似直線との距離がマイナスで大きいチームはクリア回数が減る傾向にあるということになります。
散布図を再掲します。
プラスで顕著なのが清水、大分、神戸です。マイナスで顕著なのが柏、C大阪です。
神戸は被ペナルティエリア進入率、被30mライン進入率ともに減少していますが、クリア数が増えています。ボールを奪うというところでは意図通りの結果になっていないのではないかと推測できます。
清水は被30mライン進入率は高くなっていますが被ペナルティエリア進入率は低くなっています。30mラインに進入されても、その先は行かせない、良い傾向です。しかし神戸同様、ボールを奪うというところでは意図通りの結果になっていないのではないかと推測できます。
大分は被30mライン進入率、被ペナルティエリア進入率ともに高くなっています。良くない傾向です。クリア数も増えており、守備が上手くいってないと推測できます。
時間がないので、他のチームのコメントは省略します。
以上、簡単ですが報告させていただきます。
コメント(1)
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SPORTERIAスタッフ
2021/8/3 20:27
>清水は被30mライン進入率は高くなっていますが被ペナルティエリア進入率は低くなっています。30mラインに進入されても、その先は行かせない、良い傾向です。
ロティ―ナ監督がC大阪→清水となったので、何か法則性があるかも…?
と思ったのですが、そう単純では無さそうですね。
守備の仕方もさることながら、どこまでを許容してどこからは(相手に)許さないのかも関係してきそうですね。